COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2022/09/22 専門用語

物流用語:シングルピッキング

Single-picking

最終更新日:2022年09月21日

シングルピッキング(摘み取り方式)

【英語】Single-picking

シングルピッキングとは、オーダー単位(発送単位)にピッキングする方法です。
商品を巣箱(保管棚)から取る行為が「摘み取る」姿に似ていることから、別名「摘み取り方式」とも呼ばれています。多品種小ロットな商材のピッキングに適しており、特にBtoC系の通販物流センターで多く採用されています。

複数あるピッキング手段の中でも最も基本的な方法で、作業をする人の経験が浅くても対応しやすく、ミスが起こりにくいことも特徴の一つです。

ピッキングの流れ

1件のオーダー毎に商品を棚から取って揃えていきます。
1オーダー分のピッキングが済んだら、次のオーダーに移っていくイメージです。

シングルピッキングのメリット

  • オーダー毎の作業スピードが速い
    商品を集めてから検品・梱包・出荷までを一つのオーダー事に完結します。そのため、1オーダー複数SKUの場合は、出荷完了までのスピードが速くなります。
  • ミスが起こりにくい
    シンプルな作業方法なので、ピッキング時に商品の取違いなどのミスが発生しにくいです。万が一間違いがあった場合もすぐに修正可能で小回りが利きます。
  • スタッフのスキルに依存しにくい
    複雑な判断を必要としないので、現場に入りたての新人さんでも比較的早く手順を覚えて対応することが可能です。

シングルピッキングのデメリット

  • ピッキングの移動距離が長い
    倉庫内を移動して商品を集めるため、オーダー数と同じ回数分の往復移動距離が発生します。
  • トータルの作業時間が長くなる場合も
    複数オーダーで同じ商品の注文がある際、歩行経路が重複して作業や移動が多く発生しやすくなります。SKUが少ない商材や、キャンペーンで同一商品の組み合わせが多い場合などにはトータルの作業時間が長くなる可能性があります。

WMSを活用した効率の良いシングルピッキング

効率良くシングルピッキングを行うためには、倉庫管理システム(WMS)を活用することがおすすめです。WMSの活用をおすすめする理由は2つあります。

  1. ピッキングリストの活用
    ピッキング作業全般に言えることですが、業務を効率化するためには「考えない」「歩かない」「探さない」工夫が不可欠になります。ところが基幹系システムや受注管理システムで作成するピッキングリストは、データを取り込んだ順番に出力されるものがほとんどで、最適なルートを「考える」必要があります。シングルピッキングは注文の数だけ保管場所から取り出す作業が必要です。WMSなら保管場所に近い最適なルートが考慮されたピッキングリストの出力が可能なため、ロケーション順に最短距離を歩くことで効率良く作業を行うことができます。
  2. ハンディターミナルの活用
    シングルピッキングは元々ミスが起こりにくい方法ですが、ハンディーターミナルを活用すればピッキング後や梱包前にピッキングリストと商品を照合して検品ができるので、更に作業の精度を高めることも可能です。

シングルピッキングのまとめ

シングルピッキングは、オーダー単位で保管場所から必要な商品だけを取りだしていく作業方法です。注文の数だけ倉庫の中を往復する移動距離が発生してしまいますが、経験の浅い方でも対応しやすいピッキングの基本となります。SKUが多く出荷件数が少ない商材に適しており、教育の時間が短く、シンプルな作業方法なので商品の取違いが起きにくいメリットがあります。より効率的にピッキング作業を行うには、トータルピッキング、マルチピッキングなどその他のピッキングの特性を把握した上で、現場や商材に合う、最適な方法を選択していくことが重要です。

ロケーション管理に関するおすすめコンテンツ