COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
近年、夏場の気温上昇により、倉庫や物流現場における熱中症リスクが深刻化しています。
こうした中、厚生労働省は2025年4月1日付で、令和7年度の熱中症対策に関する通知を発出しました。
WBGT値28℃以上または気温31℃以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて作業が行われる場合、事業者に対して具体的な対策が義務付けられています。
WBGT値とは?
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature/暑さ指数)は「気温・湿度・輻射熱」を総合した熱中症リスクの指標です。値が高いほど危険性が増し、28℃を超えると要注意水準とされます。
とはいえ、現場の声を聞くと――
「空調の導入には高額な工事が必要」
「倉庫の天井が高くて冷房が効きづらい」
「費用対効果が見えず動けない」
こうした理由から、"何もできていない"という倉庫現場も少なくありません。
かつて「空調=大がかりなダクト工事」と思われていた時代は終わりました。
いまや、電源をつないだその日から使える工事不要の冷却機器が数多く登場し、倉庫や物流現場でも導入ハードルが大幅に下がっています。特にスポットクーラーや気化式冷風機は、本格的な空調設備と比べると導入コストが1/5〜1/10程度に抑えられるケースもあり、試験導入から始めやすいのが魅力です。
具体的には――
こうした特長により、「空調なしの倉庫」でも現場の規模や作業スタイルに合わせた柔軟な熱中症対策が実現できます。
倉庫や物流現場では、作業エリアの広さ・天井高・電源容量など条件が千差万別です。
そこで今回は、導入のしやすさと冷却ニーズを両立できる7タイプをピックアップしました。目的に合わせて比較検討してみてください。
タワー形状の筐体から前後左右の4方向へ大風量を送風し、半径約3 mまで体感温度を下げる屋外専用タイプ。
室外機一体構造で冷媒配管工事が不要(電源とドレン処理のみ)。屋外の待機列やトラックバースなど「屋根はあるが空調が効かない」場所に最適。
防水等級IPX4相当で小雨下の使用にも耐え、景観になじむスタイリッシュデザイン。
単相100 Vで稼働し、消費電力約0.25 kWクラスの省エネ設計。水の気化熱を利用するため排熱が出ず、屋内でも使いやすい。
キャスター付きで移動が簡単。タンク満水で8時間以上連続運転でき、ピッキング台や梱包台など比較的狭い作業範囲をカバー。
風量約1.5万 m³/hクラスで、幅3 m程度の通路や作業ライン全体に"うるおい冷風"を届けるサイズ。
大容量タンク(100 L級)と自動給水機能により長時間連続運転が可能。メンテナンスはフィルター洗浄だけで工具不要。
風量2万 m³/h超のハイパワーで倉庫全体を冷却。排熱ゼロなので屋内に熱だまりをつくらず、省エネ性にも優れる。
本体は重量級だが大型キャスター+ストッパー付きで安全に移動可能。加湿効果で粉じんの舞い上がりも抑制し、作業環境を総合的に改善できる。
吹出口風速約90 m³/min、最長50 m先まで冷風を直送できるピンポイント冷却タイプ。
ノズルの向きを自由に変えられるため高温の熱源付近や高天井エリアの作業員に直接冷風を当てられる。排気ダクトを屋外へ逃がして室温上昇を抑制。
冷房約7 kW/暖房約8 kW相当の高出力で、三相200 V電源ながら配管工事なしで導入できる。
吹出ダクトを最長20 m程度延長できるため、通路をまたいで遠隔地を冷却することも可能。レイアウト変更が多い仮設倉庫やイベント現場で重宝。
幅40 cm×奥行43 cm×高さ85 cm前後のコンパクト筐体で100 V電源に対応。必要な期間だけレンタルでき初期投資を抑えられる。
防じんモーターとカバー採用で粉じん環境に強く、キャスターはウレタン製で油分の多い床でもスムーズに移動。4段階風量切替やドレンレス構造で操作も簡単。
上記はいずれも工事不要・電源接続のみで稼働し、もちろん購入もできますがレンタルやリースもあり、お試しが可能です。
作業エリアの特性や作業時間帯に合わせて組み合わせれば、空調設備がない倉庫でも段階的かつ効果的に熱中症対策を進められます。
倉庫や物流現場は設備レイアウト・作業内容が多種多様です。「どこで」「いつ」「どのタイプ」を使うかを組み合わせることで、冷却効果と作業効率を同時に高められます。
さらに、作業シフトを早朝・夜間へずらし、最も暑い時間帯は工程を分散することで、スポット冷却と組み合わせた総合的な熱中症対策が実現できます。
屋内で使用する場合は「排熱の有無」「風量と騒音」「電源容量」を確認し、複数機種を組み合わせて"風の質"や"空間の特性"に合わせるのがポイントです。こうした工夫により、空調設備がない倉庫でも安全・快適な作業環境を整えられます。
導入コストや手軽さばかりに目が向きがちですが、現場に長く安全に使えるかという視点も欠かせません。
とくに以下の項目は、事前チェックと社内ルール化を推奨します。
これらを踏まえ、設置前に必ず現場調査を行い、専門業者と仕様を擦り合わせることで、導入後のトラブルや追加コストを未然に防ぐことができます。
「うちの倉庫には空調なんて無理」と諦めていた方も、工事不要で導入できる冷却機器なら今すぐにでも熱中症対策を始められます。スポットクーラーや気化式冷風機は、移動やレンタルにも対応しており、初期投資を抑えつつ柔軟に試せるのが大きな魅力です。
倉庫のレイアウトや作業内容は千差万別ですが、風量・設置スペース・電源容量といった条件を整理すれば、必ず「その現場にぴったりの一台」が見つかります。作業員の安全を守ることは、生産性と品質を守ることにも直結します。
「どの機種が最適かわからない」「設置や電源が心配」という場合でもご安心ください。
導入に関するご相談や最適な製品選びのサポートも可能です。
まずはお気軽にご相談ください。
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ロジザードコラム編集チーム
クラウド在庫管理システムを中心に、小売業や流通業の物流・在庫管理に関する情報をわかりやすくお届けする編集チームです。導入事例、コラム、ホワイトペーパーなどのコンテンツを通じて、物流現場の課題解決や業務改善のヒントを発信しています。現場視点を大切に、皆さまのお役に立てる記事づくりを心がけています。