COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

2020/04/08 運輸業・倉庫業(3PL事業者)

進む自動化!物流センターに求められる役割と課題解決の方法は?

物流倉庫で作業をする男性

ネット通販・テレビ販売などの人気が高まると同時に、当日や翌日までに配送され、送料無料などのサービスが増加中です。そのため、物流センターではこれらに対応するため、さまざまな業務の自動化が進んでいます。今回は、そんな物流センターの機能や抱えている課題のほか、それらを解決する方法である自動化などについて紹介します。

物流センターの機能

物流センターの機能は大きく分けて5つあります。 1つ目は、保管機能です。これは商品を出荷するまで保管・貯蔵するほか、在庫切れや過剰在庫などを起こさないように管理できる仕組みとなっています。場合によっては、保管する商品の品質が低下しないよう、温度や湿度なども調整し適切な環境で保管することも重要な機能です。

2つ目は、保管している商品を消費者や小売店などを届ける輸送(出荷)機能 があります。この機能は生産から消費にかかる場所的な隔たりを埋めるためにも重要で、トラックや鉄道、航空などさまざまな方法で商品が輸送されます。

3つ目は、物流センターにおいて重要な荷役機能です。この機能は商品の入出庫やピッキングなどを行います。受注情報などをもとに保管している商品を取り出す際に活躍する機能です。さらに、スムーズに商品を出荷するために、配送先別に仕分けも行います。

4つ目は、包装機能です。これは配送予定の商品を保護するために必要な機能となっています。そして、この包装には個装・外装・内装 の3種類があります。個装は1つ1つの商品を外部の刺激から守るための包装で、外装は商品をまとめて1つに包装することです。内装は個装の商品をまとめて包むことを指します。

5つ目は、流通加工機能です。この機能では商品を販売している小売店でも行うことを物流センターでも行います。具体的には、商品へのタグ付けやラベル貼り、箱詰めなどです。このように、物流センターで生産段階を終えた商品に加工施しておくと、小売店では販売のみに集中して業務に移れるので、効率化を図れます。


目的によって異なる物流センターの種類

物流センターは目的によって、規模や種類が異なります。配送センターは各地域の顧客へ商品を配送するためのメーカーや小売業者の物流拠点になるところです。各配送センターでは届け先ごとに商品の仕分けが行われ、トラックで商品が輸送されます。通販だけでなく実店舗を持っている場合は、店舗在庫の軽減も目的の1つです。次に、デポと呼ばれる物流センターは配送センターよりも小型に作られた拠点となっています。卸売業者やデパートなどの配送を行うために作られた物流センターです。

また、在庫を保管する目的で作られたDC(Distribution Center:ディストリビューションセンター)という拠点もあります。ここでは、荷捌きや流通加工済みの商品を保管します。在庫期間や保管面積の大きいことが特徴で保管型倉庫と呼ばれています。次のTC(Transfer Center:トランスファーセンター)は在庫を持たない物流センターとなっています。コンビニなどの大型量販店チェーンが設置しており、荷捌き・配送を中心とした作業を行う拠点です。そのため、センター内に商品を保管することがありません。最後はPC(Process Center:プロセスセンター)です。この物流センターは、スーパーマーケットなどへ納品を行う商品を加工するために設置された拠点となります。主に生鮮食品などを取り扱い、根付や包装なども行います。


物流センターの業務の流れ

物流センターでは、商品の入荷作業を行います。工場や仕入先から商品を受け入れるほか、納品書のチェックも入荷作業の1つです。入荷された商品の品番と納品書に記載された品番に間違いがないかをチェックします。さらに、数量や製造日といった情報もチェックするなど、商品を管理するためにさまざまなことを確認して入荷が行われます。次は、商品の保管作業です。

そして、保管した商品の出荷指示が出ると、次はピッキングを行います。ピッキングは保管している商品を受注情報や出荷伝票などをもとに、取り出しておくことです。注文数が少なく、商品の種類が多い場合は受注先に合わせた商品を取り出す方法が採用されます。一方で、商品が少なく、注文が多い場合は商品を取り出して受注先ごとに仕分けを行います。これらの方法で商品をピッキングしたあとは、出荷の準備です。商品の品質や数量を点検し、梱包や出荷ラベルを貼り付けます。

最後は出荷するための仕分けです。出荷先ごとに商品を仕分けておくと、配送時はスムーズに商品をトラックに詰め込むことができます。


物流センターに求められる役割

小売店やデパートなどで販売されている商品は、顧客に購入されることで販売実績が企業本部に伝わります。そして、商品を過不足なく流通させるために、本部から卸売業者へ発注され、最終的にはメーカーまで発注情報が伝わっていきます。この流れの中で、物流センターは商品の出庫や加工、納品などを行うので、需要と供給のバランスを調整する役割を果たす重要な施設です。さらに、物流センターは生産や出荷、納品などにおける時間短縮も行っています。商品の名前や品番などをデータ化し倉庫内で管理することにより、どこにどの商品を保管しているのかをすぐに把握できます。正確な商品管理により、リードタイムの短縮やスムーズな作業が可能です。

また、適切な場所、適切な条件で商品を届けるための物流品質向上や、発生するコストの削減なども、物流センターの役割となっています。商品の配送は受注情報などをもとに行われます。 そして、コストに関して、保管している商品はどれもデータとして管理されているため、適切な期間 で保管し続けられます。つまり、余分な期間、商品を保管しないので、保管費を削減可能です。さらに、納品先ごとに仕分けられた商品を運ぶため、余計なルートでの運送がなくなり、運送費も削減されます。

最後は、物流量の変化に対し柔軟に対応することも、物流センターの役割です。商品が過剰に売れたり、予想以上に売れ残ったりした場合、予想していた物流量が変化してしまいます。このような事態に備えて、事前に商流側とのスケジュール共有を行うことをおすすめします。


物流センターの課題

ネット経由での買い物の人気が高まってきたことで、物流業界では翌日か当日中の配送を求められるようになってきました。そのため、物流センター内ではさまざまな作業の効率化が考えられています。しかし、施設内では作業員が1カ所に集中することで、作業効率が鈍化することもあります。これは、作業エリアの狭さや、同じ箇所に出荷頻度の高い商品が固まりすぎていることが原因 です。このような問題を解決し、少しでも早く配送することが、改善すべき課題として取り上げられています。

また、送料無料に対応するためのコスト削減や、ピッキング作業効率化なども大きな課題となっています。物流センター内ではピッキング作業が最もコストのかかる作業です。そのため、この作業をより効率化することで、送料に関する課題クリアにつながります。 他にも、物流センターでは作業効率化に向けて、リアルタイムでの在庫情報の把握なども行われています。しかし、この方法では作業実績が全てわかるわけではありません。作業員の行動1つ1つも把握できないため、問題が発生しても気がつかない恐れがあります。

そこで考えられているのが、物流センター内の見える化です。見える化することによって、ミスの削減や作業状況の見直しが可能になります。作業状況の見直しができることで、作業内の無駄や人手不足などを改善し、物流センターが抱える様々な課題解決につながっていきます。


進む物流センターの自動化・省力化

物流センターが抱える課題を解決するために、さまざまな業務の自動化が進んでいます。1つはクライアントが持っている受発注システムとの連動 です。連動させることで、クライアントが受注依頼をした場合、すぐに物流センターのデータベースで在庫を照合し、配送することができます。また、WMSによる見える化 も進められています。抱える在庫や入出荷の状況などをリアルタイムで把握し続けられることにより、停滞している工程を見つけることが可能です。そして、業務を改善し、無駄のない作業を行えるようになります。

他にも、ピッキング作業をロボットが行う物流センターもあります。特に注目されているロボットがモバイル型ロボットです。これはロボット自身が単独で商品の棚へ移動し、ピッキング作業を行います。こうすることで、労働力の省力化や効率化が可能です。さらに、入出庫管理をロボットにより自動化させているケースもあります。例えば、同一製品が大量に出庫される際、まとめて商品を仕分けして出庫可能です。物流センターによっては梱包や出荷ラベルの貼り付けも自動化しています。人の手ではミスが起きる恐れのある作業でも、ロボットが行うことにより効率的でミスのない作業となります。


自社で物流センターを持つメリット・デメリット

まず自社で物流センターを持つメリットとしては、素早く、柔軟性のある対応ができることです。顧客から商品に関する問い合わせがあった際、在庫や運送状況などをすぐにチェックし対応できます。状況によっては、商品の発送方法をトラックから空輸や鉄道などに切り替えたり、宅配業者を変えたり、その場に応じて変更可能です。また、個人情報やこれまで培ってきたノウハウなどは社内で管理できるため、外部流出のリスクを軽減させられます。他にも、物流業務を自社でコントロールできるというのは、コストや作業効率なども調整できるということです。これは大きなメリットとなります。

そして、デメリットとしては、物流業務を担当する人材、作業を行う場所の確保や教育をしなければならないことです。人材の確保と教育は時間がかかる上、コストも発生します。しかし、出荷管理システムや機械を導入すると、イニシャルコストはかかりますが、人材育成にかかるコストと時間はある程度削減できます。機械の導入に関しては、設置する場所を検討しなければならないので、これも1つのデメリットです。


物流センターをアウトソーシングするメリット・デメリット

物流業務をアウトソーシングするメリットとしては、自社本来の業務に専念できることが挙げられます。物流業務は人材の配置や管理システムの導入のほか、日常的な手間と人手が必要な業務です。そのため、自社で行わない場合、これらの面倒な業務から解放されるので、本来行わなければならないメインの業務に力を入れられます。さらに、物流業務が自社からなくなると、物流にかかる必要なコストを明確にできます。コストが明確になると、ECサイトの運営にかかる人手とコストも把握可能です。すると、少数精鋭での物流業務の運営ができるようになります。

一方で、デメリットとしては、他社に物流業務を依頼するため、その分の費用がかかってしまいます。依頼先の企業が提示する費用を払い続けなければならないので、物流業務でのコスト削減は難しいです。また、顧客の個人情報漏えいのリスクが高まる、というデメリットもあります。自社だけでなく依頼先の企業でも個人情報を扱うため、情報管理体制の徹底がより一層求められます。さらに、自社の製品情報やノウハウなども一部共有することになるので、この点に関しても情報流出のリスクを考えておかなければなりません。

他にも、在庫確認や商品情報の照合などを行うときはメールや電話などを使用するので、コミュニケーションに時間がかかります。これでは、顧客から問い合わせがあった際に迅速な対応ができません。


WMS導入が効率的な物流センターに

物流センターで行われる業務を効率化するには、WMSの導入は欠かせません。中でも、クラウド型のWMS「ロシザードZERO」は業界No.1の導入実績(過去に1000件以上導入される)と連携実績を持っています。さらに、最短1カ月で導入できるほか、365日のサポート体制が用意されているため安心して使用可能です。また、このWMSは保管している商品を1点1点バーコード管理しているので、在庫情報を正確に蓄積しています。そして、管理している情報はクラウドによりリアルタイムで確認可能です。つまり、アウトソーシングでの物流業務管理のデメリットであるコミュニケーションや在庫確認の問題を解消できます。

このように、このWMSには物流業務には欠かせない要素がいくつも含まれています。効率的な物流センターにしたいと考えている場合、導入を検討してみましょう。