COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2023/01/18 EC・通販事業者オムニチャネルシステム在庫管理小売業(リアル店舗)運輸業・倉庫業(3PL事業者)

オムニチャネルに必要な3軸とは?客注対応を在庫管理のレベル別にご紹介

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オムニチャネルが実現すると、お客様は実店舗やECサイトといった販売チャネルを問わず、どこでも好きなタイミングで商品の情報を得て、比較検討、購入ができるようになります。ライフスタイルが多様化する中で、お客様の希望される購買パターンは様々です。顧客の囲い込みや売上アップを目指して、オムニチャネルに取り組もうと考えていらっしゃる事業者様も少なくないのではないでしょうか。

実際にクラウド在庫管理システムを提供するロジザードでは、オムニチャネルに関連するお問い合わせも多く頂くようになりました。店舗とECの在庫を一元管理したい、店舗と倉庫の在庫管理システムを連携させてスムーズに在庫移動をできるようにしたい、といったご相談です。

お客様から頂くご相談により具体的なご提案をしていきたい、と考えていたところ、ファッション流通コンサルタント 齊藤孝浩氏、オムニチャネルコンサルタント 逸見光次郎氏にお話をお伺いすることができました。お二人ともオムニチャネルに実務から精通、コンサルタントとしてご活躍されています。

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ロジザードでは、オムニチャネルの施策は「注文場所」「受け取り場所」「販売在庫の保管場所」、この3軸を掛け合わせること、客注(予約・取り寄せ・取り置き)対応がしっかりとできる体制をつくることで成り立つのでは、と考えました。それらの施策を齊藤氏、逸見氏に頂いたお話をもとに初級、中級、上級に分けてご紹介をさせていただきます。

1. 客注とは

客注対応とは、店舗に在庫が無い商品や取り扱いのない商品を顧客が注文し店舗が受け付けること、予約や取り寄せ、取り置きを行うことを指します。在庫の補充や新商品の入荷など、店舗側の都合での発注と区別するために「客注」と呼び区別しています。

店頭に在庫がなくても、注文ができるなら待ってでも欲しい、という方は少なくありません。例えば、店舗に在庫がない場合に、そのお客様用に他店から取り寄せたり、EC在庫を押さえて直接倉庫から送ることも客注ではないでしょうか。オムニチャネルにより在庫を一元化、最適化して「これが欲しい」と思っているお客様に届ける、客注対応をしっかりと行うことが、オムニチャネルの鍵を握ります。

実店舗でのお買い物と在庫について、街頭アンケート調査を行いました。

調査レポート:実店舗でのお買い物に関するアンケート調査 IN原宿
https://www.logizard-zero.com/columns/questionnaire-shopping.html

2. オムニチャネルに必要な3軸とは

オムニチャネルは、商品に関する情報取得や比較検討、注文、購入、受け取り方法をお客様が自分のタイミングやライフスタイルに合わせて選べるところにメリットがあります。よく注目されるのは「注文場所」と「受け取り場所」です。そして最後にやっと議題に挙がるのが「物流」ではないでしょうか。

ロジザードでは物流、在庫面からオムニチャネルの環境を整える「在庫起点のオムニチャネル」をご提案、「注文場所」「受け取り場所」に加えて「販売在庫の保管場所」の3軸から考えます。

・どこで注文するか:自宅や移動中(PC、スマホ)、店舗など
・どこで受け取るか:自宅や配達BOXなどのピックポイント、店舗など
・どこの在庫を販売するか:EC・通販在庫、店舗在庫、卸在庫など

オムニチャネルはいきなり成功するものではなく、顧客目線で「注文」「受け取り」「在庫」の選択肢やパターンを実施できる範囲で徐々に増やしていくことだと考えます。

「3. 初級編(正しい在庫情報の管理)」より、詳細とポイントをお伝えいたします。

3. 初級編(正しい在庫情報の管理)

初級編は、店舗とECサイト、それぞれの客注(予約・取り寄せ・取り置き)対応についてです。「当たり前」と思われる客注対応が、欠品や遅延なくしっかりと対応できているか、をチェックします。ぜひこの機会に改めて運用面を確認してみてはいかがでしょう。

3.1 店舗 取り寄せ・取り置き対応について

注文:店舗 受け取り:店舗 在庫:店舗(フォロー在庫)

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例えば、お客様から「この商品の〇サイズありますか?」と聞かれました。店頭になければまずはバックヤードの在庫を確認し、たまたま在庫切れだった場合はフォロー在庫を倉庫に依頼します。お客様には店頭に届く日付をお伝えし、お名前や必要であればご連絡をお伺いして再来店をお待ちします。フォロー在庫が届いたら、「〇〇様用」に取り置くことで、店頭に陳列しないようにバックヤードで保管をします。

在庫・物流視点のポイントは4点です。

① 即座に店頭・バックヤードの正しい在庫状況を確認できる
② 倉庫にある在庫数を確認できる
③ フォロー在庫が届く日にちを把握できている
④ 「取り置き」の管理ができる

取り寄せ・取り置きの対応は、店舗の在庫を正しく管理することから始まります。商品の単品管理ができていない場合は、それぞれの商品を識別できるようにバーコードを貼り、商品マスタを整えると良いでしょう。

SKUが多い場合は在庫管理機能のあるPOSレジの導入が有効です。システムで管理することで、在庫検索機能を使ってすぐに在庫情報を確認することが可能となります。システムを選ぶ際は、リアルタイムに各店舗の状況を把握できるクラウド型、できれば「取り置き」といった非在庫品のステータス管理ができると便利です。

商品IDは各拠点で統一を

物販の事業を店舗、ネットショップといった通販から始める際、ぜひ商品マスタに注意していただきたいです。店舗から始める場合はPOSの商品マスタを軸に、ネットショップから始める場合はカートシステムの商品マスタを軸に販売チャネル展開していくことをおすすめします。商品マスタに必ず含まれる商品IDはデータ連携、システム連携において非常に重要です。実店舗、ECにおいて商品マスタを別々に作成してしまうと、在庫連携する際に必ずと言っていいほど商品マスタの加工、または作り直しが必要となり、時間と手間、場合によっては費用がかかります。

3.2 通販 予約販売対応について

注文:通販 受け取り:自宅 在庫:通販(入荷予定)

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ECでは予約販売機能を上手く使って、入荷予定の商品に対して受注数を伸ばすことが可能です。予約販売機能とは、入荷予定・発売前の商品を先行販売できる機能です。シーズンもので販売期間が短い商品は、予約から受け付けることで販売期間を長く設定することができます。また、発売前の商品の予約販売であれば、需要予測にも役立ち、より計画的な仕入れを行うことができます。

例えば、ある人気商品のシリーズものを新発売するため、ファン(既存顧客)に向けてDMでご案内しました。発売日までは予約注文を受け付けます。もともとファンのついている商品だったため、お客様からたくさんの予約注文を頂くことができました。商品が入荷してすぐに予約注文分の出荷の手配を行い、発売日当日にはお手元に届けることができました。

在庫・物流視点のポイントは3点です。

① 入荷予定データを活用している
② 予約注文の管理ができる
③ 着日指定の対応ができる

予約販売では、商品を入荷したら受注した順番に引き当てをかけて、予め提示、またはお客様より指定された配達予定日のもとに、発送業務を行います。

ここでも在庫情報の精度が求められます。店舗と同様にバーコードを用いた単品管理を行い、商品マスタを整えます。すでに店舗用の商品マスタがある場合は、そちらに合わせると良いでしょう。

「引き当て」がうまくできておらず、届くべきお客様の注文分が欠品となってしまった、指定された配送日にお届けができなかったことがある場合は、倉庫管理システム(WMS)の導入が有効です。WMSには、「出荷指示」とは別に「引き当て」のステータスがあります。予約商品は出荷指示を先にかけて、入荷したタイミングで「引き当て」をすることで、受注した順番に商品を割り振ることができます。

こちらも店舗と同様にクラウド型でリアルタイムに在庫状況を確認できるサービスが理想です。WMSの在庫情報をカートシステム、または受注管理システムと自動連携することで、常に更新された在庫数をECサイトへ反映することができます。

商品IDは各カートシステムで統一を

ネットショップを始める際、まずは1サイトから、ファンや商材が増えてくると複数サイト展開されると思います。だんだんと複数サイトを運営しているならではの課題が見えてきます。ここで活躍するのが受注管理システムです。受注管理システムには、複数サイトの在庫・受注・商品ページを一括で管理する機能があり、ECサイトを複数運営する上で非常に便利なシステムです。カートシステムで別々の商品IDをつけてしまうと、受注管理システムを導入する際にデータの加工や作り直しが発生します。

3.3 初級編まとめ

商品の欠品や配送遅延を防ぐため、各チャネル・各拠点の正しい「在庫管理」と商品の入荷予定、出荷予定、ルート便の予定といった「配送情報」が重要なポイントとなります。

入出荷情報を含めた正しい在庫情報を管理することで、販売機会の損失は防ぐことができ、「4 中級編(在庫情報の見える化)」へとつながります。

4. 中級編(在庫の見える化)

中級編は、販売チャネルをクロスした客注対応についてです。「店舗購入・自宅受け取り」や、「ECサイト購入・店舗受け取り」と支払方法や配送方法、受け取り方法は進化、選択の自由が増えました。オムニチャネルを知る前から客注対応を柔軟に行っていた、時代に合わせて進化してきた、とすでに複数の選択肢を提供している企業様もいらっしゃると思いますが、「在庫の見える化」はできていますでしょうか。各チャネルの担当者が協力し合い、正しい在庫情報を共有することで、よりスピーディーでスムーズな客注対応が実現します。

4.1 エンドレスアイル 店舗購入・自宅受け取りについて

注文:店舗 受け取り:自宅 在庫:店舗/通販

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エンドレスアイルとは、店舗で品切れしていても、スマートフォンやタブレットで自社ECサイト・アプリにアクセスし、商品を注文・購入できる状態のことです。2014年にアディダスが、売り場から使えるECサイトとして「エンドレスアイルサービス」を提供したことで有名になりました。

例えば、お客様が紺色のTシャツを希望されています。確認したところ、店舗には黄色しかありませんでしたが、倉庫には紺色も在庫があることがわかりました。そこで、サイズの確認として黄色のTシャツをご試着いただき、問題ないことがわかったため、その場で店舗のタブレットからご注文をいただき、自宅配送することになりました。

在庫・物流視点のポイントは2点です。

① 店舗と通販の商品マスタ(特に商品ID)が同期されている
② 店舗から倉庫の在庫が確認できる

店舗で目の前のお客様から商品の在庫を聞かれて自店舗にない場合、電話で在庫管理をする方がほとんどかと思います。しかし、電話各店や倉庫に在庫確認をすると、どうしても時間がかかってしまいます。そこで、店舗から倉庫の在庫管理システムにアクセスできる、またはPOSをWMSと連携させて双方の在庫を確認できると、当たりがついてすぐに取り置きのお願いをすることができます。

4.2  BOPIS(ボピス) 通販注文・店舗受け取りについて

注文:通販 受け取り:店舗 在庫:店舗/通販

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BOPISとはBuy Online Pickup In Storeの略で、オンラインで購入した商品を店舗で受け取る、というショッピングスタイルです。お客様側のメリットとしては送料がかからないことや通販に比べて受け取りまでの時間が短縮されること、店舗側のメリットとしてはご来店がお客様とのタッチポイントの機会となり、単価アップにもつながると言われています。

例えば、お客様が次の日に着るパーティードレスをECサイトから注文する際、会社から一番近い店舗での受け取りを選択しました。店舗では注文が入った商品をバックヤードに下げて取り置きます。お客様はご来店後、アクセサリーを購入され、一緒にお持ち帰りになりました。

在庫・物流視点のポイントは2点です。

① 通販と店舗の商品マスタ(特に商品ID)が同期されている
② EC担当者から店舗の在庫状況が確認できる

POS(各店舗の在庫情報)の情報をカートシステム(自社サイト)に連携していない場合は、店舗に在庫状況を電話などで確認する、といったアナログ対応が必要です。いずれにせよリアルタイムに連携していない場合は、ECサイトに「※ご注文をいただいてから店舗に在庫状況を確認します。店舗に在庫がない場合は倉庫から発送するため、〇営業日ほどかかります。」といった注意書きが必要です。

4.3 中級編まとめ

中級編では、販売チャネルをまたいだ客注対応として、「エンドレスアイル」と「BOPIS」を例に挙げました。どちらも各拠点の在庫情報を開示、一元化することで実現できる施策で、どこかに在庫があればお客様は欲しい商品を必ず購入できる環境を作ることができます。

「在庫の見える化」は社内から

お客様に向けて誤った在庫情報を公開してしまうと、欠品が起こった際にお客様を残念な気持ちにさせてしまうだけでなく、今後の購買にも影響を与えてしまう恐れがあります。こういった状況を避けるため、「在庫の見える化」を行う場合は、まずは社内から始めることをおすすめします。

お客様に公開する前に、改めて在庫管理に問題がなく、正しい在庫情報を共有できているか、また、システム連携方法に問題がないか、といった確認を取ることができます。さらに、お客様へ公開する際に、問題なく運用ができるか、問題が起きるとしたらどういった時か、と仮説も立てやすくなるため、予め掲示する注意事項等を整えることができます。

5. 上級編

上級編では、各拠点の在庫情報を活用した施策をご紹介します。より在庫を効率的に回すことを目的とし、過剰在庫を防ぐことができます。商材によっては鮮度があり、在庫過多は保管費がかかるうえ商品の価値が下がるため、利益率の低下につながります。さらに、店舗スタッフは「接客」というメインの仕事にプラスして、在庫管理や棚卸を行います。在庫が多いと業務の手間も増えるため、滞留在庫を減らして在庫の回転率を上げることが大事です。

5.1 夜間開放型

注文:通販 受け取り:自宅 在庫:店舗/通販

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店舗は土日祝日の日中に売上が伸びる傾向にありますが、ECサイトは夜間に向けて注文・売上が伸びます。そこで、各実店舗の在庫データを閉店処理後にECサイトに反映する企業様が増えています。一番売れる時間帯に在庫を多く見せることができるのと、実店舗の在庫が動かない時間帯のため、欠品が起きづらいと言えます。

在庫・物流視点のポイントは3点です。

① 店舗の閉店処理後に在庫データを連携・ECサイトへ反映する
② 翌日の開店前に注文分をバックヤードで確保する
③ 各店を回るルート便がある

各店の在庫情報をPOSからECサイトに反映する方法は、大きく分けると手動とシステム連携の2つです。手動の場合は店舗が閉店処理をしたことを確認した後に、在庫情報を吸い上げてECサイトへ反映、店舗スタッフが出勤する前に受注分をどこの店舗から引き当てて移動してもらうかを決めて、在庫データを戻しつつ店舗スタッフへ在庫確保と倉庫戻しを依頼する必要があります。システム連携となる場合は、まずは閉店処理の時間や引き当ての順番等ルール決めをします。例えば、21時までに必ず閉店処理して21時5分にデータを吸い上げる、受注日翌日が木曜日であれば、木曜日にルート便が通る〇〇店から引き当てをかける、といったイメージです。

日本では宅配サービスに対する信頼度も高く、お客様は「ECサイトで注文をすると1~2日で届く」というイメージを持たれていることが多いです。できればこのイメージを保ちつつ店舗在庫を引き上げられると良いのですが、難しい場合はECサイトに「※同梱物がある場合は3~4営業日かかります」といった注意書きを追記することをおすすめします。

5.2 ショールーム型

注文:店舗 受け取り:自宅 在庫:店舗/通販

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お客様は店舗で商品を実際に手に取ったり、試着をしたりすることで安心してお買い物ができます。ショールーム型では、店頭にサンプル商品を展示し、お客様はその場で商品を試した後に店頭にある端末、または店舗アプリ等を使って注文、後日自宅で受け取ります。

SKUの多い商材、例えば靴では、1つのデザインで5色、5サイズ展開、ということがあります。在庫をそれぞれ3足ずつ用意するだけで75足の靴を用意する必要があります。ショールーム型の場合は、5色をそれぞれ1サイズずつ、5足用意するだけで実際の色とサイズを試していただける環境が整います。

在庫を保管するためのバックヤードのスペースを広くとる必要がなく、狭いスペースにも多くの種類を展示することができるメリットがあります。空いたスペースを使って、お店の雰囲気に合わせた空間づくりや体験型のコンテンツの提供、ソファなどを用意してお客様と密にコミュニケーションをとるスペースを用意するなど、店舗を単なる販売のスペースとしてではなくカスタマイズするお店も増えてきました。

ただ、ショールーム型にはデメリットもあります。すぐに持ち帰りたい、という方に対応ができないことです。これを解決するために次にご紹介する「予約」に対応をしているお店もあるようです。在庫・物流視点のポイントも合わせてご紹介いたします。

5.3 予約対応型

注文:通販 受け取り:店舗 在庫:店舗/通販

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ショールーム型では、一部の定番商品のみ店舗で試着、購入、そのまま持ち帰ることに対応する場合もありますが、自宅受け取りがほとんどです。そこで、定番以外の商品については、ECサイトなどのオンラインから予約を受けた商品のみ在庫を用意することが可能です。

希望の商品をECサイトから予約、希望の店舗で試着をして、気に入らなければその場で返却、イメージ通りであれば持ち帰ることができます。

在庫・物流視点のポイントは3点です。

① 保管用倉庫の在庫情報をするに確認できる
② 倉庫からお客様の指定する店舗までに必要な日数が把握できる
③ 返品に柔軟に対応ができる

返却のスキームができていると、返品対応にもスムーズに対応できます。難易度は高いのですが、通販で購入した商品の返品を店舗で対応することも検討できます。

ショールーミング・Webルーミング

ショールーミング・Webルーミング(ウェブルーミング)の動きが活発になり、その対策としてオムニチャネル化が注目された背景があります。ショールーミングは店舗で実物を見たあとに、オンラインで検索をして購入する動き、Webルーミングはその逆の動きで、顧客がチャネルを切り替えるタイミングで他店へ流れてしまうという課題を各社はかかえていました。

そこで、どの販売チャネルでも自社を利用してもらえるよう、顧客の囲い込みとしての施策としてオムニチャネル化を検討する企業様も増えたようです。

5.4 上級編まとめ

顧客の囲い込みのためとすべて実現したいと思うかもしれませんが、販売チャネルをクロスさせるには顧客情報や在庫情報の一元管理、データやシステムの連携など、見えない部分で複雑な準備が多くあります。システムの構築、カスタマイズ等コストもかかるため、それぞれの施策からどれだけ利益が見込まれるかの仮説や試算が重要となるでしょう。

6. まとめ ~正しい在庫管理から始めませんか?~

オムニチャネルと聞くと、顧客情報の一元管理やポイントの一元管理を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、そもそも商品、在庫がなければ売上にはつながりません。顧客は、ポイントがどこのチャネルでも共通して使えるから商品を購入するのではなく、商品を気に入ったから購入します。2019年12月にロジザードで実施した原宿街頭アンケートの結果からも、気に入った商品は、店舗で欠品していても他店舗、ECサイト等どこで購入ができるかがわかれば、75.2%のお客様は購入に至ることがわかりました。ここで重要なのは正しい在庫情報をお客様に伝えることです。

オムニチャネルをご検討中の方は、ぜひ「注文場所」「受け取り場所」にプラスして「販売在庫の保管場所」も軸に考えていただけると、お客様が商品に出会うところからお客様のお手元に商品を届けるところまで具体的に落とし込むことができます。

オムニチャネルを進めるうえで、システム導入・移行は大変重いタスクとなります。システムの比較検討に入る場合は、ロジザードが提供するクラウド在庫管理システムがおすすめです。「オムニチャネル、何から始めよう」と悩んでいる方、オムニチャネルの物流面で課題を感じている方はぜひロジザードにご相談ください。在庫起点でお客様に最適なシステム構成をご提案させていただきます。

お問い合わせ
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