COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2023/07/24 運輸業・倉庫業(3PL事業者)

進む自動化!物流センターに求められる役割と課題解決の方法は?

物流倉庫で作業をする男性

ネット通販・テレビ販売などの人気が高まると同時に、当日や翌日までに配送され、送料無料などのサービスが増加中です。そのため、物流センターではこれらに対応するため、さまざまな業務の自動化が進んでいます。今回は、そんな物流センターの機能や抱えている課題のほか、それらを解決する方法である自動化などについて紹介します。

物流センターの機能

物流センターの機能は大きく分けて5つあります。

保管機能

保管機能は、商品を出荷するまで保管・貯蔵するほか、在庫切れや過剰在庫などを起こさないように管理できる仕組みです。場合によっては、保管する商品の品質が低下しないよう、温度や湿度なども調整し適切な環境で保管することも重要な機能です。

輸送(出荷)機能

保管している商品を消費者や小売店などを届ける輸送(出荷)機能は、生産から消費にかかる場所的な隔たりを埋めるためにも重要で、トラックや鉄道、航空などさまざまな方法で商品が輸送されます。

荷役機能

荷役機能は、物流センターにおいて特に重要です。この機能は商品の入出庫や、受注情報などをもとに保管している商品を取り出すピッキングなどを担います。さらに、スムーズに商品を出荷するために、配送先別に仕分けも行います。

包装機能

包装機能は、配送予定の商品を保護するために必要な機能です。包装は1つ1つの商品を外部の刺激から守るための「個装」、商品をまとめて1つに包装する「外装」、個装の商品をまとめて包む「内装」の3種類に分けられます。

流通加工機能

流通加工では、商品へのタグ付けやラベル貼り、箱詰めを行います。商品を販売している小売店でも行うことですが、物流センターで生産段階を終えた商品に加工を施しておくと、小売店では販売のみに集中して業務に移れるので、効率化を図れます。

流通加工については、こちらのコラムがおすすめです。

BtoCの流通加工を委託したい!物流業務の委託先倉庫を選ぶポイントとは?
https://www.logizard-zero.com/columns/outsourcing03.html


目的によって異なる物流センターの種類

物流センターは、目的によって規模や種類が異なります。

配送センター

配送センターは、各地域の顧客へ商品を配送するためのメーカーや小売業者の物流拠点になるところです。各配送センターでは届け先ごとに商品の仕分けが行われ、トラックで商品が輸送されます。通販だけでなく実店舗を持っている場合は、店舗在庫の軽減も目的の1つです。

デポ

デポと呼ばれる物流センターは、配送センターよりも小型に作られた拠点で、卸売業者やデパートなどの配送を行うために作られた物流センターを指します。

DC(Distribution Center:ディストリビューションセンター):

DC(Distribution Center:ディストリビューションセンター)は、在庫を保管する目的で作られた拠点です。DCでは、荷捌きや流通加工済みの商品を保管します。在庫期間や保管面積の大きいことが特徴で、保管型倉庫とも呼ばれています。

TC(Transfer Center:トランスファーセンター):

TC(Transfer Center:トランスファーセンター)は在庫を持たない物流センターで、コンビニなどの大型量販店チェーンの物流拠点として設置されます。荷捌き・配送を中心とした作業を行う拠点のため、センター内に商品を保管することがありません。

PC(Process Center:プロセスセンター):

PC(Process Center:プロセスセンター)は、スーパーマーケットなどへ納品を行う商品を加工するために設置された拠点です。主に生鮮食品などを取り扱い、根付や包装なども行います。


物流センターの業務の流れ

物流センターでは入荷→保管→出荷の流れで業務を行います。

入荷

工場や仕入先から商品を受け入れるほか、納品書のチェックも入荷作業の1つです入荷された商品の品番と納品書に記載された品番に間違いがないかをチェックします。さらに、数量や製造日といった情報もチェックするなど、商品を管理するためにさまざまなことを確認して入荷が行われます。

保管

商品をすぐに出荷せず施設内で保管する場合は、入荷業務を行う場所(入荷場)から保管スペースへ移動させます。保管方法として、商品の種類・品番ごとに保管場所を固定する固定ロケーションと、保管場所を固定させずにシステム上で管理するフリーロケーションがあります。

ロケーション管理について、こちらのコラムでも解説しています。

物流倉庫における、ロケーション管理の種類と特徴
https://www.logizard-zero.com/columns/warehouse02.html

出荷

保管した商品の出荷指示が出ると、ピッキングを行います。ピッキングは保管している商品を受注情報や出荷伝票などをもとに、保管ロケーションから取り出すことです注文数が少なく、商品の種類が多い場合は受注先に合わせた商品を取り出すシングルピッキングが採用されます。一方で、商品が少なく、注文が多い場合は商品を取り出して受注先ごとに仕分けを行うトータルピッキングを行います。

ピッキングについて、こちらのコラムでも解説しています。

ピッキングの種類と方法を解説!物流業務でのピッキングとは?
https://www.logizard-zero.com/columns/warehouse01.html

ピッキングの後は、出荷する商品の種類や数量に間違いがないか、検品を点検を行い、梱包送り状ラベルの貼り付けを行います。

最後は梱包品の仕分けです。例えば、配送する方面別に仕分けをしておくと、配送の際、スムーズに商品をトラックに詰め込むことができます。


物流センターに求められる役割

需要と供給のバランス調整

小売店やデパートなどで販売されている商品は、顧客に購入されることで販売実績が企業本部に伝わります。そして、商品を過不足なく流通させるために、本部から卸売業者へ発注され、最終的にはメーカーまで発注情報が伝わっていきます。この流れの中で、物流センターは商品の出庫や加工、納品などを行うので、需要と供給のバランスを調整する役割を果たす重要な施設です。

業務時間・リードタイムの短縮

物流センターは生産や出荷、納品などにおける時間短縮も行っています。商品の名前や品番などをデータ化し倉庫内で管理することにより、どこにどの商品を保管しているのかをすぐに把握できます。正確な商品管理により、リードタイムの短縮やスムーズな作業が可能です。

物流品質向上・物流コスト削減

適切な場所、適切な条件で商品を届けるための物流品質向上や、発生するコストの削減なども、物流センターの役割となっています。商品の配送は受注情報などをもとに行われます。 そして、コストに関して、保管している商品はどれもデータとして管理されているため、適切な期間で保管し続けられます。つまり、余分な期間、商品を保管しないので、保管費を削減可能です。さらに、納品先ごとに仕分けられた商品を運ぶため、余計なルートでの運送がなくなり、運送費も削減されます。

物流における波動への対応

物流量の変化に対し柔軟に対応することも、物流センターの役割です。商品が過剰に売れたり、予想以上に売れ残ったりした場合、予想していた物流量が変化してしまいます。このような事態に備えて、事前に商流側とのスケジュール共有を行うことをおすすめします。


物流センターの課題

オンラインでの購買、ECが一般的になり、個配の流通量が増加、さらにECでは翌日や当日中の配送サービスが求められているため、物流センター内ではさまざまな作業の効率化が考えられています。しかし、施設内では業務スタッフが1カ所に集中することで、業務効率が鈍化することもあります。これは、業務を行うエリアの狭さや、同じ箇所に出荷頻度の高い商品が集中しすぎていることが原因 です。このような問題を解決し、少しでも早く配送することが、改善すべき課題として取り上げられています。

また、送料無料に対応するための物流コスト削減や、ピッキング作業の効率化なども大きな課題となっています。物流センター内では、商品を保管している棚まで移動、出荷する商品を準備する「ピッキング作業」が最も業務コストがかかります。そのため、この業務をより効率化することが、物流コスト削減の課題解決方法の1つとなります。

他にも物流センターでは、作業効率化に向けて、リアルタイムでの在庫情報の把握なども行われています。しかし、この方法では作業実績が全てわかるわけではありません。作業員の行動1つ1つも把握できないため、問題が発生しても気がつかない恐れがあります。そこで考えられているのが、物流センター内の見える化です。見える化することによって、ミスの削減や作業状況の見直しが可能になります。作業内の無駄や人手不足などの改善、物流センターが抱える様々な課題解決につながっていきます。


進む物流センターの自動化・省力化

物流センターが抱える課題を解決するために、さまざまな業務の自動化が進んでいます。1つは荷主(クライアント)が持っている受発注システムと物流センターの持つ倉庫管理システム(WMS)の連動です。システム連動することで、荷主が受注依頼をした場合、すぐに物流センターのデータベース上の在庫と照合・引き当てを行い、出荷の準備、配送まで進めることができます。

WMSによる情報の見える化も進められています。在庫数や保管場所、入出荷の状況などをリアルタイムで把握することによって、停滞している工程が可視化され、無駄のない業務フローへ改善することができます。

その他、物流業務の自動化・効率化には物流ロボットをはじめとしたマテハン機器が活用されています。例えば、荷物を歩いて運ぶ業務は倉庫内業務の中でも多くの割合を占めますが、「棚搬送(GTP)型ロボット」「自立協働型ロボット」などの搬送型ロボットに荷物の移動を任せることで、大きな工数削減が可能です。また、出荷先別や品目別に物品を分ける仕分け業務では、コンベア型ソーター(自動仕分け機)やロボットソーターを活用することで、短時間に大量の仕分けを行うことが可能になります。その他にも、ピッキング業務や梱包、出荷ラベルの貼り付けなどさまざまな業務でマテハン機器が活用されており、人の手ではミスが起きる恐れのある作業でも、ロボット・マテハン機器が行うことにより効率的でミスのない作業が可能となります。

物流センターによっては、梱包や出荷ラベルの貼り付けも自動化しています。人の手ではミスが起きる恐れのある作業でも、ロボット・マテハン機器が行うことにより効率的でミスのない作業が可能となります。

物流ロボットについては、こちらのコラムがおすすめです。

物流ロボットとは?特徴的な機能と種類を解説
https://www.logizard-zero.com/columns/robotics01.html

マテハンとは?マテハン機器の種類をわかりやすく解説 
https://www.logizard-zero.com/columns/basic08.html


自社で物流センターを持つメリット・デメリット

自社で物流センターを持つメリット

自社で物流センターを持つメリットは、素早く、柔軟性のある対応ができることです。顧客から商品に関する問い合わせがあった際、在庫や運送状況などを自社内ですぐにチェックしご案内ができます。また、状況によっては、商品の発送方法をトラックから空輸や鉄道などに切り替えたり、宅配業者を変えたり、その場に応じて変更することもできるでしょう。物流業務を自社でコントロールできるというのは、コストや作業効率なども調整できるということで、これは大きなメリットとなります。また、個人情報を社内管理することによる外部流出のリスク軽減や、物流ノウハウを社内で蓄積できることもメリットです。

自社で物流センターを持つデメリット

デメリットとしては、物流業務を担当する人材、作業を行う場所の確保や教育をしなければならないことが挙げられます。人材の確保と教育は時間がかかる上、コストも発生します。しかし、倉庫管理システム(WMS)やマテハン機器を導入すると、イニシャルコストはかかりますが、人材育成にかかるコストと時間はある程度削減できます。

物流にかかるコストを変動費化できない点もデメリットです。例えば自社の社員が物流業務を行う場合、人件費が固定化されてしまいます。また、自社で倉庫物件を借りている場合、倉庫内の保管量が減少しスペースが余ったとしても、家賃は固定のため空きスペースにコストをかける状態になります。時期により、保管量や出荷量の増減が大きくなるほど、閑散期の余剰コストが大きくなると言えるでしょう。


物流センターをアウトソーシングするメリット・デメリット

物流業務をアウトソーシングするメリット

物流業務をアウトソーシングするメリットとしては、自社本来の業務に専念できることが挙げられます。物流業務は人材の配置や管理システムの導入のほか、日常的な手間と人手が必要な業務です。そのため、物流業務を自社で行わない場合、これらの手間のかかる業務から解放されるので、販促活動など、本来行わなければならないメインの業務に力を入れられます。さらに、物流業務が自社からなくなると、アウトソーシング先からの請求明細によって、物流にかかるコストを明確にできます。コストが明確になると、物販事業にかかる人手とコストも把握できるため、適切な人数での業務の運営ができるようになります。

物流業務をアウトソーシングするデメリット

一方でデメリットとしては、他社に物流業務を依頼するため、アウトソーシング先から費用請求がされる点です。提示される費用を払い続けなければならないので、委託元主導での物流業務でのコスト削減は難しいです。また、顧客の個人情報漏えいのリスクが高まる、という懸念もあります。自社だけでなく依頼先の企業でも個人情報を扱うため、情報管理体制の徹底がより一層求められます。さらに、自社の製品情報やノウハウなども一部共有することになるので、この点に関しても情報流出のリスクを考えておかなければなりません。

他にも、在庫確認や商品情報の照合などを行う際、在庫管理のシステム化がされていない場合はメールや電話などを使用することになるので、コミュニケーションに時間がかかります。これでは、顧客から問い合わせがあった際に迅速な対応ができません。

物流アウトソーシングについては、こちらのコラムでも解説しています。

物流アウトソーシングのメリットとは?委託先倉庫選びで失敗しない方法をご紹介
https://www.logizard-zero.com/columns/outsourcing01.html


WMS導入が効率的な物流センターに

物流センターで行われる業務を効率化するには、倉庫管理システム(WMS)の導入が欠かせません。中でも、クラウド型のWMS「ロシザードZERO」は業界No.1の導入実績と連携実績を持っています。さらに、最短1カ月で導入できるほか、365日のサポート体制が用意されているため安心して使用可能です。また、このWMSは保管している商品を1点1点バーコード管理しているので、在庫情報を正確に蓄積しています。そして、管理している情報はクラウドによりリアルタイムで確認可能、データのエクスポートが可能なため、データを経営戦略・分析のためのエビデンスとして活用することもできるのです。つまり、アウトソーシングでの物流業務管理のデメリットであるコミュニケーションや在庫確認の問題を解消できます。

このように、「ロジザードZERO」には、物流業務には欠かせない要素がいくつも含まれています。自社物流からアウトソーシングへの切り替えをご検討の企業様には、「ロジザードZERO」導入済の物流倉庫様のご紹介が可能です。また、すでにアウトソーシングをしているが、コミュニケーションや在庫確認の課題を感じている場合、企業様に代わって物流倉庫様へ「ロジザードZERO」導入のご提案が可能です。

また、より効率的な物流センターにしたい、荷主誘致のために強みを持ちたいと考えている物流倉庫様は「ロジザードZERO」の導入を検討してみましょう。

『ロジザードZERO』のお問い合わせはこちら
https://www.logizard-zero.com/contact/

物流センター・アウトソーシングに関するおすすめコンテンツ