COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
目先の売り上げばかりに、つい気を取られ、実は重要な在庫管理を後回しにしてしまっている企業は少なくありません。しかし、在庫は企業の利益に大きな影響を与える重要な指標です。効果的な在庫管理を行うことが、収益の増加やコストの削減につながります。そこで、この記事では、在庫管理の考え方について詳しく解説します。
在庫管理とは、企業が保有する在庫を最適な状態で、また最適な量で保管できるように管理することです。必要なときに必要な量を必要な場所へ、いつでも提供できる状態で無駄なくきちんと保管できるよう、生産や販売活動の状況などと照らし合わせながら管理することが求められます。そもそも、在庫とは、販売前の製品だけを指すわけではありません。将来的に現金化される可能性があるものも含みます。具体的には、小売業であれば売り場に出す前の取り置き中となっている商品などが一例です。製造業であれば、自社での加工が終了している完成品や工程中の半製品、原材料・部品、製造に向けて仕掛中の仕掛品・中間製品といったものがあります。
企業によっては社内用の机、パソコンなどの機材、コピー用紙や文房具といった消耗品も企業内倉庫で管理していることもありますよね。これらの社内備品も状態や数量をきちんと把握し、管理することは重要です。ただし、このような社内備品や機材、消耗品などは在庫とはいいません。社内備品は社内の人が使用することを前提として存在していて、物品管理によって管理されるものです。一方、在庫管理によって管理される在庫とは、あくまでも販売先となる顧客などに提供することを目的とした商品や製品であることが基準となっています。
面倒な作業でありながら地味な業務でもある在庫管理ですが、在庫管理をきちんと行うことは経営や生産活動において重要であるというのがビジネスの基本の考え方です。在庫管理が重要とされているのには主に3つの理由が挙げられます。
まず、1つ目として、適切な在庫管理をすると、品切れによる売り上げの減少を防ぐことができるからです。在庫状況をきちんと把握できていないと、本来であれば販売できたはずの商品などが品切れとなってしまう可能性が出てきます。売る商品がなければ販売はできず、利益を得る機会を失ってしまうリスクが生じるのです。しかし、必要な在庫をきちんと確保できていれば、販売機会の損失を避けることができます。
次に、2つ目として挙げられるのが、在庫管理により納期の遅れによる売り上げ減少の事態を招かないようにできることです。在庫管理が行き届いていないと欠品があることに気付かず、いざ納品となった際に品数をそろえることができなくなって納期に間に合わないリスクが生じます。納期の遅れにより、品切れと同様に販売機会のチャンスを失ってしまう可能性があるのです。また、納期遅れが何度も重なれば、顧客からの信頼を失って、将来的に発注量を減らされたり、場合によっては業務契約を継続できなくなったりしてしまう恐れもあります。
最後に、3つ目が、在庫管理の徹底により過剰な在庫や不動在庫によるコストの増加も防ぐことができることです。在庫が不足したり欠品したりすることも企業によってはマイナスとなりますが、反対に在庫を持ちすぎたり、在庫があっても現実的に販売できなかったりする場合でも、経営に痛手を負う可能性があります。保管には物を置いておくスペースが必要です。また、良い状態で保管するためには人手を要します。保管スペース確保のための場所代、人件費、そして在庫内容によっては光熱費などもかかることでしょう。さらに、長く放置したことで売れる見込みがなくなってしまっていたり、欠陥品となっていたりする不良在庫については、そもそも仕入れたときの代金自体が無駄になってしまうのです。入荷日から商品の価値は徐々に下がると言われています。このように、不要な在庫品はコストが無駄にかかるため、必要最低限の在庫に留められるように管理することは重要とされています。
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徹底した在庫管理によって得られるメリットとしては、たとえば、資金繰りの負担が軽くなる点を挙げることができます。在庫となっている商品などを手に入れる際には、先に仕入れ代金が支払われていることが通常です。在庫の内容や数をきちんと把握できていれば、必然的に仕入れ代金の支払い額も正確に把握できるようになります。売上代金が入る前に支払ってしまっている仕入れ代金の金額を正しく把握していれば、資金繰りが苦しくなるような無駄な在庫の購入を避けることができるようになるのです。
また、市場の動向が見えるようになるのも、在庫管理を徹底的に行うことのメリットです。何がいくつ残っているかといった在庫状況を見直し分析することで、売れる製品や商品ごとの滞留期間を把握できるようになって、今後の見通しがつき経営戦略を立てやすくなります。消費者の変化にも気づけるかもしれません。
加えて、正確な決算書を作れる点もメリットです。仕入れたものは必ずしもすべて売れるとは限りません。在庫の廃棄や返品などによって、実際の状況と帳簿上の数字との間にズレが生じることはあるものです。そのため、定期的に、棚卸を行うことが必要となります。棚卸は、商品の在庫数と売り上げに対する商品原価を把握する作業であるため、在庫数を正しく把握しておくことは必須です。そして、棚卸がきちんとできれば、正確な利益の計算が可能となるので、決算書も正しく作ることができ、ひいては金融機関・取引先の信用度アップにもつながります。
正しく在庫管理を行うためには、業務内容を具体的に把握しておくことが必須です。まず、在庫を保管する拠点の在庫管理方法を定めておく必要があります。在庫管理は、ロケーション管理と呼ばれる方法で行われることが一般的となっています。ロケーション、つまり、在庫が保管されている場所を決めて管理する方法です。たとえば、スチール製の棚を使用している倉庫であれば、棚の各段に番号などを振り、保管場所を示す住所とします。また、棚などのない広いスペースで保管している場合であれば、床に印をつけてロケーションを振っておくのも方法です。ロケーションを決めておくことで、在庫を探す際に無駄に探し回る必要がなくなり、注文を受けても迅速に出荷できるようになるなど効率的な作業が可能となります。
また、製品入庫や保管においての在庫管理も大切な業務のひとつです。どこにいくつ製品が入り、現状でどれだけ在庫があるかなど把握しておくことは在庫管理の基本となります。さらに、納品された商品などを受け入れ、伝票を確認し、間違いなく届いているか検品・検収を行って、在庫として格納するまでの一連の作業も重要な業務です。加えて、返品があった場合には、在庫数が変わるため、忘れずに記録しておくことも必要となります。ほかにも、需要に応じて販売するために、とりあえず保管をしておくものについては棚上げをしておき、期限切れの商品などの在庫については適宜数の変更などの処理をしておかなければいけません。さらに、返品があったり、搬送中に壊れてしまったり、廃棄処分をしたときには、その都度データ更新・処理を行い、定期的に棚卸をしておくことも忘れてはいけません。
また、出庫や返庫の管理も、帳簿と実際の在庫数を正確に合わせておくためには欠かせない業務です。発送すれば在庫数は減るため、数字は変わります。ただし、出庫については販売するときだけではなく、処分などのために倉庫から持ち出す際にも管理しておかなければいけません。持ち出しをするものと数、ロケーションをきちんと管理しておかないと後々、在庫差異の原因となります。
適正に在庫量を維持することは、思いのほか難しいものです。維持するのが難しい理由には、たとえば、需要の予測が困難であることが挙げられます。在庫管理をきちんと行い、市場分析をしていても、市場の動向を必ず正確に予測できるとは限りません。売れると思っていたものが売れなければ在庫は増えていき、適正な在庫量を維持できなくなります。また、予測や分析をするスキルに自信がなければ、在庫不足となることに不安を感じ、安全ラインを確保しようと考えるものです。その結果、多めに在庫を保管してしまいます。
さらに、人の手が入ればミスが生じてしまうリスクは否めません。忙しい業務のなかで小さな作業ミスが重なり、大きな在庫差異が出てしまうこともあります。加えて、生産過程において調達と在庫の複数管理を行っている場合には、データが重複するような人為的ミスが出てしまうケースもあり、データと在庫のズレが生じてしまうなどの可能性もあるのです。このようなミスは、作業に集中できないような職場環境や、在庫を管理するルールが徹底されていなかったりすることが原因となっている場合があります。
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適正な在庫量は、注文を受けてから納品するまでの期間と、生産のリードタイムによって変わってきます。納期までの期間が短いにもかかわらず生産に時間がかかる場合には判断に十分な時間が取れないので、納期遅れなどのトラブルを起こさないためにも見込み生産で在庫を持つことは避けられません。その際には、受注実績や顧客の生産計画などを参考に、在庫期間に応じて生産量を決めるとよいでしょう。
しかし、納期と生産時間にある程度の余裕がある場合には在庫量を見ながら生産量を決定できます。また、受注から納期までの期間において、生産のリードタイムが間に合うようなら、適宜受注生産への切り替えを行うようにすれば、在庫は最低限で済みます。さらに、随時、生産のリードタイムの短縮を進めていくことによって、無駄な在庫量を減らすことも可能です。
在庫を適正な状態で維持するためには、正しく在庫管理ができる環境を整えることが必要となります。人為的なミスが起こらないように業務に集中しやすい職場の環境作りを行ったり、管理ルールをマニュアル化して社員に徹底させたりするのも手です。マニュアルを作った際には、全社員が常に意識して活用できるよう、作業を行う場所に掲示するといった工夫も有効です。さらに、在庫のロケーション管理をきちんと設定することも効果的な手段となります。
しかし、人のミスなどは完全に防ぎにくいものです。このため、現実的な方法としては在庫管理システムの導入も効果的となります。在庫管理システムを導入することによって、需要の予測ができる環境を用意することが可能です。市場動向の分析はスキルがあれば人の手でもできます。しかし、高いスキルを持った人を採用すれば人件費が高くなってしまうため、コストを少しでも削減したいならシステムを導入したほうがお得でしょう。
小売業や卸売業であれば、売れ筋の製品の在庫を切らさないようにすることがポイントです。通常は、一部の製品が一時的になくても、ほかの製品があれば営業は続けることができます。しかし、その企業にとって売り上げの要となっているような製品の在庫不足は大きな損失につながることです。このため、売り上げの維持や向上を目指すためにも在庫不足を防ぐことは重要となります。在庫管理だけではなく、販売管理を並行して行うことも売上維持には大切です。
一方、製造業や建築業の場合は、材料や完成品における在庫の管理だけではなく、仕掛品と呼ばれる製造途中や建築中の状態の在庫についても気を配ることが必要となります。製造業や建築業では決算の期間損益に仕掛品が大きな影響を与えるからです。仕掛け品の管理では、たとえば、材料費や生産にかかった労働力などの情報管理もしっかりと行います。
適正な在庫管理に向けた効果的な方法としてシステムの導入を検討するなら、クラウド倉庫管理・物流在庫管理システムであるロジザードZEROが便利です。1,000を超える現場で稼働しており、WMSパッケージでのシェアナンバー1であるため安心して利用できます。また、ロジザードZEROのシステムでは、クラウドにより、在庫状況をリアルタイムで把握できるため在庫切れを防ぐことが可能です。さらに、バーコード検品を徹底させピッキングミスがあってもブザーなどで知らせるといった仕組みで、誤出荷をゼロにすることもできます。そもそも属人管理ではないため、人為ミスがなく、商品の場所を間違えずに速やかにピッキングできる点も魅力です。導入に時間がかからず手軽に利用できるシステムでありながらもメリットの多いロジザードZEROを上手に活用して、高い業務品質を維持しながら作業効率アップを目指すとよいでしょう。
また、店舗での在庫管理が必要な場合はロジザードZEROと連携をしているクラウド店舗売上・在庫管理システム「ロジザードZERO-STORE」がおすすめです。自動で連携がとれており、店舗から倉庫の在庫状況が確認できるなどのメリットがあります。