COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2021/06/25 在庫管理運輸業・倉庫業(3PL事業者)

棚の在庫管理を上手く行いたい!具体的な対策方法とは?

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物流企業や、自社で倉庫を持っている製造業社・通販事業者などにとって、棚の在庫管理をいかにして行うかという問題は非常に重要です。それが上手くいかなければスムーズに入出荷業務ができないだけでなく、在庫切れや過剰在庫の原因になってしまいます。

そのようなことを起こさないために、本コラムでは、棚の在庫管理を上手く行うための方法についてご紹介します。

在庫管理ができていないと起こり得る問題

在庫管理がきちんとできていないと、下記のようなさまざまな問題が起こります。

在庫の散在による作業時間ロス

在庫が散在すると、「あるはずの商品や部品などが見つからない」といったことが頻繁に起きることが考えられます。そうなると、その度に目的のモノを探して倉庫中を掘り返さなければなりません。モノを探す作業に1日30分費やしているとすれば、1ヶ月で15時間もの無駄な時間が生じていることになります。在庫が少ないときはあまり問題にならないかもしれませんが、在庫が増えれば増えるほど更に散在し、より大きな問題となるでしょう。

在庫の紛失によるキャッシュの損失

次に、在庫の紛失が考えられます。モノを探すのに時間がかかることも問題ですが、最悪の場合は見つからず紛失につながってしまいます。1度モノがなくなり始めると、連鎖的にその頻度はどんどん増えていくでしょう。やがて、モノがなくなることに慣れてしまいます。在庫は「現金化されていない会社の資産」です。それが現金化されないまま失われるということは、キャッシュの損失と同じことです。

過剰在庫の発生による悪循環

在庫がどこにあるかわからず、紛失も増えてくると在庫数の把握が困難になります。また、モノが見つからないので、実際の総量よりも在庫が少なく感じてしまいます。その結果、余分にモノを仕入れてしまい、「過剰在庫」が生じます。そして、なくてもよい在庫がどんどん増えていくので、棚の管理はますます煩雑になっていきます。在庫を探すのに時間がかかり、紛失物もさらに増えていくでしょう。適切に在庫管理を行えないと、こういった悪循環につながってしまうことも考えられます。

在庫管理はどうして重要なの?

在庫管理を疎かにしていると、しばしば在庫切れや過剰在庫を起こしてしまいます。すると、下記のような、会社の大きな不利益につながります。

販売機会損失

在庫切れが発生すると、「需要があってもモノを売ることができない」という状態になります。せっかく顧客が商品を欲しいと思っているのに、それを提供できないのは大きな損失です。逆に言えば、常に在庫を持って保管場所を管理しておけば、販売機会損失を防ぐことができます。

過剰在庫

しかし、だからといって、在庫は多ければ多いほど良いというわけではありません。「ないよりはマシだ」と思うかもしれませんが、過剰在庫は深刻な問題を引き起こします。そもそも、商品を生産するためには原材料費や人件費、光熱費などの費用がかかっています。それなのに、商品の在庫を現金に換えられないまま倉庫の棚で眠らせていたのでは、入ってくるお金よりも出ていくお金の方が多くなり、会社のキャッシュフローは悪化の一途を辿ってしまいます。

仮に、資金が潤沢ですぐに経営が傾くことがなかったとしても、過剰在庫は会社にとってマイナスです。なぜなら、商品の価値は常に変動するものであり、倉庫で眠っている間に商品の価値がどんどん下がっていく恐れがあるからです。そうなると、値下げや破棄などで対応せざるを得ず、大きな損失が生じてしまいます。また、市場価値は下がらなかったとしても、長期保存することで商品が劣化し、正規の値段で取引することが困難になってしまうといった事態も考えられます。

顧客満足度低下

在庫管理ができていなければ、注文が入ったとしても商品がどこにあるのかわからず、適切なタイミングでお客様のもとに届けられなくなってしまいます。すると、顧客満足度が下がり、顧客離れにも繋がります。

在庫が増えてしまう心理的な要因とは?

過剰在庫は極力避けるべきでしょう。しかし実際は、在庫管理が正確に行われていないという要因の他にも、さまざまな心理的要因によって在庫が増えてしまうことがあります。

品切れを起こしたくない

要因の1つに、「品切れを起こしたくない」という気持ちが挙げられます。販売部門は、販売機会損失を防ぐことを優先的に考えます。品物があればそれが売れる可能性は常にありますが、品物がなければ売れる可能性はゼロです。そのため、「在庫が切れるよりはマシだ」と考えると、在庫は増えてしまいます。

少しでもたくさん売りたい

また、「少しでもたくさん売りたい」という気持ちが強くなると、どうしても在庫は増えてしまいます。販売計画を立てる際に、販売予想数よりも多い数字を設定し、在庫を多めに確保してしまうこともあるでしょう。

アパレル関連企業の方には、こちらのコラムがおすすめです。

アパレル専門店の利益決める、「在庫」起点の分析・アクションとは?
https://www.logizard-zero.com/columns/analysis01.html

棚の管理方式には2種類ある

棚の管理方式には「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2種類があります。ロケーションとは、商品を置く「場所」のことを指します。この「場所」にどの商品が何個あるのかを管理・把握することを、「ロケーション管理」と言います。それぞれの方法をよく理解して、自社に合った方法で管理することが大切です。

固定ロケーション

固定ロケーションとは、同じ商品を常に同じ場所に保管する方法です。たとえば、棚番号「A-1」に特定のネジを置くと決めてしまえば、「A-1」には常に同じネジを置くといったやり方です。一度場所を覚えてしまえば、すぐに目的のモノが取り出せますが、棚が空いても定められたモノ以外は置けないので、スペースに無駄が生じてしまいます。また、特定のモノを大量に入荷した場合はスペースが足りなくなり、別の場所に置かざるを得なくなります。

フリーロケーション

フリーロケーションとは、商品の保管場所が固定されておらず、空いている場所に在庫を置いていく方法です。保管スペースを有効活用できるため、保管効率を上げることができます。どの棚に何が置いてあるかを管理するために、システムを使って商品と棚をバーコード管理する必要があります。

棚の保管方式については、下記コラムがおすすめです。

今さら聞けない!物流倉庫における、在庫保管方式の種類と特徴
https://www.logizard-zero.com/columns/warehouse02.html

棚の在庫管理を行うための準備

初めて棚の管理をする際は、以下の準備をすることをおすすめします。

管理方式を決める

在庫管理をする上で最初に行うことは、管理方式の決定です。「固定ロケーション」にするか、「フリーロケーション」にするかを決定し、自社に合った方式で「棚のどこに何を配置するか」を管理します。

棚で管理するモノを決める

「何を棚で管理するか」を決めます。在庫管理において棚は非常に重要なものですが、そのスペースは限られています。あれもこれもと積み重ねていくと、たちまちいっぱいになって、管理そのものが不可能になります。基本的に棚で管理するのは小さめのモノで、ある程度大きいものは棚以外の場所に積み上げておくのが一般的な管理方法です。

棚のサイズや段数を決める

管理するモノが決まれば、その大きさに合わせて棚のサイズや段数を決めていきます。サイズは管理するモノの大きさに合わせればよいのですが、問題は高さです。あまり高くなると在庫の出し入れが困難になるので、その点を考慮して高さを決めていきましょう。また、段数も多すぎると管理が煩雑になるため、5段程度までにとどめておくのが無難です。

棚の番号を決める

棚に番号を振っていきます。例えば、5×5の棚なら、段ごとに1~5の番号を、仕切りごとにA~Eのアルファベットを振り、「1-A」~「5-E」の25のスペースすべてに番号をつけていくといったイメージです。そうすることで、どこに何を置いたのか特定することが容易になり、管理しやすくなります。

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保管

いくら棚番号を設けても、在庫を無秩序に置いたのでは意味がありません。固定ロケーションの場合は、簡単なものでよいので「この番号には何が置いてある」という一覧表を作っておきましょう。それがあれば、実際の棚の番号と照らし合わせることで、容易に必要なモノを取り出すことができます。その際、在庫を置くときは古いモノがずっと残ってしまわないように、古いモノは前に出し、新しいモノは奥から置いていくのがコツです。フリーロケーションの場合は、システムを使って管理する必要があります。システムで入荷日管理ができるため、同じ商品でもロケーションを分けて管理することで、先入先出にも対応可能です。

入出荷時の適切な管理方法は?

実際にモノの入出荷を行う際には、在庫の出入りをしっかりと記録し、データと実数を常に一致させておく必要があります。しかし、それでも棚卸をしてみるとデータ数と実数が一致しないというケースは珍しくありません。理由は、入出荷時の検品やピッキングなどで何かしらのミスを起こしているからです。もちろんデータの入力漏れや入力ミスをしないことは必須条件ですが、それを防ぐためにはどのようにすればよいのでしょうか。

タイムリーな入力

まず、タイムリーな入力を心がけることが大切です。入荷後しばらくしてから数を数えるなどといったことをしていると、間違いが生まれやすくなります。

伝票の保管

次に、伝票を紛失しないように大切に保管しておくことも重要なポイントです。万が一、数が合わなくても、伝票があれば後で照らし合わせて、どこが間違っているのかをチェックすることができます。

移動や破損の管理

また、持ち出し時や移動時にしっかり記録をすることも重要です。その他にも、商品が破損した際に記録せずに処分したり、紛失した事実に気付かなかったりして数が合わなくなることは、よくあるトラブルの1つです。

こちらのコラムがおすすめです。

在庫が合わないのはなぜ?~WMS・在庫管理システムを導入済みの場合~
https://www.logizard-zero.com/columns/wms-introduction.html

在庫が合わないのはなぜ?~WMS(倉庫管理システム)をまだ導入していない場合~
https://www.logizard-zero.com/columns/wms-not-introduction.html

スムーズな在庫管理がしたいならロジザードZERO

在庫管理における課題を解決するために、強い味方となってくれるのがWMSです。WMSとは「Warehouse Management System」の略であり、日本語に訳すと「倉庫管理システム」です。その名の通り、倉庫の在庫管理を行うためのシステムであり、管理作業の正確性と効率性を高める手助けをしてくれます。WMSにはさまざまなサービスが存在しますが、よりスムーズでミスのない在庫管理をするにあたり有力な選択肢の一つとして挙げられるのが、ロジザードZEROです。

ロジザードZEROは、ハンディターミナルを使って作業を行うことで、データが自動的に反映され、手作業で行っていたときのような入力ミスなどが起こらなくなります。また、フリーロケーション管理を行うことができるため、どこに何があるのかを覚える必要がなく、指定されたルートに従うだけで、ピッキングを誰でも最短ルートで行うことができます。さらに、倉庫に商品を入れておくと、「うっかりしていて有効期限が過ぎていた」などといったことが起こり得ますが、ロジザードZEROなら有効期限の管理を行うことができるので、先入先出が可能になり、指定日を過ぎたものは出荷できないように設定ができます。

在庫管理のさまざまな課題を、ロジザードが解決します!自社の在庫管理にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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