COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
在庫管理を行っていると、データと現物が合わないといった経験がある人もいるでしょう。エクセル・スプレッドシートなど表計算ソフトでの手作業の在庫管理や複数の人で在庫管理をしているときには、そういった問題が起こりやすいともいえます。ただ、そういった事態はなぜ起こるのでしょうか。どうすれば、適切に在庫管理が行えるのか気になりますよね。
こちらのコラムでは、在庫管理が重要な理由や問題点、在庫管理業務を正確に、効率化・標準化する方法などについて詳しく説明、在庫管理がスムーズに行えるWMS(倉庫管理システム)についてご紹介します。
「在庫」というのは商材のことです。すなわち、その商材を管理する在庫管理は、企業における売上の核を担います。在庫状況が把握できていない場合には商品の作りすぎや、デッドストックが生まれてしまうのです。それでも、在庫管理は後回しにされがちであるといえるでしょう。それは、売上が重要であり、在庫を抱えていても、いつかは売れると思っているからです。腐るものではないから、自社倉庫だからコストはかからないといった理由で在庫を管理していない企業もみられます。目の前で起こる「売上」には敏感になっても、在庫には目がいかないという企業も多いのです。
しかしながら、在庫がわからないと倒産してしまうこともあります。売上総利益(粗利)というのは売上から売上原価を引いたものであり、この売上原価は期首在庫棚卸高に当期在庫仕入高を足し、期末在庫棚卸高を引いて求めた数字です。そういった理由から、在庫がわからないことには、利益すら求められないといえるでしょう。売上がどれだけ大きくても、会社に残るお金である「利益」がないと会社は存続できません。赤字になっても会社は倒産しませんが、現金がなくなると会社は倒産してしまいます。すなわち、在庫はお金であり、お金を管理することで会社は次の投資も可能となるのです。
ただ、在庫はコストのかかる資産でもあります。在庫を完売できるといった保証もないでしょう。それでも、在庫を持たない場合には、たくさんの場所(卸先や店舗など)に製品を納めることもできず、売れるチャンスがあっても売ることができません。販売機会を損失することとなり、会社の利益が少なくなってしまいます。逆に在庫が余っている状態であれば、キャッシュフローが悪化し、経営が圧迫されてしまうこともあるのです。そのため、在庫管理を行い、適度な在庫の量を知るこという考え方を持つことが大切です。会社が実際にどのくらいの在庫を抱えているのかがわかると、具体的な販売戦略のヒントもみえてきます。
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在庫台帳やシステムの在庫データと、実際に棚卸をした在庫数が異なることを「在庫差異」といいます。在庫管理が面倒で難しいと感じて怠ってしまう場合には在庫差異が起き、在庫がうまく管理できないようになるのです。在庫差異は、在庫管理ルールがきちんと決められていない場合に起こりやすいともいえるでしょう。あいまいなルールのもとで在庫管理を行うと、保管場所のルールが定まっていないことや、引き継ぎをしっかりと行われていないことで在庫差異が生じます。
また、データを二重入力してしまうことや、入力漏れによってデータと現物が合わないこともあるでしょう。調達管理や在庫管理などの重複するデータを管理していると、データが二重に入力されてしまうことがあります。調達管理では正しくても在庫管理ではデータがずれていることもあり、在庫データの信頼性がなくなってしまうのです。さらに、入力間違いなどの人的ミスでも、データと現物にズレが生じてしまいます。もし、エクセルやスプレッドシートなど表計算ソフトで在庫管理をしており、帳簿入力を手入力にしている場合には入力間違いが多く発生するといえるでしょう。単純な数字の入力ミスだけでなく、桁数の間違いも起こることがあるのです。
人間の手によって入力する以上、どれだけ注意しても人的ミスをゼロにすることは簡単ではありません。その他にも、個人が自己判断でデータを入力した結果、間違った方法で入力してしまいデータがずれる、ということも考えられます。きちんと確認を行い、正確な数字を入力しないことには徹底した在庫管理ができません。
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適切な在庫管理を行うためには、在庫管理をルール化することが大切です。在庫管理のルールがあいまいな場合には、自己判断で作業をしてしまうことがあるでしょう。また、数人で在庫管理を行っている場合には、ルールが甘いことで人による管理方法の違いが生まれ、結果在庫差異が生じやすくなります。そのため、在庫管理をルール化し、そのルールを徹底することが大切です。
在庫管理のルールを定めるときには、運用フローを決めて作業手順書などを作成しましょう。これにより、従業員全体が在庫管理をどのように行うべきかを明確にします。また、短い間隔で棚卸をすることも重要です。棚卸することで実在庫とデータが合致しているがどうかがわかりますので、在庫管理のルール通り処理されているかが確認できます。特に運用フローを更新した際は、できるだけ頻繁に棚卸を行い効果検証を実施、在庫が合わない場合にはその原因を特定しておきましょう。そうすることでルールを見直し、確実なルールへの修正も可能です。
棚卸を短い期間で行うことは、原因究明までにかかる時間の短縮や、質の高い経営にもつながるといえるでしょう。さらに、在庫管理システムの導入も非常に効果的です。システムを導入することで入力ミスなどの人的ミスも防げるようになります。
在庫管理システムを導入する際には、他のシステムとの連携がとれるシステムを選びましょう。というのも、在庫管理は調達管理システムや販売管理システム、生産管理システムなどと連携して在庫管理を行う必要があるからです。調達管理システムとの連携が取れている場合には、仕入れ時に二重でデータ入力作業をする必要がありません。また、調達管理システムに入力したデータは、そのまま在庫管理システムに反映されますので、業務効率の向上にもつながります。
在庫の入出荷や倉庫内移動時に、商品を目視や人力でチェックしている場合にはミスやエラーが起こりやすくなるといえるでしょう。しかし、他のシステムとの連携がとれる在庫管理システムであれば、出庫するものが合っているか、間違ったものを入庫していないかといった点もチェックできます。もし、データ上では数字が合っていても、実際に物が存在しないという状況では、受注を受けた商品であっても出荷ができません。その他にも商品を間違って出庫してしまうと、誤った商品が顧客のもとに届いてしまいます。こういった場合には会社の信用問題が問われてしまうのです。ネットショップを運営している場合、レビューにかかれてしまうこともあるでしょう。
このような事態は、在庫管理を徹底していると起きない問題であるともいえます。しかしながら、人の手でこれらの作業を行うとヒューマンエラーが生じやすくなるのです。その点、他システムとの連携が可能な在庫管理システムを導入すると、1つ1つを確実に管理できるようになります。入出庫の漏れや在庫管理における管理ミスが少なくなり、業績の向上にもつながるでしょう。
WMSと基幹システム・ERPの連携については、こちらのコラムがおすすめです。
基幹システム・ERP導入のステップ、WMS連携について解説
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他システムとの連携で在庫が管理できるシステムが「WMS」です。WMSは、「Warehouse Management System」を略したもので、日本語では倉庫管理システムとよばれています。WMSの機能は大きく分けて2つあり、主に在庫管理機能と入出庫管理をはじめとした倉庫業務管理が可能です。 どちらの機能も物の流れを把握するために欠かせないものであり、目視や人力で起こるミスが防げます。
例えば、大量の商品がある場合、人力でピッキング作業を行います。わかりやすい品物である場合には人力でもミスは少なくなるでしょう。しかし、品番の数字が1桁違うだけで、見た目が同じような商品を取り扱っている場合には、気をつけていても例外なくズレが生じます。入庫時に置いた場所や置いた人、出庫時にピッキングを行った人が別々である場合には、さらに間違いが起こりやすくなるのです。
WMSの在庫管理機能というのは、入出庫における各商品の数の把握だけでなく、保管している場所や保存状態、食料品である場合には消費期限なども管理できます。同じ型番や品番であっても、誤って古いものを保管し続けることもありません。入荷した日付や製造年月日などを管理することで、出荷時のピッキングを簡単にする機能です。
また入荷管理機能では、在庫としてプラスされた商品を管理します。入荷した商品を、もともとある同じ商品とは違う場所に置いた場合や、担当者ではない人が勝手に持ち出した際には数が合わなくなってしまうでしょう。数が合わないことで、ないものを売ることになれば、顧客との信頼関係が崩れてしまいます。WMSの入荷管理機能では、出荷時に商品ひとつひとつのチェックをシステムで確認できますので、入荷時の漏れを防ぎ、在庫管理のミスを防ぐことが可能です。
また、WMSは在庫管理や入荷・出荷業務を行うための適切な業務フローにあわせて機能が設計されているため、WMSを使用して業務を行うことで業務の標準化と効率化が実現できます。
WMSはシステム管理ですので、エクセルやアクセスを使った不安定なデータ管理を行う必要がありません。また、クラウド型のWMSを導入すると、インターネットの環境下であればPCから管理状況が把握できます。WMSの在庫管理では、商品情報をデータベース化し、入荷や検品、保管、ピッキング、出庫という作業をバーコードリーダーやスマートフォンで読み取る作業で進めます。また、情報端末へキー入力する方法もあり、どちらの方法であっても非常に簡単な作業でデータが入力されるのが特徴です。
作業内容は、端末の画面に順番に表示されますので、間違えることも少ないといえるでしょう。もし、間違った作業をした場合でも、音や振動と画面表示で警告する機能が搭載されています。入荷、保管、出荷の管理が適切に行え、「見える化」することでミスが大幅に削減するのです。また、伝票や支持票の記入などの作業が不要になることで、担当者の業務効率もあがります。正確な作業が効率よく行えますので、業務の拡大にもつながるでしょう。
その他にも、ハンディターミナルやスマートフォンを使用した情報の記録は、正確なデータ作成に効果を発揮します。作成したデータは、出力も可能ですので、紙媒体として印刷し、多くの従業員と情報を共有することも可能です。さらに、販売部門においては、リアルタイムの倉庫の状況が把握できるようになります。そのため、本部でのデータ収集が楽になるといえるでしょう。
在庫管理をデータ化することで、効率よく在庫管理ができるWMSですが、デメリットもあります。まず、WMSの導入や運営のためにはコストがかかる点があげられるでしょう。WMSの導入まで発生しなかったコストがかかりますので、費用面で負担があることは知っておく必要があります。また、新しいシステムの導入にあたり、そのシステムを使いこなすための教育や指導が必要です。それらに時間や労力を割く必要もあり、その部分にもお金がかかるといえるでしょう。
さらに、新しいシステムの導入に賛成できないといった考え方を持つ人も多くみられます。これまで人的ミスが多かった場合でも、「同じやり方」にこだわる人も多いのです。そういった人たちに理解を深めてもらうのにも時間がかかります。それらを乗り越えてWMSを導入する時には、マニュアルを作成しておきましょう。使い方や手順などはメーカーから指示や指導が受けられます。もし、サポートのないシステムであれば、導入は危険であると考えましょう。メーカーを選ぶ際にはサポート体制もしっかりと確認しておくと安心です。
WMSにはさまざまな種類がありますので、その選び方も重要です。まず、導入する業界や業種との相性を考えましょう。WMSを提供している企業の導入事例を確認し、どのようなサポートが受けられるのか、自社の在庫管理・入出荷業務管理に必要な機能が備わっているのかをチェックします。システム会社に任せすぎてしまうことや、安易な考えでWMSのメーカーを決定すると、導入費用や導入までの時間や工数が無駄になってしまうこともあるでしょう。まずは、自社の在庫管理にどのような機能が必要で、どのくらいのサポートを受けたいのかという点を明確にすることが大切です。
また、クライアントや外部業者との連携がとれているのかといった点にも注目しましょう。これは、他社と内部や、倉庫や本社間でどこまでデータが共有できるのかがポイントです。自社のみの運用であっても、商品コードやバーコードの有無で作業の効率が大きく変わります。ミスを防ぐためにも、バーコードを使った運用ができるのか、外部とデータがどの程度にわたって共有できるのかを確認しておきましょう。さらに、導入や運用時の不安を和らげるためにもサポートやセキュリティ面がしっかりとしているかも確認しておくべきポイントです。
そういった問題をクリアできるのが、クラウド型のWMS「ロジザードZERO」です。ロジザードZEROはクラウドWMS提供20年以上のノウハウによる豊富な運用提案が特徴です。また、電話・メールの365日サポート体制がとられており、導入から稼働開始後まで、継続して手厚いサポートを受けることができます。また、物流コンサルタントが定期的に勉強会を実施していますので、基本的な使い方からコツまでをしっかりと学べるでしょう。2024年現在1,700現場以上で導入されておりパッケージシェアでNo.1*を誇ります。もし、WMSの導入に興味がある場合にはロジザードZEROに相談してみましょう。
*国内最大の物流ニュースサイト「LOGISTICS TODAY」:第1回主要クラウドWMSアクティブ導入拠点(アカウント)数調査(2020年)、WMS(倉庫管理システム)に関する実態調査(2021年)、クラウド型WMSの導入に関する実態調査(2023年)、WMS関心度ランキング(2024年)より
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