COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

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最終更新日:2024/02/14 EC・通販事業者システム在庫管理

基幹システムとは?導入のメリット、種類を分かりやすく解説 2024年最新版

基幹システム・ERPとは?

業務や拠点毎に分かれたデータを統合し、会社全体の在庫数や売上を把握したい、と考える時に名前が挙がるのが「基幹システム(基幹系システム)」や「ERP」と呼ばれるシステムです。しかし、それぞれのシステムの違いを理解し、具体的にどのような機能を備えているのかを把握されている方は少ないのではないでしょうか。そのため、自社に合うシステムを選ぶのは難しい、と導入を敬遠しがちになるのもこれらのシステムだと思います。
こちらのコラムでは、基幹システムとERPの違いや導入のメリット、選定方法について解説、一部基幹システム・ERPを特徴別にご紹介します。

基幹システムとは

基幹システム

基幹システムとは、ヒト・モノ・カネや情報を管理する、各種業務の根幹を支えるシステムで、特に停止すると企業活動そのものに支障が出る情報・業務を扱うシステムを指します。

財務会計、生産管理、販売管理、購買管理、在庫管理、勤怠管理、人事給与など、扱う業務ごとにシステムが独立しているタイプと、これらのうち複数の機能が組み合わされたタイプがあります。用途によって部署や部門で別個に基幹システムを持つ場合、部門間でシステムを通した業務指示やデータのやり取りをする際は、各システム同士の連携が必要になります。

基幹システムの例

販売管理システム

企業が注文を受けてから納品をするまで、一連の販売業務を管理するためのシステムです。

生産管理システム

主に製造業において、計画・生産・販売・在庫・品質・原価計算などを統合的に管理するシステムです。

在庫管理システム

適正な在庫量を維持することを目的に、製品の在庫情報や入出庫情報を管理できるシステムです。
類似するシステムに倉庫管理システム(WMS)がありますが、こちらは入出荷業務や棚卸業務などを含め、倉庫管理業務の効率化が目的のシステムです。

倉庫管理システム(WMS)については、こちらのコラムがおすすめです。

物流管理をスムーズにするWMSとは?導入のメリットとポイント
https://www.logizard-zero.com/columns/wms-20190408.html


ERPとは

ERP

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、基幹システムに分類される各種システムの機能を統合したシステムを指します。各機能間の情報を1つのシステム内で繋げることで、特に経営に関わる実績・情報を可視化して分析が容易になることがメリットです。


基幹システムとERPの違い

基幹システムは、業務ごとにシステムが独立している場合が多いため、データのやり取りはシステム同士の連携が必要です。しかし、システム導入のニーズがある部門・業務単位で必要なものを選択・準備を進められるため、比較的クイックに導入を進めることが可能な点がメリットです。
対してERPは、1つのシステム内でデータを一元管理するため、システム間の連携等の手間がなく情報共有がより簡単に、効率的にデータの管理を行うことができます。しかし、関連する部門や業務範囲が多岐にわたることから、導入準備が長期化しやすい他、開発をするとなった場合の影響範囲が広くなるため、工数やコストを要します。

ただし、昨今では基幹システムの場合も複数の業務を管理する機能を持ち、ERPのように情報を一元管理できるものもあります。機能の充実している基幹システムも増えており、基幹システムとERPの境界は曖昧になりつつあると言えるでしょう。
また、基幹システムとERPを一括りにして呼ぶことも少なくありません。システムを選ぶ際は、必要な機能が入っているか、システム連携が必要か、といった選定ポイントを用意しておくと良さそうです。

類似システム(情報系システム・業務管理システム)

基幹システム・ERPと混同されやすいシステムに、「情報系システム」「業務管理システム」があります。情報系システム・業務管理システムは、社内外の情報共有やコミュニケーションの円滑化、事務処理の効率化、意思決定促進などに利用される、業務を効率的に行うためのシステムです。そのため、仮にシステムが停止した場合でも、業務を続けられる点が基幹システム・ERPとの違いです。
メールソフトやチャットツール、社内用のSNSなどのコミュニケーションツール、グループウェア、スケジュール管理ツール、顧客管理システム(CRM)、営業支援システム(SFA)、などが情報系システム・業務管理システムに分類されます。


基幹システム・ERP導入のメリット

基幹システム・ERPを導入するメリットは主に、業務の効率化と標準化、経営状況の可視化です。

仕事の効率化、標準化

例えばアナログ管理やエクセル・スプレッドシートを使用した管理の場合、同じ情報を複数のファイルやシートに入力する必要がある、ファイルが分かれる、管理するファイルによってフォーマットが違うといったことが少なくありません。入力の手間がかかるだけではなく、操作を覚えるのに時間がかかる、入力忘れやミスなどが懸念されます。

エクセル・スプレッドシートでの業務管理については、こちらのコラムがおすすめです。

エクセル・スプレッドシートで在庫管理をするメリット・デメリットは?
https://www.logizard-zero.com/columns/excel.html#2

一方、基幹システム・ERPは、入力した情報をシステム間で引き継ぎ・共有できるため、入力の手間が大幅に改善されます。また、システム内で入力するためのフォーマットや業務フローが統一されているため、システムで定められている手順で業務を進めることにより、業務標準化に繋がり、新人スタッフとベテランスタッフの業務の質が平準化されるメリットもあります。

経営状況の可視化

在庫や購買、販売、生産などの正確なデータを確認したいタイミングで閲覧し、業務の状況や問題点がないかなどの情報を迅速にキャッチし、迅速に意思決定を行うことが可能です。また、アナログデータを都度手集計する場合と異なり情報の参照方法や集計方法が一貫しているため、中長期計画、短期計画など、立てるタイミングの異なる計画や目標に一貫性を持たせやすいというメリットもあります。
さらに、ERPによるシステム内でのデータ一元管理、または複数の基幹システム間でのデータ連携を行うことで、各部門の業務データをまとめて確認することができるようになります。横串の情報が見たいときにいつでも確認できる体制が、経営状況の可視化、ひいては速やかな経営判断に繋がります。


自社業務に合う基幹システム・ERPの選定

基幹システム・ERPには、販売管理など企業でよく使用される標準的な機能が一通り備わっているもの、製造業など特定の業種や運用に特化したものなどさまざまな種類があります。そのため、自社に合う機能が搭載されているシステムを選定することが重要です。

選定のポイント例

  • 事業規模:中小企業向け、大企業向け
  • 取扱商材:アパレル向け、食品向け、医療現場向け、部品(ねじ等)向け
  • 必要な管理:在庫管理、製造工程管理
  • その他:海外対応や外貨対応等、特殊な管理

基幹システム・ERPの例

基幹・ERPシステムといえば、SAP(サップ、エスエーピー)を聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。SAPとは、ドイツに本社を置く世界有数のソフトウェア企業であり、また、同社が提供する統合基幹業務システムはSAPと呼ばれています。SAPは、さまざまな管理機能がそろっており、さらに海外に複数の拠点を持つ企業に多く採用されております。導入の際に各国の商習慣や会計ルールに合わせて開発が必要な場合もあり、比較的コストが高くなる傾向があります。日本国内のみでの利用となると、機能が多すぎるかもしれません。
では、国内のみで基幹システムやERPを導入するときはどのようなシステムがあるでしょうか。基幹システム・ERPには、オンプレミス・クラウド以外にも、業種に合わせてさまざまな種類があります。こちらでは国内メーカーの基幹システム・ERPを特徴別にご紹介します。

キャムマックス(株式会社キャム):オールラウンド

中小企業向けのクラウドERPです。受注から財務会計まで、バックオフィスをフルカバーしており、ECも卸も店舗もまとめて管理したいという事業者様におすすめです。
https://www.cammacs.jp/

アラジンオフィス(株式会社アイル):業界特化型

導入社数5,000社超の実績がある、在庫・販売・生産管理システムです。標準的な販売管理・在庫管理パッケージのほか、ファッション、食品、化粧品、理美容品、医療、鉄鋼・非鉄金属、ねじ等の部品など、業界ごとに特化したイージーオーダーパッケージを提供しています。
https://aladdin-office.com/package/

One'sCloset(株式会社フレイトリンクスジャパン):アパレル

アパレル業界向けの販売管理システムです。一般的な受発注管理機能のほか、色サイズ単位での商品管理機能、カタログ印刷や展示会管理、店舗間移動管理など、アパレル事業者向けの機能がパッケージ化されています。
https://ones-closet.com/

ApaRevo(株式会社大塚商会):アパレル・ライフスタイル

アパレル・ライフスタイル業界向けの販売・生産管理システムです。40年近くの歴史を持つ基幹業務システム「SMILE 販売管理」をベースに、アパレル・ライフスタイル業界向けの販売管理システムとして開発されました。
https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/product/aparevo/

Othello Connect(CMA株式会社):生産管理

中小企業向けの生産管理システムです。受注管理・出荷管理の標準機能のほか、業務にあわせて必要な機能だけを選択して追加可能です。
https://othello-w.net/

multibook(株式会社マルチブック):海外対応

海外拠点管理に特化した、クラウド型ERPです。多言語に対応、世界各国全ての通貨に対応しているほか、各国のローカル要件にも対応しています。製造・商社・飲食・建設など業種問わず、上場企業を中心に、非上場企業まで企業規模問わず利用されています。
https://www.multibook.jp/

multibookの特長については、こちらのコラムがおすすめです。

取材:海外進出企業の強力な味方! クラウド型ERP『multibook(マルチブック)』とは?
https://www.logizard-zero.com/columns/multibook01.html


まとめ

ご紹介した基幹システム・ERPの他にも、事業の規模や管理が必要な業務によって、さまざまなシステムが存在します。基幹システム・ERPの導入を検討しており、選定についてどこから確認・検討すればよいのかお困りの方は、ぜひ完全無料のご相談窓口『在庫管理ミライ相談所』へお問い合わせください。

在庫管理ミライ相談所 お問い合わせ
https://www.logizard-zero.com/matching/advice.html

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