COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2021/09/16 在庫管理運輸業・倉庫業(3PL事業者)

物流倉庫における、ロケーション管理の種類と特徴

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物流倉庫の在庫管理において、保管効率とピッキング作業効率は、トレードオフの関係にあります。保管効率を上げるため、ギュウギュウに商品を詰めて管理すると、どうしてもピッキング作業効率が下がります。また、ピッキング効率を上げるために、商品毎に棚を分けて取りやすいように保管すると、保管効率が下がってしまいます。

そこで、物流倉庫では、保管方式を「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の大きく2つに分けて導入しています。本コラムでは、それぞれの保管方式の特徴についてご紹介します。

固定ロケーション

固定ロケーションとは、同じ商品を常に同じ番地に保管する方法です。つまり、「この商品はここに置く」といったように、保管場所をいつも同じ場所にするということです。

固定ロケーションのメリット

固定ロケーションのメリットは、保管場所がいつも同じなので作業担当者が覚えやすく、わかりやすい、という点です。一般にイメージしやすい管理方式であるとも言えます。

固定ロケーションのデメリット

固定ロケーションのデメリットは、売上や生産量が変動することが多く在庫の増減が大きい場合、棚が空いてしまったり、逆に棚が不足したりして、柔軟性が乏しいことです。また、商品のモデルチェンジや入れ替えが頻繁にある場合は、その入れ替え作業の都度商品量を予測して保管場所を事前に決めたり、そのためのレイアウト変更をしたりと、準備作業が負担となる点も挙げられます。

固定ロケーションが向いているケース

固定ロケーションは、商品数が少なく、同じ商品がたくさんある場合に最適な保管方式といえるでしょう。ビジネスの最初の頃は、固定ロケーション管理が機能するケースが多くあります。

フリーロケーション

フリーロケーションとは、商品と番地の関係を固定せずに保管する方法です。入荷した商品を、空いている棚から適当に棚入れしても、同じ商品を別々の棚に保管しても構いません。

フリーロケーションのメリット

フリーロケーションのメリットは、保管スペースの有効活用ができ、保管効率が上がることです。一見商品の所在がわからなくなってしまうように思われますが、ソフトウェア等を利用することで保管場所を管理することができます。ソフトウェアを使った管理形態や手順は商品によって異なりますが、JANコードなどの商品識別コードと棚番号(番地)の識別コードをスキャナで読み取り、コンピュータ上で商品と番地を対応させて管理する方法が多く採用されています。そして、作業指示には、保管場所の商品が最短でピッキングできるように工夫された指示ルートが表示されます。つまり、ピッキングミスを減らしつつ、ピッキング効率も上げることができるということです。

フリーロケーションのデメリット

フリーロケーションのデメリットは、ソフトウェアなしにはフリーロケーション管理は実現できないことです。最近は「ロジザードZERO」のようなクラウドサービスを検討する企業様も多くなりましたので、以前よりは実現できそうな気がしますし身近に感じるものの、「今すぐ誰でも導入できる」なんて単純なことではありません。新たな業務手順を現場に馴染ませるために、作業担当者へのトレーニングも必要となります。仕入先によっては、商品にバーコードなどの識別コードが付いていないことも考えられますので、その場合は入荷検品時に自社でラベルを作成して商品に貼付するなどの作業も発生します。

フリーロケーションが向いているケース

多品種小ロットを取り扱う倉庫に向いている保管方式と言えるでしょう。柔軟性があるので、商品の入荷出荷の頻度が高い場合や、商品の入れ替えが頻繁に発生する現場でも保管効率を上げることができます。

ダブルトランザクション

フリーロケーション管理は最強のように思われますが、保管場所が広がれば広がるほど、ピッキングで歩く時間もかかるようになるので、どうしてもピッキング効率は悪くなります。また、定番商品が大量ロットで入荷される場合などは、ピッキングしない商品が同じ場所に大量に保管されてしまいます。しばらくピッキングしない商品が増えれば増えるほど歩く距離も長くなり、ピッキング効率を下げることにもなります。

こんな問題を解決する保管方式として「ダブルトランザクション」とよばれる、固定ロケーション管理とフリーロケーション管理の良いところを融合した保管方法があります。

具体的には倉庫内を下記の2つのエリアに区分けします。

ピッキングエリア : 商品をピッキングする

保管エリア : 商品をピッキングしない

「ピッキングエリア」にはフリーロケーション管理を導入し、「保管エリア」には固定ロケーション管理を導入することで、それぞれの保管方式を生かした管理が実現できます。ピッキングエリアには、常に一定量の商品を保持できるように、保管エリアから補充していきます。

ダブルトランザクションのメリット

ダブルトランザクションのメリットは、当分ピッキングしない余計な商品を保管エリアに分けることで、ピッキングエリアを小さくできることです。その結果、ピッキングで歩く距離を短くする、つまり歩行作業導線を短くすることができるので、ピッキング効率と保管効率を同時に上げることができます。「大量に積まれたピッキングしない保管商品を眺めながら、遠くにある商品を探す」なんていう無駄なストレスが発生しない現場ができあがります。

ダブルトランザクションのデメリット

ダブルトランザクションのデメリットは、ピッキングエリアにある商品がなくなる前に、保管エリアから対象商品を適量移動させて補充する、という作業が発生することです。そして、この補充作業が遅れてしまうと、ピッキングエリアの在庫が欠品してしまい、ピッキングができません。その結果、「補充作業を待って出荷しなければならない」といった無駄な待ち時間が発生します。また、「商品自体が欠品していると勘違いし、欠品のまま出荷してしまう」という事故が発生するリスクもあります。

そこで、このような無駄な時間や事故を発生させないために、出荷後は、翌日の出荷予測から、翌日分の適量な商品補充作業を行う必要があります。また、日中にピッキングエリアの在庫切れが発生した場合は、タイムリーに在庫補充ができるように支援するための、システム運用の構築が必要になります。

ダブルトランザクションが向いているケース

ダブルトランザクションは、特定の定番品など出荷頻度が高い商品があり、倉庫に保管する量が多い場合などに有効になります。

まとめ

ロジザードが提供するクラウド在庫管理システム「ロジザードZERO 」では、フリーロケーション管理からダブルトランザクション管理まで、幅広く対応できる機能が標準として備わっています。これらの運用構築や管理方式は、どうしてもシステムの機能だけではなく、導入にいたるまでの準備や整理が必要になってきますし、現場によって向き不向きも当然あります。自社の在庫の保管効率化にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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