COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

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最終更新日:2024/01/04 EC・通販事業者専門用語

EC用語21選 2024年最新版|物流担当者のための基礎知識

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物流業界では様々な専門用語が飛び交います。中でもECに関連する用語は、ECサイト・ECモールの種類からシステムに関する用語まで数多く、物流業界に新しく入社された方にとっては、何を指す言葉なのかピンとこないこともあるのではないでしょうか。また、ECの需要が高まる中、今までBtoB案件を主に取り扱ってきた3PL事業者様も、これからはEC案件を獲得するにあたり、EC事業者様と打ち合わせを行うことが増えてくるかもしれません。現場での作業やEC事業者様との打ち合わせの際に「何のことを言っているかわからない・・・」という状況は避けたいものです。
そこで今回のコラムでは、物流担当者が知っておきたいEC用語21選をご紹介します。

基本用語・ECサイトの種類

EC(eコマース)

EC(electronic commerce)とは、「electronic=電子」「commerce=コマース」の略で、インターネット上でモノやサービスを売買することを指します。日本語では「電子商取引」と訳され、「EC(イーシー)」または「e(イー)コマース」と呼ばれています。また、インターネット上で商品を販売するWebサイトのことを「ECサイト」と呼びます。ECは一般的に「BtoC」の取引を指しますが、実際には「BtoC」だけでなく、大きく下記の3つの形態があります。

  • BtoB:企業同士の取引
  • BtoC:ネットショップなどの企業と消費者間の取引
  • CtoC:オンラインオークションやフリマなど消費者同士の取引

テナント型ECサイト

テナント型ECサイトとは、無数のECサイトが出店するモール型のECサイトの形態を指します。インターネット上にあるショッピングモールのようなイメージで、代表的なテナント型ECサイトとしては、楽天市場やYahoo!ショッピングが挙げられます。商業施設などの一区画を借りる「テナント」と同じように、テナント料に相当する「出店料」を払って出店します。店舗ごとに特徴を出すことができるため、ブランドを売りにしたリピート率の向上が期待できます。モール運営側はあくまで「販売する場所」を提供するだけのため、商品登録、受注管理、売上集計などの管理業務は出店側が行う必要があります。

マーケットプレイス型ECサイト

マーケットプレイス型ECサイトとは、商品を販売する企業が、商品のデータのみを掲載するモール型ECサイトの形態を指します。テナント型が「出店」という形を取るのに対し、マーケットプレイス型は「出品」となるので、店舗という概念が薄いことが特徴の1つです。代表的なマーケットプレイス型ECサイトとしては、Amazonが挙げられます。サイトのデザインなどの変更ができず、商品ページも自由度が低いため店舗ごとの特徴は出しづらいですが、商品を出品するだけでEC事業をスタートすることができます。

単品通販(リピート通販)

通販の形態には大きく分けて「単品通販」と「総合通販」の2つがあり、単品通販とは、特定の商品やカテゴリーだけを扱う通販形態を指します。代表的な商材としては、化粧品や健康食品が挙げられます。リピート購入を増やすことを重視していることから、「リピート通販」や「単品リピート通販」とも呼ばれています。

総合通販

総合通販とは、多くのジャンルの商品を取り扱い、商品をお客様が探して購入する通販形態を指します。幅広い層のお客様の目に留まりますが、商品が他のショップと重複するため価格競争が激しくなります。また、取り扱う商品の種類が多いため、単品通販に比べて商品の登録作業や在庫管理の負荷が大きくなります。その代わりに、商品数を増やすことで、その分商品を探しているお客様を多く取り込むことができるため、商品数をどんどん増やすことがポイントとなります。例えば、ファンデーションだけ売っている場合とアイシャドーも売っている場合だと、単純に考えて後者の方がお客様の目に留まる数が倍になり、更にこの2つの商品は親和性が高いためクロスセルも期待できます。
※クロスセル:商品の購入を検討しているお客様に、別の商品などを併せて購入していただくこと

ECモール

ECサイトは、大きく分けて「自社ECサイト」と「モール型ECサイト」の2つがあります。自社ECサイトは、独立したオリジナルの店舗を指します。一方、モール型ECサイトは「ECモール」とも呼ばれ、1つのECサイトに複数のショップが出店している形態のサイトを指します。代表的なサイトとしては、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが挙げられます。
ECモールのメリットは、モール自体に集客力があるため、自社ECサイトに比べて集客にかかる負担が少ない点や、ショップ自体の知名度が低くてもモールの知名度が高ければお客様が信頼して購入できるという点が挙げられます。デメリットとしては、出店料や手数料がかかる点や、類似商品を取り扱うECモールでは価格競争が起きやすい点が挙げられます。

越境EC

越境ECとは、国境を越えて行われるECの取引を指し、海外の消費者に向けて国内の商品を販売することを目的としています。日本では、訪日中国人客による爆買い現象がきっかけとなり、帰国後もECサイトを通じて日本の商品を購入する方が増えたことから注目を集めるようになりました。


EC運営において使用されるシステム関連用語

ショッピングカート(カートシステム)

ショッピングカートとは、インターネット上で商品を販売するためのシステムです。ECサイトを構築する際に使用され、「カートシステム」や「ECカート」とも呼ばれています。基本的なカート機能は、「商品を選んでカートに入れる」「カートに入れた商品の購入手続きをする」の2つです。他にも、顧客管理、商品管理、クーポン発行やポイント管理など多くの機能が搭載され、カートシステムがあればECサイトを始めることができます。

ECサイト一元管理システム(受注管理システム)

ECサイト一元管理システムとは、複数サイトでの受注を一元管理するシステムで、「受注管理システム」とも呼ばれます。ECサイト一元管理システムを導入することで、複数のECサイトの受注業務である注文受付、受注管理、出荷管理における一連の管理業務を自動で一元化できるため、それぞれのサイトへログインする必要がなくなります。また、工数や人件費、人的ミスを削減でき、在庫をリアルタイムに引当できるので、リードタイムの短縮にも繋がります。

ASP(エー・エス・ピー)

ECサイトの運営に利用されるカートシステムや受注管理システムは、大きく「ASP型」と「オンプレミス型」の2つに分けられます。ASP(Application Service Provider)とは、アプリケーションソフトをインターネット経由で提供するサービスの提供者を指します。ASP型のカートシステムは、インターネットのブラウザからログインすることができます。カスタマイズ性や拡張性が低いものの、ECサイト構築における最低限の機能が揃っているため、スピーディーかつ手軽にECサイトの運営を開始することができます。
ASPと並行してよく耳にする言葉として「SaaS(Software as a Service)」があります。SaaSとは、「サービスとしてのソフトウェア」と訳され、一般的にASPと同意義で使われます。

ASP・SaaSについては、こちらのコラムがおすすめです。

物流業界・WMSにも活用される「クラウドサービス」とは?特徴・メリットを解説
https://www.logizard-zero.com/columns/cloud.html

一方、オンプレミス型のシステムは、自社でシステムを保有して、自社で物理サーバを持って運用します。システムとしての自由度が高い分初期費用が高く、構築までに時間がかかります。

CSV(シー・エス・ブイ)

CSV(Comma Separated Value)とは、「Comma=カンマ」で 「Separated =区切った」「Value=値」の略で、「カンマで値を区切った値」が入っているファイルを指します。ファイルの拡張子は 「.csv」です。ECサイトの運営においては、商品登録や在庫情報といったデータの一括更新や、売上情報や顧客情報のダウンロードなど、様々なシーンで利用されています。

API(エー・ピー・アイ)

API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアを一部公開して、他のソフトウェアと機能を共有・連携できるようにしたものです。ECサイトの運営においては、カートシステムとWMS(倉庫管理システム)やECサイト一元管理システム(受注管理システム)のデータを連携する際に使用されます。CSVファイルでの連携の場合は、受注データなどを手動でWMSなどにインポートするのに対し、APIの場合は自動でデータが連携されるため、予め設定した時間で自動的にデータを反映することができます。

オープンソース

オープンソース(open source)とは、「open=公開」「source=ソースコード」を指し、ソースコードが公開されていて無償で利用できるソフトウェアのことです。例えば、オープンソース型のカートシステムの場合、ソースコードが無償で提供されているため、社内に技術チームがいれば費用を抑えて導入することができます。また、修正や開発が必要な際も、柔軟に対応できます。一方、ベンダーからのサポートがないため、セキュリティ対策からデータ管理まで自社で行う必要があります。


ECと実店舗の連携や運用に関する用語

O2O(オー・ツー・オー)

O2O(Online to Offline)とは、オンラインからオフラインでの購買活動へ顧客を誘導する施策のことです。例えば、店頭で使える割引クーポンをオンライン(ホームページやSNS、アプリなど)で提供、スマートフォンのGPS機能を利用して店舗の近くに来た人にクーポンを配布し来店を促す、といった方法があります。

OMO(オー・エム・オー)

OMO(Online Merges with Offline)とは、「オンラインとオフラインの融合」を指します。O2Oはオンラインとオフラインを分けて考えた上で顧客の購買行動を促す施策であることに対し、OMOはデジタルデータを起点にしてオンラインとオフラインを融合する施策です。オンラインとオフラインの垣根を超えて顧客体験を最大化することで、購買意欲を促進させます。

ユニファイドコマース

ユニファイドコマースとは、「Unified=統合された」「Commerce=商取引」を指し、顧客の閲覧履歴や購入履歴などの情報をデータ化して活用した上で、お客様一人一人に対して情報提供やおすすめの商品を提案することです。
例えば、過去の購入時期や商品をデータ化していると、店舗に来店したお客様に対して、「残りが少なくなっていませんか?」とご案内し、それと一緒に使えるような商品を提案できます。このように、ユニファイドコマースを行うと、個人個人に合ったマーケティングを行うことができます。


ECの運営における業務に関する用語

ささげ

ささげとは、「撮影(さつえい)」「採寸(さいすん)」「原稿(げんこう)作成」の頭文字をとった用語です。ECサイトで商品を販売する際に必要な業務である、商品の写真を撮る、商品のサイズを測る、商品の原稿を作成する、の3つの業務を指します。お客様に商品の具体的なイメージを持ってもらうことが目的で、最近では倉庫内で写真撮影と採寸を行う3PL事業者様も増えてきています。

フルフィルメント

フルフィルメントとは、ECで商品が注文されてからお客様に届くまでに必要な業務全般を指します。EC事業者様は、フルフィルメント業務をアウトソーシング(外部委託)することで、商品企画などのコア業務に注力できます。

フルフィルメントの主な業務

  • 受注まで:ささげ業務、顧客データ管理・分析など
  • 受注から発送:受注、梱包、在庫管理、発送、受け渡し、代金回収など
  • お客様の手元に商品が届いた後:苦情処理・問い合わせ対応、返品・交換対応など

その他のECに関する用語

EC化率

EC化率とは、すべての商取引(店頭、EC、電話、FAXなど、対面販売等も含めたすべての商取引)に対してECが占める割合のことを指し、どれだけECが利用されているかを表す指標となります。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響でEC化率が高まっており、物流面でもBtoCの物量が増えるため、3PL事業者様もEC物流への対応を求められることが多くなります。

ECC(イー・シー・シー)

ECCとは、ECコンサルタントの略です。楽天市場では、楽天社員のECCが各店舗にパートナーとして付き、メールや電話で店舗運営のサポートを行っています。

ロジザード・マッチン

ロジザード株式会社が提供する、完全無料の物流倉庫紹介サービスです。物流業務の委託先倉庫をお探しのEC事業者様やメーカー様に、最短1週間で平均3~4社の3PL事業者様をご紹介します。これまで約300社様のメーカー様・EC事業者様へご紹介の実績があり、ロジザードサービスユーザーの3PL事業者様からは、「荷主獲得支援サービス」としてご好評いただいております。


まとめ

新しく物流業界に就職された方、これからEC物流を始める3PL事業者様にとって、馴染みのない言葉が多いかもしれませんが、知っておくとEC事業者様との会話の際に役立つかもしれません。用語の意味を確認する際は、ぜひ当コラムを参考にしてみてください。

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