COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

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最終更新日:2024/01/04 専門用語運輸業・倉庫業(3PL事業者)

3文字の物流用語23選 2024年最新版|物流担当者のための基礎知識

物流担当者が知っておきたいアルファベット3文字用語 23選

物流業界では様々な専門用語が飛び交っています。物流用語の中でもアルファベット3文字の略語が使われている用語は、呼び名が似ていることが多く、用語そのものから意味を読み取れないため苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、物流担当者が知っておきたいアルファベット3文字用語を厳選してご紹介します。

目次
  1. 商材に関する物流用語
  2. 物流倉庫に関する物流用語
  3. システムに関する物流用語
  4. データ、データ連携に関する物流用語
  5. マテハン機器、物流ロボットに関する物流用語
  6. その他の用語
  7. まとめ

商材に関する物流用語

JAN、JANコード(ジャンコード):Japanese Article Number

JAN、JANコードとは、「どの事業者の、どの商品か」を表す国際的な商品識別番号です。コンビニやショッピングセンターなど実店舗での会計の際に、POSレジでスキャンされるなど幅広く利用されています。また「JANコード」は日本国内での呼び方で、国際的には「GTIN(Global Trade Item Number)」と呼ばれています。

JANコードについては、こちらのコラムがおすすめです。

JANコードについて知ろう① 基礎編・利用開始編
https://www.logizard-zero.com/columns/jancode1.html

SKU(エスケーユー):Stock Keeping Unit

SKUとは、受発注や在庫管理を行う際の「最小の管理単位」を指します。例えば、あるブラウスの色展開が4色、サイズがS・M・L・LLの4種類の場合は「16SKU」と数えます。 SKU数が多ければ多いほど管理が煩雑に、商品の識別に時間がかかるため、ハンディターミナルを利用した在庫管理システムの導入がおすすめです。


物流倉庫に関する物流用語

KPI(ケーピーアイ):Key Performance Indicator/重要業績評価指標

KPIとは、目標を達成する上で、その達成度合いを計測するための定量的な指標のことを指します。物流に限らず、財務や組織、顧客管理、サービス品質などの多くの場面で用いられています。KPIを設定することで、潜在的な課題を明確にしたり、複数の課題を解決する際の優先度を可視化したりすることが可能です。
一般的に、物流業界におけるKPIは、「コスト・生産性」、「品質・サービスレベル」、「物流条件・配送条件」の3つに分けられます。

KPIの定義例

KPIの定義例

引用:概要版 物流事業者におけるKPI導入の手引き(平成23年3月 国土交通省)

BTS・BTS型(ビーティーエスがた):Build To Suit

BTS、BTS型とは、物流倉庫の種類の1つで、特定のテナントのためにオーダーメイド建設された物流施設です。物量の多い大手企業に利用されることが多く、広さや温度帯、場所など、自社の運用にあわせた物流倉庫を作ることができます。また、複数のテナントが入っている物流施設はマルチテナント型と呼ばれます。

BTS型・マルチテナント型


システムに関する物流用語

WMS(ダブリューエムエス):Warehouse Management System/倉庫管理システム

WMSとは、物流倉庫内の在庫管理を行うシステムを指します。入荷・出荷・保管・棚卸に関するデータをシステム管理することで、物流倉庫内の作業を効率化・標準化し、物流品質を上げることが可能です。

WMSの主な機能

  • 入荷管理:商品の入荷予定を事前に登録し、入荷時にハンディターミナルなどで検品して入荷実績を登録することで、差異がないか確認します。
  • 在庫管理:どの棚に何をいくつ保管しているか、品質はどんな状態か(A品・B品)、必要に応じて賞味期限やロット番号などを管理します。
  • 出荷管理:出荷指示データをもとにピッキングリストを出力し、ハンディターミナルなどで検品を行った上で、出荷実績を登録します。
  • 棚卸管理:どのロケーションに商材が何点保管されているのか、実際に在庫の数量を数えて確認します。手作業で数量を確認した後にシステムへ保管ロケーションと数量を入力する方法のほか、ハンディターミナルなどを使って棚と商品のバーコードをスキャンすることで、在庫数や作業の進捗状況をデータで管理する方法があります。
  • 帳票・ラベル発行:ピッキングリストや納品書などの帳票データを作成し、プリンターと接続して各帳票を印刷します。また、各配送会社の送り状発行ソフトやバーコードラベル発行ソフトへデータを連携し、各ソフトに対応したプリンターに接続して送り状やラベルを発行します。

WMSについては、こちらのコラムがおすすめです。

WMS(倉庫管理システム)とは?WMSの必要性
https://www.logizard-zero.com/columns/logizardwms.html

WES(ダブリューイーエス):Warehouse Execution System/倉庫運用管理システム

WESとは、WMSとWCSの中間的存在と言える、倉庫内の作業や物の管理と倉庫制御の機能を兼ね備えたシステムです。在庫管理、入出庫など作業の管理、マテハン機器など倉庫設備の制御を行い、倉庫内の人や物、設備を総合的に管理します。

WCS(ダブリューシーエス):Warehouse Control System/倉庫制御システム

WCSとは、倉庫内にある機器や設備の制御を行うシステムです。コンベアや自動搬送機器、ソーターやロボットアームなど、各種マテハン機器やIoT機器をリアルタイムに統合制御することができます。

TMS(ティーエムエス):Transport Management System/輸配送管理システム

TMSとは、商材が物流センターから出荷された後、届け先までの輸配送をトータルに管理するシステムです。主に配車計画、運行管理、貨物追跡(動態管理)などの機能によって構成されています。

OMS(オーエムエス):Order Management System/受注管理システム

OMSとは、複数ECサイトの情報を一括で管理するシステムです。各ECサイトからの注文情報を一括管理できるほか、メールの一括送信の機能もついているものがほとんどです。 システムによっては、在庫を一元化するための在庫管理機能、商品ページを一括編集できる商品ページ管理機能がついているものがあります。

OMSの主な機能

  • 受注情報一括管理/同梱処理
  • 在庫情報一括管理
  • 商品ページ一括管理
  • メール一括送信
  • 顧客管理

ERP(イーアールピー):Enterprise Resources Planning/企業資源計画

ERPとは、企業活動で必要な経営資源や情報を一元的に管理し、限られた資源を効率的に活用しようという考え方のことを意味します。一般的には、この考え方を実現し情報をまとめて管理できるシステムのことを指すことも多くあります。経理部などバックオフィス部門で取り扱う情報だけではなく、営業部など社内の各部門で取り扱う情報全体をまとめて管理することで、経営の全体情報の把握がしやすくなる、情報の入力・更新を1回で済ませることができます。

物流倉庫内で使用されるWMS(倉庫管理システム)は物の流れを管理することに特化しているシステムですが、WMSで管理している在庫数や入出荷数などのデータをERPに連携することで、在庫の実数や数の増減を資産として把握できるようになります。 また、ERPからWMSへ商材の発注データを連携することで、物流倉庫側で出荷の手配ができるなどのメリットがあります。

全ての業務をカバーする前提で構成されている「統合型ERP」と、必要な機能ごとに組み合わせて構成できる「コンポーネント型ERP」に分けられます。

ERPの主な機能

  • 人事・給与管理
  • 販売管理
  • 生産管理
  • 購買管理
  • 会計管理
  • 営業管理
  • 倉庫・在庫管理
  • プロジェクト管理

ASP(エーエスピー):Application Service Provider

ASPとは、アプリケーションソフトをインターネット経由で提供するサービスの提供者を指します。ECサイトの運営に利用されるカートシステムや受注管理システムは、大きく「ASP型」と「オンプレミス型」の2つに分けられます。
ASP型のカートシステムは、インターネットのブラウザからログインすることができます。カスタマイズ性や拡張性が低いものの、ECサイト構築における最低限の機能が揃っているため、スピーディーかつ手軽にECサイトの運営を開始することができます。
ASPと並行してよく耳にする言葉として「SaaS(Software as a Service)」があります。SaaSとは、「サービスとしてのソフトウェア」と訳され、一般的にASPと同意義で使われます。

ASP・SaaSについては、こちらのコラムがおすすめです。

いまさら聞けない!「クラウドサービス」のメリット
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RFP(アールエフピー):Request for Proposal/提案依頼書

RFPとは、発注を行う企業が外部企業へシステムの構築やリプレイスを依頼する際に、実現したい業務や必要な要件などを示す書類を指します。システムベンダーやSIerは、発注を行う企業が用意したRFPをもとに提案を行います。
発注側とシステム提供側が、あるべき姿や求めるシステム要件を正確に共有しあえる点が、RFPを使用するメリットです。


データ、データ連携に関する物流用語

CSV(シーエスブイ):Comma Separated Value

CSVとは、「Comma=カンマ」で 「Separated =区切った」「Value=値」の略で、「カンマで値を区切った値」が入っているファイルを指します。ファイルの拡張子は 「.csv」です。ECサイトの運営においては、商品登録や在庫情報といったデータの一括更新や、売上情報や顧客情報のダウンロードなど、様々なシーンで利用されています。

API(エーピーアイ):Application Programming Interface

APIとは、ソフトウェアを一部公開して、その他のソフトウェアと機能を共有・連携できるようにしたものを指します。ECサイトの運営で最も身近なのは、カートシステムとECサイト一元管理システム(受注管理システム)との連携ですが、さらにその先にある物流を管理するWMS(倉庫管理システム)とのデータ連携にも使用されています。CSVファイルでの連携の場合は、受注データなどを手動で取り込む必要がありますが、APIの場合は自動でデータが連携されるため、予め設定した時間で自動的にデータを反映することができます。

EDI (イーディーアイ):Electronic Data Interchange/電子データ交換

EDIとは、BtoBの取引において発生する「発注→受注」「出荷→納品」「請求→支払」などのやりとりを、専用回線やインターネットを用いて処理ができるシステムのことを指します。システム化することで正確なデータ管理や業務効率化につながり、電話やFAXで行う際にかかる手間やコスト削減に繋がります。

ASN(エーエスエヌ):Advanced Shipping Notice/事前出荷情報

ASNとは、EDIを介して商品を発送する前に出荷情報を転送する仕組みを指します。納入業者から物流倉庫への入庫のタイミングでは、物流倉庫へ事前に情報が通知されることで、スタッフの手配やトラック台数の確定などの事前準備が可能となり、荷受け場での作業がスムーズになります。また、商品到着前に入庫情報を把握することで、入庫予定の商品を出荷可能な在庫として引き当てを行うことも可能です。

ASNで転送される情報

入庫予定日、発注番号、商品コード、入庫数量、ロット番号、賞味期限 など

OCR(オーシーアール):Optical Character Recognition(Reader)/光学的文字認識

OCRとは、印刷された文字や手書きの文字をスキャナやカメラなどで読み取ることで、デジタルの文字コードに変換する技術を指します。物流倉庫内では、配達伝票や荷札などの読み取りなどで活用されているほか、目視で確認していたロット番号や製造年月日などの情報をOCR技術で読み取ることで、商品の誤出荷を防止しています。

バーコードの読み取り・OCRでの読み取り


マテハン機器、物流ロボットに関する物流用語

DAS(ディーエーエス/ダス):Digital Assort System/デジタルアソートシステム

DASとは、仕分け(アソート)を行いたい商材をハンディターミナルなどでシステムに認識させて、仕分け先ごとに設置したデジタル表示器に指示数(商品投入数)が反映される仕組みを指します。仕分け先の箱ごとに表示された個数の商材を投入した後、箱に付いているボタンを押すまでが1作業となります。仕分け作業の生産性の向上を図れること、ミスを減らせることが、DASを使用するメリットです。

DPS(ディーピーエス):Digital Picking System/デジタルピッキングシステム

DPSとは、出荷のために棚から商材を取り出すピッキング作業において、ロケーションごとに設置したデジタル表示器が点滅するなどして、ピッキングをしたい商品とその数量をスタッフに知らせる仕組みを指します。従来の紙のピッキングリストを使用する場合と比較して、ペーパーレス化、生産性の向上、ミスの低減、といったメリットがあります。

AGV(エージーブイ):Automated guided vehicle/無人搬送ロボット

AGVとは、床に配置したQRコードや磁気テープなどのガイドラインを読み取り走行する無人搬送ロボットです。「荷物を持って歩く」という、人手による作業の中でも負担の大きい部分を代替できるマテハン機器として、以前から使用されてきました。
本体に荷物を載せるタイプのほか、カゴ車、パレットなどを牽引するタイプ、下から荷物を持ち上げるタイプなど、様々な形状のAGVがあります。

AMR(エーエムアール):Autonomous Mobile Robot/自律走行ロボット

AMRとは、レーザーや画像認識などにより周囲の物や人物を検知、目的の場所まで自律移動し、物を搬送する次世代型のロボットです。人が棚からピッキングした商品を受け取り検品場まで運ぶ協働型のタイプや、仕分けを行いながら目的地まで搬送するタイプなど、様々な形状のAMRがあります。

GTP(ジーティーピー):Goods to person

GTPとは、商品の保管エリアから、作業員が常駐しているエリア(ワーキングステーション)まで、商品の入っている棚ごと運ぶことを指します。また、このような動作を行うロボットは「GTP(棚搬送)型ロボット」と呼ばれています。
ステーション内にいる作業員が運ばれてきた棚から商品をピッキングすると、再度ロボットが棚を運び、元の棚の位置まで戻します。作業員は運ばれてきた棚から直接商品をピッキングできるため、「商品棚を探して歩き、商品を持って帰ってくる」必要がなく、効率的にピッキングの作業を進めることができます。

AGVとAMR、GTPの違いは?

AGVとAMRはロボットの走行方式、GTPはロボットの用途を表している用語という違いがあり、それぞれの意味を切り分けて理解する必要があります。
AGVは磁気テープやQRコードといった外部からの指示・ガイドを頼りに走行する方式、AMRはガイドなしで自律移動できる方式、という違いがあります。 一方、GTPは作業員の常駐するエリアまで棚ごと商品を搬送することを指します。そのため、ガイドを必要とする棚搬送型ロボットは「棚搬送(GTP)型AGV」、ガイド不要で自律移動できる棚搬送型ロボットは「棚搬送(GTP)型AMR」と呼ばれます。
AGV、AMRの記載だけでは、どのような用途で使用されるロボットなのかが分かりません。そこで、「棚搬送(GTP)型AGV」、「自律協働型AMR」のように「〇〇型」といった説明を付け加えることで、ロボットの種類や用途が把握しやすくなります。

AGV・AMR

物流ロボットについては、こちらのコラムがおすすめです。

物流ロボットとは?特徴的な機能と種類を解説
https://www.logizard-zero.com/columns/robotics01.html


その他の用語

OCE・ロジザードOCE(ロジザードオーシーイー)

ロジザードOCEとは、クラウドWMS(倉庫管理システム)「ロジザードZERO」 、クラウド店舗管理システム「ロジザードZERO-STORE」 と標準連携したオムニチャネル支援ツールです。WMSや店舗管理システムを導入し、在庫のフォロー(配送)体制が整い、在庫の見える化をしてオムニチャネルの準備ができた方、オムニチャネルを実現して在庫連携の自動化を目指す企業様に向けたサービスです。

「ロジザードOCE」 詳しくはこちら

https://www.logizard-zero.com/oce/

ロジザードが発行している、エンターテイメント物流マガジン「ほ~ぼ月刊ロジザード」22号に掲載した、「物流現場で知っておきたい用語リスト アルファベット3文字編」では、用語の中に「物流と関係のない用語」「Excelの関数」が含まれているとご案内していました。最後に、それぞれの用語について解説します!

SUM(サム):Excelの関数です!

SUMとは、表計算ソフトExcel(エクセル)の基本的な関数の1つで、数値の合計を求める関数です。数値や、数値が入力されているセル範囲を指定することで、合計値を求めます。

エクセルでの在庫管理については、こちらのコラムがおすすめです。

まだエクセルで在庫管理?エクセル在庫管理の問題点
https://www.logizard-zero.com/columns/excel.html

TPO(ティーピーオー):Time Place Occasion/時間、場所、場面 物流と関係のない用語です!

TPOとは、時と場所、場合に合わせて行動や言動をわきまえることの意味を指します。物流業界に限らず、ビジネスマンとして身に着けておきたい概念です。


まとめ

アルファベット3文字の用語は種類も多く、なかなか覚えられない、難しいと感じるかもしれません。「この用語の意味は何だっけ?」と思った時はぜひ当コラムを思い出してください!
「この言葉の意味も書いておいて!」というものがありましたら、お気軽にご連絡ください。

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