COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
生産者から消費者へ商品を届けるサプライチェーン。最適化のカギとなるのが、その過程を担う物流機能の的確な管理、いわゆる「物流管理業務」です。合理的で効率的な物流を支援する取り組みである物流管理は、企業活動の中でも重要な役割を担っています。ここでは、その目的やスムーズな運用のコツ、さらに先進的な取り組みについてご紹介します。ぜひ、「物流機能をさらに高める」取り組みの参考にしてみてください。
物流管理業務について考える前に、まずはその定義を明確にしておきます。物流管理とは、「物流業務を効率化するために行う各種管理」における取り組みを指します。
その目的は、「業務効率化」「コスト最適化」「物流品質向上」の3点が挙げられます。つまり、生産者から消費者まで商品を届ける際に、その品質を維持しながら、顧客の依頼に沿った条件で取り扱う、業務の全般を的確に管理することなのです。
物流は、「輸送」「保管」「流通加工」「包装」「荷役」といったプロセスで成り立っており、それぞれの機能が互いに連携することで、初めて最適なサプライチェーンが整います。
物流管理は、こうした最適化を図る有効な手段であり、消費者(顧客)のニーズに合った「量」「種類」「時間」「場所」「価格」で商品を届ける仕事と言えるでしょう。
物流現場は今、かつて経験したことのないほどの大きな環境変化に直面しています。インターネットの普及と新型コロナウイルス禍で、国民の消費スタイルは店舗からネットショッピングへのシフトが急速に進みました。
その結果として、輸送や倉庫といった物流現場では、物量が急増に加えて、あらゆる荷姿の商品を取り扱うことになりました。少子高齢社会による現場の人手不足が課題となる中で、まさにダブルパンチの状況に直面しているわけです。
さらに、企業だけでなく個人もECビジネスに取り組めるようになったことで、市場全体の物量がさらに増えるとともに、集荷方法も多様化しています。このような状況に対応するためにも、適切な物流管理が求められているのです。
加えて、「流通業務総合効率化法」「貨物自動車運送事業法」のいわゆる物流関連2法が2025年5月に施行されることを受け、これらの問題は物流企業の課題に留まらず、メーカーや流通小売業を巻き込んだ社会全体の課題となってきています。
そんな状況下だからこそ、物流現場の業務最適化が叫ばれているのであり、その取り組みとして重要なのが物流管理と言えるのです。
冒頭でも触れましたが、物流管理の目的には、「業務効率化」「コスト最適化」「物流品質向上」の3つのポイントがあります。これらが実現することにより、サプライチェーンは最適な形で機能するというわけです。
まずは、業務効率化について考えましょう。多くの荷物を取り扱う物流現場では、「作業の効率をどうやって上げるか」という悩みがあるでしょう。こうした課題に対応するためにも、物流管理は欠かせない手段となります。
なぜなら、商品の「動き」を明らかにすることができるからです。物物流管理が適切に行われていれば、「どの商品」を「いつ」「どのような形で」「誰に」届けるのかがすぐに分かるようになり、円滑な配送準備にもつながります。
物流管理を徹底することで業務の効率化を進めることができれば、現場の生産性も向上するでしょう。作業の無駄がなくなることで、コスト削減や長時間労働の抑制も期待できます。
ここで、物流現場における課題の一つである過剰在庫への対応を例に考えてみます。いわゆる在庫過多の状態は、企業にとって管理の手間が増えるほか、保管スペースも余分に確保しなければならないため、コスト増大の要因となります。物流管理にしっかり取り組んで適切な在庫数量をキープすれば、こうしたコスト面でのロスも抑えることができるでしょう。
物流管理が適切に行われれば、物流品質の向上が期待できます。発注と発送で商品の種類や数に相違はないか、欠品や破損はないか、などのチェックが事前に適切になされていれば、商品を最適な状態で配送できます。
一方で、こうした物流管理が疎かになっていると、「受注後に欠品に気づき配送までに時間がかかった」「不良品を届けてしまい返品対応など追加業務が発生した」「破損した状態で配送してしまった」といった事態になりかねません。
こうしたトラブルは、顧客からの信頼低下やクレームにつながり、一度失った信用を取り戻すのは決して容易ではありません。物流管理は、物流品質の維持・向上にも大きく貢献する取り組みなのです。
膨大な商品を遅滞なく発送する手際のよさが求められる物流現場。世界でもその業務品質は最高級と称される国内の物流機能ですが、それでも誤出荷などのミスを完全になくすことは難しいのが実情です。急な作業の変更など、必要な情報が担当者に共有されておらず、結果として誤配送につながってしまうケースもあります。
なぜこうした事態が起きるのでしょうか。その原因を取り除いて、ミスのない現場を生み出す方策はあるのでしょうか。こうした課題への対応のヒントとなるのが、現場における各プロセスの的確な確認とそのすり合わせ、つまり物流管理なのです。
物流という機能は、常に状況が変化するものです。商品の配送にかかる一連の業務フローは、想定したスケジュールから変わるケースも珍しくありません。天候や小売店、顧客の事情など様々な要因で、こうした「情報」が飛び交うのが物流現場です。現場での急な人員配置やレイアウト変更なども、トラブルの発生要因となるでしょう。
こうした現場で、物流管理の観点で欠かせないのが、リアルタイムでの情報把握と共有です。情報がスムーズに共有されないと、初動対応にも遅れが生じるため、指定された日時に商品を届けられないおそれもあります。
このような事態を避けるためにも、倉庫管理システム(WMS)などのシステムで、リアルタイムで商品の動きを確認できる体制を整えておく必要があります。
物流現場で特に注視しておくべきポイントなのが、在庫の適正化です。適正在庫とは、欠品を出さない最小限の在庫数を指します。
在庫が過剰になると、保管効率や在庫回転率の低下を引き起こし、企業の資金繰りに悪影響を及ぼします。一方で、在庫が不足すると、注文が入ったときに商品を出荷できず、販売機会の損失につながります。つまり、適正在庫を維持することで、企業の利益を最大化できるのです。
こうした事態に陥る要因は、在庫の管理が適切にされていないことにあります。適正在庫を把握し、現状をリアルタイムで確認すれば、本来あるべき在庫数量との「ずれ」を検知して、対応を迅速に講じることができるからです。
こうした在庫の適正な管理を行う際は、運用ルールの統一が重要です。ルールが統一されていないと、担当者によって管理方法が異なり、正確な在庫がわからなくなるおそれもあります。在庫が把握できないと、過剰在庫や欠品による損失を被ることになってしまいます。システムの活用など、ルール化に向けた取り組みを進めることで、効率的に在庫の適正な管理を実現できるでしょう。
ここまで、物流管理を必要とする理由と目的について説明してきました。ここからは、物流をより効率的に機能させるための取り組みについて、考えていきましょう。
物流現場は近年、急速にその機能強化が求められています。先述のとおり、輸送や倉庫などの現場で取り扱う物量の急増がその大きな要因ですが、ここでは、サプライチェーン全体に影響を及ぼす物流管理のテーマである「在庫管理」を焦点に、システムの導入による効果について考えます。
在庫の過不足は、企業の収益面にもダメージを与える要素になりうる課題です。前項でも触れましたが、在庫のリアルタイムでの確認が、こうした事態を回避する有効な方策になります。とはいえ、担当者が常に在庫数を目視で確認するのも現実的ではありません。そこで現場を支援する手段として注目を集めるのが、在庫管理システムです。
在庫管理システムは、商品の入荷から保管、出荷までの情報を管理します。倉庫や店舗における適切な在庫数の管理や、ハンディターミナルを利用した確認によって、業務の効率化・標準化を支援します。実店舗やECサイトを含む企業全体の在庫数もリアルタイムに把握できるため、欠品による販売機会の損失や、余剰在庫のリスク低減にも効果を発揮します。
こうした在庫管理システムは、システム開発会社をはじめ様々な業種の事業者が参入し、それぞれの得意な分野を生かした多様なサービスを展開しています。中でも、場所を選ばずに短期間かつ低コストで導入できるクラウド型の在庫管理システムは、急速に市場での存在感を高めています。
その代表例が、ロジザード株式会社のクラウドWMS「ロジザードZERO 」です。あらゆる業種・業態に対応できる幅広い機能を備え、高い認知度を誇る在庫管理システムで、豊富な機能だけでなく最短1か月で導入できる利便性の高さも特徴です。
EC・卸や店舗出荷などの企業間(BtoB)物流向けの倉庫管理機能の拡充や、周辺システムとの豊富な連携実績、積極的な自動連携機能の強化、定期的なバージョンアップにより常に新しい機能を活用できる点が、導入実績を積み重ねる要因であり、物流現場が求めている在庫管理をはじめとする課題に適応したサービスと言えるでしょう。
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輸送や倉庫など様々な物流機能を、どのように管理するか――。物流現場における永遠の課題とも言える、そんなテーマへの対応策として関心が集まっているのが、サプライチェーンの各プロセスにおける商品の「動き」を確認する取り組みです。
商品に貼り付けたバーコードを読み取ることで、保管する棚の位置や発送先などの情報を管理する取り組みは、物流倉庫の仕分け業務などで実用化されています。バーコードは情報の集積であり、取り扱う商品に関わるあらゆる情報が集約されているのです。それをハンディターミナルで読み取る仕組みも広がってきています。
さらに実用化が進んでいるのが、RFID(Radio Frequency Identification)です。RFIDは、ICタグとRFIDリーダー(読み取り装置)の間で電磁波や電波を送受信し、非接触でICタグの情報を読んだり書き換えたりする仕組みです。人やモノを識別する自動認識技術のひとつとして導入が進んでいますが、物流業界では棚卸の際に商品を一括で読み取るなど、業務の効率化に貢献しています。
物流業界は国内のあらゆる産業の中でも、最も多くの温室効果ガスを発している業界のひとつとされています。トラックや船舶など、あらゆる輸送モードをフル活用した大量輸送は、国民生活に欠かせないインフラを構築する一方で、環境負荷低減への貢献も重要視されています。
物流業界は、サービス品質を定義する上で、「環境に優しい物流体系の確立」を新たなテーマとして設定する動きを強めています。 輸送機能においては、トラックへの依存を和らげて鉄道や船舶など温室効果ガスの排出量が少ないモードの併用を促す「モーダルシフト」の動きを加速しています。トラック輸送においても、EV(電気自動車)など環境配慮型の車両の導入を進めています。
倉庫の領域では、広大な建物の屋上に太陽光パネルを設置して、生み出した電力を倉庫内の空調や照明などの電気機器のエネルギー源とする取り組みが、大規模な物流施設を中心に急速に広がっています。
あらゆる産業との連携が欠かせない物流業界は、サステナブル(持続可能)な社会を創造することで、ビジネスチャンスの獲得にも大きく貢献することは、間違いありません。
物流管理の適正化は、商品の原料調達から製造、配送までの流れ、つまりサプライチェーンの円滑化にも貢献する取り組みです。ここでは、サプライチェーンの観点から、物流管理の在り方を考えてみます。
サプライチェーンには、供給元から消費者へ流れる「物の流れ」と、反対に消費者から供給元へ流れる「情報の流れ」の2つの流れがあります。この流れを管理し、最適化する取り組みが、サプライチェーンマネジメントです。
サプライチェーンは、複数の企業によって成り立っていて、それぞれの業務は密接に関わり合っています。個別の工程や業務と考えるのではなく、一連の流れとして管理することで、全体の最適化を図ります。
例えば、在庫を適正に管理することは、店舗にとってもメーカーにとっても重要な課題です。サプライチェーンマネジメントによって、消費者の購買情報を各工程の担当事業者がリアルタイムに把握・共有することで、販売店はスピーディーな発注が可能になり、販売機会の損失を防ぐことができます。倉庫では店舗へのスムーズな出荷と、必要な在庫量の正確な把握が可能になります。
物流の各工程がしっかりと管理できている状態は、言い換えると急なトラブルにも迅速に対応できる「備え」が整っていることも意味しています。在庫の過不足をはじめとする物流における様々なトラブルは、サプライチェーン全体に支障を来たし、社会への影響が大きいのでどうしても避けなければならない事象なのです。
サプライチェーンは、物流の各機能が相互に連携して整備されているのが実情です。輸送や倉庫といった各機能がそれぞれ課題の解決に取り組むことも重要ですが、さらに、相互に連携できる部分は協力して管理システムを構築するなど、より重層的な対応も必要と感じます。
ここでは、物流管理にかかる基本的な概念を踏まえた取り組みについてご紹介してきました。社会に不可欠なインフラである物流という機能を、いかに持続可能な形で強化していくか。それはサステナブル社会の創造という課題であるのは、言うまでもありません。
先に紹介した消費トレンドの変化を含めて、物流を取り巻く環境はさらに大きな変革を経験していくことでしょう。「物流の2024年問題」や物流関連2法の施行が象徴するように、働き方改革や関係各社を巻き込んだ現場業務の効率化は、今後の対処すべき課題であり続けることになるでしょう。
こうしたテーマに対応していくためには、現場業務における徹底した課題の抽出とその対決策の実行が欠かせません。それを進める上で力を発揮するのが、物流管理の考え方なのです。自分が携わる現場における課題は何か、その解決策はあるか。このコラムをきっかけに、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。