COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2024/08/14 在庫管理

エクセル・スプレッドシートで在庫管理をするメリット・デメリットは? クラウド倉庫管理システム(WMS)と比較してみた

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エクセル(Excel)とは、Microsoft社が提供している表計算ソフトで、様々な業務に活用されています。そのため、インターネット上で公開されている無料のエクセルのテンプレート(雛形・フォーマット)を元に在庫管理を行っている物流・倉庫現場は少なくないのではないでしょうか。
また、最近ではGoogle社が提供している表計算ソフト「Googleスプレッドシート(以下、スプレッドシート)」が、無料で使用できる、画面構成や機能がエクセルと類似していて感覚的に操作できることから、エクセルにかわって活用する場面が増えているようです。

そこでこちらのコラムでは、在庫管理を目的にエクセルやスプレッドシートの管理表を使用することのメリットとデメリット、「ロジザードZERO」を例にクラウド型のWMS(倉庫管理システム)との機能面・操作面の比較についてお伝えします。

エクセル・スプレッドシートで在庫管理をするメリット

エクセルは多数の企業がPC端末にインストールしており、使い始める手間や追加費用がかからないため、多くの人が使い慣れているソフトです。またスプレッドシートは、「Googleアカウント」を発行するだけで、無料で使い始めることができます。スプレッドシートの画面構成や機能はエクセルと類似しているため、エクセルを使用したことのある人は感覚的に使い始めることができます。

メリットはずばりここにあり、追加費用なし、または無料で使えること、皆さんが使い慣れていることだと思います。さらに、スプレッドシートによる管理表は、Googleドライブに格納され、アクセス権限を付与されたアカウントであればいつでもアクセスすることが可能、リアルタイムにファイルやデータの共有ができます。これらのメリットから、VBA*(スプレッドシートの場合はGAS)や関数を駆使して、本格的な在庫管理シートを作って管理している現場もあると思います。

しかしながら、エクセル管理、スプレッドシート管理には限界があります。

* Visual Basic for Applications。MicrosoftがMS Officeの拡張機能として提供しているプログラミング言語のこと。

エクセル・スプレッドシートでの在庫管理のデメリット

エクセルやスプレッドシートの管理表を使用した在庫管理には大きく4つの問題点があります。問題点1と2ではエクセル固有の問題点について、問題点3と4では、エクセルとスプレッドシート共通の問題点についてお伝えします。

問題点1 データ共有(エクセル)

エクセルによる管理表では情報の共有形式を取らないケースが多いです。もちろん、Excel2007以降においてもエクセルシートのサーバー 上における共有はできるのですが、テーブル機能を含む場合はシートの共有機能を使うことができません。(オフィス365のサービスを利用する場合は可能です。) そのため、 在庫管理表を1つの端末で開いている時に別の端末からは更新できない、という問題点があります。

問題点2 作業履歴の保存・管理(エクセル)

エクセルで作る在庫管理表 の場合、作業履歴を残さないケースが多いです。VBA(Visual Basic for Applications、プログラムを記述・実行して複雑な処理の自動化などを行うもの。)やマクロ上級者であれば、条件次第でエクセル在庫管理表に履歴データを残すことも可能ですが、複雑なマクロが組まれたエクセルシートは動作が重い、また、データが壊れることもあるという大きな欠点があります。

問題点3 属人的運用(エクセル・スプレッドシート共通)

管理表を作成した担当者固有のスキルに頼ることが多くなります。在庫管理表に限らず、シートに組まれた関数などの計算式・数式やマクロが担当者の退職により一切わからなくなる、という問題が起こります。また、使いはじめの頃は問題なく更新できている場合も、多人数で更新する・担当者が変更になる等のタイミングで、はじめに定めたルールから外れた入力・更新を行うことで、計算式が壊れてしまう、本来データが反映されるべき場所に反映されないなどの不具合が起こることも珍しくありません。
エクセルやスプレッドシートによる在庫管理は属人的であるといえます。

問題点4 データのリアルタイム性 (エクセル・スプレッドシート共通)

管理表に数値の手入力を行う場合、

個数を数える

商品ごとの個数を紙などにメモする

メモを見て表に転記する

といった運用をとる場合も多く、在庫情報が一覧表に登録されるまでにタイムラグが生じます。一部の業務は有線のハンディターミナルを活用することでリアルタイムに反映することができますが、何かの作業の度にPCと有線ハンディターミナルを持ち歩くのは非効率です。このように、共有・更新が困難な上、在庫状況をリアルタイムで確認できない、という問題点があります。

在庫管理比較:エクセル・スプレッドシート VS WMS(倉庫管理システム)

エクセルやスプレッドシートでの管理に限界を感じてくると、在庫管理機能のあるシステムの導入を検討すると思います。「在庫管理システム」と検索すると、基幹システムや受注管理システムを含めてさまざまなシステムが出てきますが、実在庫管理をする場合はWMS(倉庫管理システム)です。


「在庫管理」の違い

システムにはオンプレミス型とクラウド型がありますが、最近ではクラウド型が主流になってきました。そこで、クラウド型WMSとエクセル管理、スプレッドシート管理の比較をしてみたいと思います。

excelvswms.png

特徴

エクセル・スプレッドシート

有線ハンディターミナルを活用する企業様もいらっしゃいますが、基本は手入力です。数字の打ち間違え、入力セルの間違い、入力や修正のし忘れといった人為ミスが起こってしまいがちです。また、履歴が残せないため、責任問題を鑑みてパートやアルバイトには操作を任せず、社員のみが操作をする場合が多いです。

WMS

商品のバーコードと無線ハンディターミナルで検品作業をします。検品時など何か間違いがある場合はシステムが判断し、アラートを出す仕組みがあるため、ミスをしたまま次に進むことを防ぎます。また、アカウントごとに閲覧・操作の権限設定ができるため、社員もスタッフも操作が可能です。

入出荷登録

エクセル・スプレッドシート

予定データの取りこみ、有線ハンディターミナルでの入出荷実績の登録を行うことはできますが、管理表にデータが反映しているか確認しながらの操作となるため、検品作業に集中できません。

WMS

入荷・出荷それぞれの予定データのインポートが可能、無線ハンディターミナルでの読み取りは管理表の確認と切り離して作業ができるため、検品に集中できます。検品結果はリアルタイムでデータ計上されるため、検品作業者以外のスタッフがPCで実績を確認しながら業務を進めることが可能です。

在庫確認・共有

エクセル

物理的に離れた複数拠点、複数人での共有は難しいです。また、確認した情報を手入力する場合、確認から入力、反映までにタイムラグが発生します。

スプレッドシート

複数人でのシートの共有が可能ですが、情報反映までのタイムラグが発生する点は、エクセルと同様です。

WMS

クラウドサービスのため、ネットの環境さえあればリアルタイムに在庫確認が可能です。また、ハンディターミナルを使用することで、リアルタイムでの情報更新が可能です。

在庫調整

エクセル

誰がいつどのような理由で在庫調整をしたかの履歴が追えません。

スプレッドシート

どのように在庫を調整したのか、更新内容の履歴確認はできますが、マスタとしての出力ができません。

WMS

理由のマスタ化が可能、後日どのような理由が多い、といった傾向を確認できます。

履歴

エクセル

登録機能を持たせることは可能ですが、履歴データはデータ量が多いため、動作が重くなり定期的なメンテナンスが必要です。

スプレッドシート

いつ誰がどのシートを更新したか、特定のセルがどのように更新されたかピンポイントで履歴を確認することが可能です。何かミスが起きてしまった際の調査の際に役立ちます。

WMS

操作履歴を確認することができるため、ミスが起きてしまった時の調査データとして役立ちます。また、WMSの機能やオプションによっては、ハンディターミナルの作業者と操作した機能、作業内容の詳細や作業開始・終了時刻をリストとして取得することができるため、業務工数の可視化や改善に役立てることができます。

操作性

エクセル・スプレッドシート

一般的な機能を使うだけなら問題ありませんが、関数など複雑な機能を使うことで操作できる方が限られてきます。

WMS

ロジザードZEROは新人のアルバイトの方でも初日から使える、といったお声を頂いています。

サポート

エクセル・スプレッドシート

詳しい方が退職された場合、在庫管理シート自体が使えなくなるというリスクもありまうす。

WMS

カスタマーサポートがあるWMSがほとんどです。ロジザードZEROの場合は、365日メール・電話で受け付けています。

アクセス在庫管理のデメリット

Microsoft社の提供するデータベース管理ソフト、アクセス(Access)で在庫管理表を作成することにより、上記で挙げたいくつかの問題点は解決できます。しかし、ますます上記「問題点2」に挙げた属人的傾向は強まるといえるでしょう。 アクセスに何か問題が起きた際、対応できる担当者がいないことで出荷を止める必要がでてくるかもしれません。

ロジザードスタッフより

クラウドWMS(倉庫管理システム)「ロジザードZERO」のお問い合わせをいただきお話しをお伺いすると、在庫管理にエクセルやアクセス、スプレッドシートを使用しているお客様はまだまだいらっしゃいます。 ご相談内容をお伺いするなかで、やはり1番の問題は属人的な運用です。担当者の方が退職されて「下手にいじれない」、「使っていない機能がある」、「バックアップの取り方を引き継いでいないため、重くなってしまって動かない」、ということもよく聞きます。

クラウドWMSによる在庫管理がおすすめの理由

データ保持期間に注意が必要ですが、基本的な業務に必要なデータは契約元のサーバーで保管されます。問題が起きた場合はサポートがついているので、属人化されにくく、365日の保守・サポートがあるサービスを選べば、専門的な知識を持つ必要もありません。
さらに、データ入力が手打ちの場合が多いエクセル・アクセス管理に比べ、在庫管理システムではハンディターミナルを使用した運用で自動的にデータが作成・蓄積されていきます。打ち間違いなどの人的ミスを削減することができ、正確なデータ管理を実現できます。
ぜひこの機会にクラウドWMSでの在庫管理を検討してみませんか。

ロジザードスタッフより

クラウドWMS(倉庫管理システム)「ロジザードZERO」では、無線のハンディターミナルを用いて作業をしていただきます。無線の良いところは、PC端末が無くても作業ができる点、常に作業したデータが蓄積されていく点です。無線ハンディを利用してリアルタイムに物の位置と数量、状態を確定していくことが本質です。 WMSには入荷・出荷・保管といった基本的な作業に必要な機能が盛り込まれているため、この点でも属人化を防ぐことに繋がります。使いやすい・わかりやすいWMSを導入することで、急なスタッフの増員にもすぐに対応できます。また、専任サポートチームが365日メール・電話対応していることはロジザードが長期にわたり支持される理由の一つです。

もし物流業務を委託している場合は、委託先の倉庫様へのご提案が可能です。委託先の倉庫様にてWMSのような在庫管理システムを導入していない場合はご相談ください。また、物流のアウトソーシングをご検討の段階でしたら、ロジザードZEROをすでに導入されている物流倉庫様のご紹介も可能です。ご興味のある方は完全無料の倉庫紹介サービス「ロジザード・マッチン」の利用をご検討ください。

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