COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
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前回のコラム「JANコードについて知ろう① 基礎編・利用開始編」では、JANコードの基礎について、一般財団法人 流通システム開発センター(以下GS1 Japan様)にお話を伺いました。
今回は応用編として、GS1 Japan様で取り扱いをしている様々なバーコードのうち、JANコードに関連が深く、物流の場面でもよく活用されている「集合包装用商品コード」と「GS1-128バーコード」についてご紹介します。
※コラム内の画像は、全てGS1 Japan様の承諾を得て掲載しています。
※バーコード画像:GS1 Japan「いろいろ使える GS1識別コード」より転載
集合包装用商品コードとは、同一の商品(同じJANコードをもつ商品)を複数個包装したケースに対して設定する、14桁の国際標準の商品識別コードです。
主に受発注や入出荷、仕分け、棚卸管理など、企業間の取り引きにおいて活用されています。
物流センターなどで入出庫管理・在庫管理をする際に使用されます。
データそのもののことを集合包装用商品コード、読み取り用の画像のことをITFシンボルと呼びます。
ITFシンボルの「ITF」とは、Inter-Leaved(差し挟んだ)Two of Five(5本のバーのうち2本のバーが太いという意味)の略称です。
※GS1 Japan 「はじめてのバーコードガイド」より転載
同じ商品でも、12個入りで1包装、24個入りで1包装、個数は同じだけど箱入り包装とシュリンク包装(ビニールラッピング)の2種類ある、という時に識別するための数字です。
1つの商品に対して初めてコードを設定する場合は、「1」を使用します。
集合包装の中身の商品の単品のJANコードを一部編集し、使用します。
13桁あるJANコードのうち、申請した企業をあらわすGS1事業者コード(冒頭9桁/7桁)と事業者内の商品種別をあらわす商品アイテムコード(中間3桁/5桁)の12桁を使用します。JANコード内のチェックデジットは反映しません。
入力や読み誤りを防ぐための番号です。所定の計算式を使用して算出します。
注意:JANコード末尾にもチェックデジットが表示されていますが、計算式により異なる数値を設定することが多いため、集合用包装コードの分は個別に設定が必要です。
昨今、大型スーパー、ドラッグストア等を中心に、段ボール箱に封入したまま一般消費者に販売することが増えてきました(ケース販売)。
段ボールに集合包装用コードが印字されている場合、実店舗で一般のお客様に販売する際の読み取りバーコードとして利用することは出来るのでしょうか?答えはNOです。
店舗のPOSレジのスキャナでバーコードを読み取り、1商品として認識するためには、ケース単位で販売するためのJANコードを新しく設定し、JANシンボルとして箱に印字する必要があるのです。
※GS1 Japan 「バーコードの基礎 -よくわかるGS1国際流通基準-」より転載
GS1 Japan:集合包装用商品コードとITFシンボル https://www.dsri.jp/jan/itf.html
商品を識別する情報だけではなく、商品に関連するさまざまな情報を表現したいというニーズから生まれたバーコードのひとつが、GS1-128バーコードです。
流通・物流・製造の分野で活用される国際標準のバーコードで、データそのもののことをGS1-128バーコード、読み取り用の画像のことをGS1-128シンボルと呼びます。
数字のみを表現するJANシンボルやITFシンボルと異なり、アルファベットや記号も表現できるうえ、複数のデータを連結して表示することで、商品情報や包装形態の情報の他、製造日・賞味期限・薬効期限・ロット番号などの「商品管理データ」、SSCC(シリアル・シッピング・コンテナ・コード)、積荷番号などの「物流管理データ」をあらわすことが可能です。
1本のGS-128バーコードに表すことができる最大桁数は48桁です。
表示する情報量に応じて、2段のGS1-128バーコードを用いることもあります。
どのような情報を表示させるかは、業界単位で標準化されています。
例:有効期限・ロット番号のある商品のGS1-128バーコード
※GS1 Japan 「バーコードの基礎 -よくわかるGS1国際流通基準-」より転載
GS1で定めている「アプリケーション識別子(Application Interface)」を指します。
以降に続く番号・アルファベットが何の情報を表すのかを示しています。
たとえば、上記のバーコードでは、
・(01)がGTIN(JANコードや集合用包装コード、商品情報)
・(17)が有効期限
・(10)がロット番号
を表しています。
※その他の番号と情報についてはこちら
GS1 Japan:流通業界に関係した主なAI
https://www.dsri.jp/standard/identify/ai/explanation04.html
実際にGS1-128バーコードが活用されている業界のうち、今回は3つの場面をご紹介します。
コンビニエンスストアなど、小売業における公共料金等の代理収納では、GS1-128バーコードが導入されています。見たことがある、という方も多いのではないでしょうか。
※GS1 Japan 「バーコードの基礎 -よくわかるGS1国際流通基準-」より転載
※詳しくはこちら
GS1 Japan:公共料金等代理収納GS1-128(旧:UCC/EAN-128)システム
https://www.dsri.jp/standard/barcode/gs1-128_payment_service.html
チェーンストアや百貨店などの大型小売業を中心に、店舗までの物流を効率化するために利用されている「SCMラベル」にもGS1-128コードが使われています。
※GS1 Japan 「バーコードの基礎 -よくわかるGS1国際流通基準-」より転載
※詳しくはこちら
流通BMS協議会:流通BMS標準仕様
https://www.dsri.jp/ryutsu-bms/standard/standard03.html
医療機器や材料のトレーサビリティ実現のために、GS1-128バーコードの利用が推進されたこと、厚生労働省から医療機器業界に対し、ほぼ全ての医療機器・材料にGS1-128シンボル表示を行うことが要請されたため、現在では対象となる医療機器のほとんどにGS1-128シンボルが表示されています。
医療材料業界の個装表示ラベル例
※GS1 Japan 「GS1-128シンボル」https://www.dsri.jp/standard/barcode/gs1-128.html より転載
※詳しくはこちら
GS1 Japan : 医療用医薬品・医療機器バーコード入門講座
https://www.dsri.jp/seminar_book/seminar/healthcare_barcode.html
GS1 Japan:GS1-128シンボル https://www.dsri.jp/standard/barcode/gs1-128.html
JANコードと関連が深く、物流の分野で広く活用されている集合包装用商品コードとGS1-128バーコードをご紹介しました。
GS1 Japan様では、この他にも共通取引先コード、決済事業者コードなど、利用分野や目的、取り扱うデータが異なるさまざまなコードの管理・普及活動をされています。
それぞれのコードの特徴についても、ロジザードコラムを通してご紹介させていただきます。
GS1Japan 上田様・小柄様、取材にご協力いただきありがとうございました!
GS1 Japan様公式サイト
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