COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
2021年からスタートし、今回で4回目を迎えた泰日工業大学(TNI)とロジザード株式会社の共同プロジェクト。今年度は過去3回の"アプリ開発型コンテスト"から趣向を大きく変え、実際の倉庫業務に即した体験型の実技競技へと大きく方向転換を図りました。
その名も「Logizard x TNI WMS Experience 2025」。
ロジザードが提供するクラウドWMS「LogizardZERO」を活用し、学生たちが物流現場のリアルな業務を体験するこのイベント。単なる競技ではなく、倉庫の現場とはどういうものか、WMSとは何かを知ることで、現場の仕事や仕組みを深く理解してもらうことを目的としています。
物流アプリコンテストに関するコラム
<第3回の様子>
泰日工業大学とのコラボイベントであるITアプリケーションチャレンジ2023/24を開催
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2023-01.html<第2回の様子>
泰日工業大学とのコラボイベントであるITアプリケーションチャレンジ2022/23を開催
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2022-02.html泰日工業大学(TNI)スマートロジスティクス道場にて「LogizardZERO(ロジザードゼロ)」展示開始
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2022-01.html<第1回の様子>
物流アプリコンテスト|泰日工業大学と共同開催の物流アプリコンテスト ついに本格スタート
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2021-01.html物流アプリコンテスト|泰日工業大学の教授にインタビュー
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2021-02.html物流アプリコンテスト|1次選考の様子
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2021-03.html物流アプリコンテスト|中間審査レポート
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2021-04.html物流アプリコンテスト|最終審査レポート
https://www.logizard-zero.com/columns/thai-nichi2021-05.html
今大会には、2~4名構成の全10チームが参加。総勢30名前後の学生たちが、模擬的なWMS操作を通じて、入荷・ロケーション移動・ピッキング・出荷という一連の業務を体験し、作業の正確性やスピードを競うコンテストです。
使用するのは、クラウドWMS「LogizardZERO」とハンディターミナル。
管理する商材には日本から持ち込まれたさまざまなお菓子を使い、段ボールで作った棚を使ってロケーション管理を行うという、まさに"本物さながら"のシミュレーション環境が整えられました。
本番に先立ち、2月4日には事前トレーニングを実施。HBAタイランドの担当者がキャンパスを訪問し、LogizardZEROの基本的な操作方法やWMSの概念について丁寧に指導しました。
学生たちは初めて触れるハンディターミナルに戸惑いも。
「そもそも物流の仕組みがわからない」という学生が多い中、限られた練習時間の中で試行錯誤を繰り返し、チームで相談しながらより効率的な物流業務の役割分担を模索。
操作ミスが減っていく様子や、共同のオペレーションの中で自然と声を掛け合うようになる様子には、目を見張る成長が感じられ、着実にスキルを高めていきました。
2月19日本番当日、緊張感と活気に満ちた雰囲気の中で競技が行われました。 事前トレーニングから2週間が経ち、学業や他の活動に追われる中でも、学生たちは本番に向けてしっかり準備を続けていました。当日の朝には仲間同士で操作や流れを復習し合う姿も見られ、気合十分な様子です。
競技は以下の3項目をもとに採点されます。
実務においても非常に重要な3つの要素を、制限時間30分の中でどれだけ発揮できるかが問われます。操作手順やルールは事前にトレーニングで学んだものの、緊張感ある本番の中でチームが意思疎通を図りながら、正確かつ迅速に業務をこなすことが求められました。
競技は2チームごとに行われます。
各チームはハンディターミナルを手に、一斉に入荷作業へ。商品を読み取り入荷を行い、適切なロケーション棚へと丁寧に格納していく様子は、まさに倉庫現場さながらの光景。
管理する商品は日本のスナックやお菓子なので、パッケージに記載の言語はすべて日本語です。
学生たちは慣れないハンディターミナルの操作や商品に、「どうやって操作するんだっけ?!」「この商品は何?」と戸惑いながらも、回を重ねるごとに操作にも慣れ、互いに相談しながら協力して業務を進める姿が印象的でした。
ピッキングと出荷の工程に入ると、スピードと正確性のバランスが勝敗を分けるポイントに。事前に作戦を立てていたチームは、役割分担がしっかりしており、無駄のない動きで作業を進めていました。一方で、想定外のトラブルに直面し、急遽プラン変更を余儀なくされるチームも。
会場全体には緊張と熱気が漂い、審査員や見学する学生たちも真剣なまなざしで各チームの動きを見守ります。時計の針が残り時間を刻む中、最後まで諦めずに粘り強く取り組む姿には、見る側の心も動かされました。
ある学生は「責任をもって自分の作業をこなさないと、チーム全体の時間をロスさせてしまう。だからこそ、コミュニケーションがすごく大事だった」と語っており、この取り組みが単なる技術習得にとどまらず、人間力の育成にもつながっていることが感じられました。
競技がすべて終了し、審査員による採点と集計の時間に入ります。
その間、実際にロジザードZEROをご利用いただいている株式会社物研 代表取締役の土肥様にご登壇いただき、同社の歩みや物流の重要性についてご紹介いただきました。
実際にWMSを活用することで、日々大量の出荷作業をミスなく正確にこなしている事例をプレゼンテーション形式で共有いただき、学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました
各チーム、全力を尽くして白熱した対決が繰り広げられました。
その中で見事優勝に輝いたのは、チーム「Tad Na Berry」。
彼らは入荷から出荷まで、一切のミスなく、過不足ゼロという完璧な精度を達成。さらに、多くのチームが30分の制限時間内で苦戦する中、わずか20分で全ての作業を完了させるという驚異的なスピードも見せつけました。
正確性・スピード・チームワークのすべてで高いパフォーマンスを見せ、審査員からも「プロさながらの安定感」と絶賛される結果となりました。
表彰式では、チームの名前が呼ばれると同時に会場から大きな拍手と歓声が巻き起こり、「Tad Na Berry」のメンバーたちは喜びを分かち合いました。笑顔と達成感に満ちたその姿は、まさに青春の1ページそのもの。
一方で、惜しくも優勝を逃した他チームのメンバーたちからも、「もっとあの場面でこうしていれば...」「緊張で普段の力が出せなかった」といった悔しさの混じった声が聞こえつつも、優勝チームを心から祝福する温かい拍手が送られていたのが印象的でした。
競技を通して、それぞれが成功と課題を見つめ直す時間となり、学生たちにとっては成績以上に大きな学びが残る1日となったのではないでしょうか。
コンテスト終了後、参加者からは多数のフィードバックが寄せられました。
実際に、倉庫に見立てた環境でハンディターミナルを操作する中で、WMSの重要性を肌で感じた学生も多かったようです。
一方で、「もう少し事前の機能説明があるとよかった」「ルールを前もって把握したかった」といった建設的な声もありました。こうしたフィードバックは、今後の改善にしっかりと活かしていく予定です。
今回のチャレンジは、単なる競技ではなく、学生たちにとって「実践的な物流の仕事に触れるきっかけ」となりました。
手順を覚えるだけでなく、現場のような緊張感の中で仲間と連携する力、トラブルに対応する冷静さなど、現場に必要な"力"が身についたことが印象的でした。
ロジザードでは今後もこのような実践型教育支援を継続し、東南アジアの次世代物流人材の育成に貢献していきます。
泰日工業大学 (TNI) は、「学問を発展させ、産業の振興に寄与し、経済・社会に貢献する」を建学理念として2007年6月に開学しました。タイ産業界で需要の高い分野(特に自動車、電機・電子、ICT、生産技術)を重視し、日本のものづくりに直結する実務的かつ実践的な技術と知識を兼ね備えた人材を育成しています。同大学から輩出された優秀な人材は、多くの日系企業で採用され、現在も第一線で活躍しています。
名称:泰日工業大学(Thai-Nichi Institute of Technology)
学長:ランサン・ラートナイサット
所在地:1771/1, Pattanakarn Rd, Suan Luang, Bangkok, 10250, THAILAND
設立:2007年6月
URL:https://www.tni.ac.th/home/