COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
コロナ禍で変革がもたらされた生活様式に加え、円安や国内市場の縮小などを背景に、企業の目が海外マーケットへと向けられています。中でも、これから人口ボーナスを迎える東南アジア諸国は、新たな市場として注目を集めています。ロジザードでは2024年1月末に、ユーザー様とともに東南アジアの3カ国の小売・物流現場を視察してきました。その様子を2回にわたってお届けします。本コラム(vol.1)では、昨年ASEAN最大規模のイオンモールが誕生したカンボジアにスポットを当て、レポートします。現地から持ち帰りたてのホットでリアルな情報です。越境ECや海外進出を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
東南アジア視察概要
日程:2024年1月27日~2月2日
視察先:カンボジア、タイ、ベトナム
視察メンバー:株式会社物研 代表取締役 土肥克次様 および ロジザード営業メンバー
目的:越境EC等で注目が集まるASEANの物流現場を視察し、現地の最新情報を収集
越境ECや海外販売に興味を持たれる企業様が増えています。実際に、ロジザードに寄せられる相談の中にも、海外発送や海外製造に関する問い合わせが多くなってきました。2023年11月に開催した『ロジザードEXPO 2023』でも、ひときわ注目を集めたのが、越境ECや海外進出に関するセミナーや出展ブースです(https://www.logizard.co.jp/expo/seminars/#seminar04)。
カンボジアでの越境ECや海外販売を支援するAEON MALL (CAMBODIA) LOGI PLUS CO., LTD.(以下:イオンモールカンボジアロジプラス)様、越境EC専用カート「Launch Cart」を提供するスターフィールド様、海外拠点の会計・ERPソフト「multibook」を提供するマルチブック様が出展され、ブースは常に活況を呈していました。
特に、イオンモールカンボジアロジプラス様による、カンボジア市場に関するセミナーは、東南アジアの成長熱を感じさせました。イオンモールカンボジアロジプラス様は、AEON MALL (CAMBODIA) CO., LTD.(イオンモールカンボジア)の100%子会社で、保税物流倉庫の運営やECサービスを展開し、ASEAN進出を検討する日系企業を支援しています。越境ECや海外出店を検討する企業向けに、現地のイオンモールを利用してテストマーケティング用の環境を構築。海外進出にまつわる煩雑な業務をワンストップ、かつ日本語環境で支援するサービスを提供されています。
カンボジアでは、昨年ASEAN最大規模のイオンモールが開業。2023年末にはフン・マネット新首相が初来日し、「日本企業専用の経済特区設立」の意向を表明するなど、新たな市場を探す日系企業にとって、東南アジアにおける製造・物流拠点およびマーケットとして大きな可能性を秘めている国といえます。
イオンモールカンボジアロジプラス様のセミナーによれば、ECの市場予測では、ASEAN市場の年成長率は日本よりもはるかに高く推移しており、2025年には日本を追い越す勢いです。特にカンボジアは、内戦の影響で経済の活性化はこれから。所得の格差やインフラの整備面などから見ても、マーケットは黎明期にあり、それだけに今後の伸びしろに期待が持てます。
EC市場においてもLAZADAやShopeeといったマーケットプレイスが不在であることから、イオンモール様はショッピングモールとECへの先行投資を強化しています。カンボジアの人々の日本製品に寄せる憧れや信頼度は高く、富裕層を対象に、日系企業に大きなビジネスチャンスがありそうです。
イオンモールカンボジアロジプラス様には、「ロジザードZERO」をASEAN市場向けにアレンジした「Logizard ZERO」(カンボジア初導入)を採用していただき、日系企業の商品のショールーミングおよびEC用の在庫管理に活用いただいています。
『ロジザードEXPO 2023』で、イオンモールカンボジアロジプラス様のプレゼンテーションに大いに興味を持たれたのが、大阪で物流会社を営む、株式会社物研の土肥社長です。「会場で、イオンモールカンボジアロジプラスの小野様と名刺交換させていただき、ロジザードの営業さんにはカンボジアのイオンモールを実際にこの目で見てみたいと伝えました。ロジザードさんのコーディネイトのもと、以前から興味があったベトナムやタイも加えて現地視察の企画がトントン拍子に進み、年明け早々に視察がかないました」(土肥社長)。当社からも営業担当が同行し、カンボジアではASEAN最大規模のイオンモールカンボジアや、一般市民がよく行く市場などを視察しました。
現在カンボジアには、プノンペン市内に3つのイオンモールがあります。1,2号店は街中にありますが、私たちが訪れた3号店「イオンモール・ミエンチェイ」は、プノンペンの郊外にありました。「まだ道の整備も進んでいないような悪路を抜けると、突然広大な開発エリアが現れ、その一角に巨大なイオンモールがありました。できたばかりのきれいな建物、設備もピカピカで、駐車場には高級車が並び、カンボジアの中でも突出した富裕層が集まる場所とのことでした」(土肥社長)。
イオンモール・ミエンチェイは、敷地面積17万4000平方メートルという広大な土地に、約250店舗が出店する近代的なショッピングモールです。モール内には、越境EC用のショールーミングエリアがあり、「Logizard ZERO」が稼働しています。ショールーミングで商品を手に取って確認してから、ECで購入するという新しい購買スタイルが、カンボジアのお客様にも受けいれられているようです。今は明らかに富裕層が対象で先行投資的意味合いが強い印象ですが、イオンモールカンボジア独自のスキームが着々と構築されていることを確認することができました。
一方、街中ではまだまだ貧しさの方が目につきました。今回はカンボジア、タイ、ベトナムの3カ国を回りましたが、インフラや経済成長の観点から見ると、カンボジアが最も発展途上であり、次いでベトナム、タイという印象です。カンボジアマーケットは、今は一部の富裕層が対象で、商品量も集客もこれからといったところです。しかしそれだけに、縮小していく日本のマーケットに比べれば、明らかに商機が大きいと感じました。特に、ECマーケットは未成熟なものの、デジタルネイティブな若年層世代が経済活動をけん引していく今後は、大きな成長が期待できそうです。
越境ECを検討中の企業様、ASEAN進出を考える企業様には、カンボジアに法人やツテがなくても、イオンモールのノウハウを活用して販売に挑戦できる環境があります。イオンモールカンボジアロジプラス様が構築された、越境ECプラットフォームでのテストマーケティングは、新たなビジネスの第一歩を踏み出すのに最適なソリューションといえるでしょう。ご興味をお持ちの方は、どうぞお気軽にロジザードにご相談ください。
『ロジザードEXPO 2023』を機に実現した、「ロジザードZERO」ユーザー様との東南アジア視察。今回はカンボジアにフォーカスしてレポートをお届けしました。vol.2では、タイ、ベトナムを含む3カ国の視察をユーザー様の視点でレポートしています。あわせてぜひお読みください。
イオンモールカンボジアロジプラス様概要
会社名:AEON MALL (CAMBODIA) LOGI PLUS CO ., LTD
設立: 2022年2月
所在地:Village 3, Sangkat No.3, Preah Sihanouk City, Preah Sihanouk Province, Cambodia
事業内容:
・保税物流センターの運営・物流付帯サービス (通関・配送等)の提供
・ECオンラインショッピングプラットフォームの 運営・その他付帯サービスの提供
HP:https://www.aeonmalllogiplus.com/jp/
株式会社物研様概要
会社名:株式会社物研
代表者:代表取締役 土肥 克次
設立:昭和58年9月
所在地:〒599-8246大阪府堺市中区田園685-1
事業内容:
・EC物流事業(Logi-Design)
・食品EC物流事業(Logi-Design COOL)
・物流センター事業(3PL)
・品質管理事業
・流通加工事業
・梱包資材販売
HP:https://www.bukken-logi.co.jp/