COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

サプライチェーンの効率化にかかる議論が活発になっています。社会に不可欠なインフラとして、さまざまな経済活動を支える物流機能は、若い世代を中心とした担い手不足に、電子商取引(EC)の普及をはじめとする購買スタイルの多様化もあり、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率化が急務です。中でも、輸送業務とともにサプライチェーンの中枢を担う倉庫は、企業から商流を経て消費者へ商品が行き渡る過程のあらゆる情報の集まる交差点でもあります。ここでは、倉庫DXの在り方について、企業間取引(BtoB)の観点から考えます。
ここで、サプライチェーンの基本概念について、まとめておきましょう。「供給網」と訳されるように、商品が原材料から最終消費者に届くまでの流れを示すもので、以下の4つのプロセスで構成されています。
まずは、「調達」です。商品の生産に必要となる原料や材料、部品を供給者から調達します。ちなみに、こうした調達先と生産企業との間にも、サプライチェーンは存在します。続く「生産」ステップで、調達段階で集めた原材料を使って商品を作ります。
こうして生まれた商品は、商流を通して消費者に届けなければなりません。ここで、製品を倉庫や小売店に配送する「流通」のプロセスがあります。そして、最終的に商品を「販売」して、購入した消費者や事業所に届くというわけです。
こうしたサプライチェーンの機能は近年になって、企業の競争力を左右する重要な機能として、広く認識されるようになってきました。東日本大震災や新型コロナウイルス禍など、物資の輸送に支障が出る事態が続いたことから、商品の供給網の重要性が強く認識されたのも大きな要因でしょう。
一方で、より効率的なサプライチェーンの構築も、企業の経営戦略を実行する上で、極めて重要なポイントです。各プロセスを最適化することで、無駄なコストを削減する取り組みは、倉庫DXの一環として広がってきています。こうした動きは、商品の供給にかかるさまざまな作業の流れをスムーズにする効果があり、結果として商品の納期の短縮に貢献します。
商品が早く届くことになれば、喜ぶのは顧客である消費者や事業者でしょう。迅速かつ効率的なサービスを提供することで、顧客の満足度を高めることができるのです。サプライチェーンの効率化・最適化は、こうした段階を経て、実現するものなのです。
サプライチェーン全体を管理し、効率的に運営するための手法として注目されているのが、サプライチェーン・マネジメントの考え方です。企業は市場のニーズに応じた商品を提供することで、競争力を強化することができますが、持続的成長をしていくためにはサプライチェーンの最適化が欠かせない要素となっています。変化の激しい現代のビジネス環境においては、市場の変化に迅速に対応できる体制づくりが求められています。
ここまで、サプライチェーンの4つのプロセスについて説明しました。これらの各プロセスをスムーズに進める上で、欠かせない機能があります。それは、「輸送」と「保管(商品管理)」です。
サプライチェーンは、商品を生産者から消費者へ供給する道筋です。その役割を完遂するためには、これらが健全な形で機能していなければなりません。ここでは、保管(商品管理)の機能、つまり倉庫の果たすべき役割について考えます。

サプライチェーンにおいて、倉庫はどんな機能を果たしているのでしょうか。ここでは、4つの項目で整理してみます。
まずは、「商品の保管」です。倉庫は、製造した商品を一時的に保管し、必要なタイミングで出荷する役割を担っています。また、倉庫では保管する商品の「入出庫管理」も重要な業務です。商品の入庫と出庫を正確で効率的に行うことが、サプライチェーン全体の安定化と効率的な輸送に貢献します。
さらに、倉庫では商品の梱包や包装といった「流通加工」も重要な業務です。こうした流通加工の機能は、消費者に商品を届けるために欠かせない、商品やブランド価値の保護に関わる大切な要素です。最後に、これらのプロセス全体をデータで管理し、ヒューマンエラーの防止や業務の効率化を進める「情報管理」は、倉庫DXの観点からも大切な取り組みと言えるでしょう。
倉庫は、調達先を含めた生産者から消費者まで、サプライチェーンのあらゆる段階における情報が集まる「交差点」です。裏を返せば、こうした情報集積拠点としての機能を持つ倉庫のDXは、サプライチェーンの最適化を考える上で、避けて通れない命題になっていることが分かります。
倉庫はサプライチェーン全体の安定と顧客満足を支える重要なインフラであり、今後もその役割は拡大していくことは間違いないでしょう。それを踏まえて倉庫DXの方向性を考える場合に、ポイントとなりそうなのが、「情報ハブ拠点」というキーワードです。
先にも述べたとおり、倉庫が担う4つの役割の1つに、「情報管理」があり、情報の交差点であると説明しました。デジタル化による業務効率アップの手段を求めるならば、こうしたサプライチェーン全体の最適化を図るには、ここを起点としてあらゆる情報を一元的に管理できる「全体最適」の発想が欠かせない、と考えます。
ここで、少し話題を変えて、物流業界のDXにかかる動きを振り返ります。コロナ禍を契機として、消費スタイルの多様化が急速に進みました。いわゆる「店舗から宅配へ」のシフトです。こうした動きは、倉庫をはじめとする物流現場に未曾有の繁忙をもたらします。
いわゆる「物流の2024年問題」への対応も含めて、官民一体となって物流現場の業務効率化の機運が一気に高まりました。そこで、有力な解決策として注目されるようになったのが、デジタル革命による業務効率化の推進、つまり物流DXなのです。
倉庫を運営する事業者や荷主は、物流DXの取り組みとして、こぞって先進システムやロボットの導入を進めようとします。加熱する市場にビジネス機会を求めて参入する事業者も相次ぎ、それぞれの強みとする技術やサービスを前面に出して販売合戦を繰り広げます。しかしながら、こうした物流DXの黎明期に、倉庫現場が劇的に効率化されたかと言えば、正直なところ、疑問符を付けざるを得ないのが実情でしょう。
なぜでしょうか。それは、商品の全体の流れを見据えるよりも、特に大きな課題がある個別の機能だけを「部分的」に最適化することを優先したためです。現場を司る担当者の立場からすれば、管轄する担当部門で起きている課題を解決に導くために、先進システムやロボットを導入する選択は、決して否定できるものではないでしょう。
とはいえ、それが倉庫の各所で、さらにはサプライチェーンの各段階で部分的に発生することになれば、それは全体最適につながる可能性は低いと言わざるを得ません。各部分のシステムが相互に連携しあう関係性が構築されていない限り、トータルでの改善にはつながりにくいからです。
前項では、物流DXの「負」の側面を振り返りました。ここから浮かんでくる教訓、それは「サプライチェーン全体の中で部分的な機能を担う」認識に基づき、関係する企業や事業者、場合によっては当局の情報を集約しながら、全体的な最適化を図る意識が不可欠であることです。
それでは、倉庫におけるDXを進めるにあたって、留意すべき事柄は何でしょうか。それを考える上でキーワードとなるのが、倉庫の「情報ハブ拠点」なのは、もはや必然と言えるでしょう。ここで明確にするべきテーマは、倉庫を情報ハブ拠点として機能させるために必要な施策を考えることであり、倉庫DXの根幹になってきます。

倉庫は商品の出入りの過程で、保管や在庫管理、仕分け、梱包、検品といった「中継拠点」としての役割を果たしています。こうした役割から、商品の特性や仕様、リードタイムなど、BtoB取引に関わるさまざまな情報が集まる拠点としての機能も求められます。
生産者と流通事業者の中継を担う立場にあるからこそ、倉庫には、両者の情報を集約し、整合性のある形で商品供給の流れを構築する機能が求められます。 こうした役割を実現するためには、全体最適を意識した倉庫DXの推進が不可欠です。倉庫内で行われているあらゆる作業を一元的に管理するとともに、サプライチェーンを構成する各事業者の拠点と常に連携している状態を、ITシステムとして構築されている必要があります。
そこで、倉庫DXを推進するための第一歩となる取り組みとして、有効な選択肢と考えられるのが、倉庫管理システム(WMS)の活用です。
WMSは、先述した物流DXの黎明期の以前より、倉庫業務のデジタル化を図る手段として、先進的な施設を中心に導入されてきたシステムです。近年では、ITシステム開発企業をはじめ多くの事業者が参入するなど、提供サービスも多様化してきています。
WMSは、入荷から出庫までの一連の業務を効率的に管理・実行するための情報システムです。リアルタイムでの正確な在庫情報の把握、人為的ミスの削減、作業の効率化・標準化、物流コストの削減など、幅広い機能を有しています。EC市場の拡大や人手不足といった倉庫現場の課題が指摘される中で、その解決に不可欠なDXのツールとして、改めて注目されています。
とはいえ、サプライチェーン全体の最適化を視野に入れながら倉庫DXに取り組む観点で考えるならば、WMSの中でも「他のシステムとの連携」に優れたものを選ぶ必要があるのは、言うまでもありません。
他のシステムと連携できるWMSが倉庫の情報ハブ機能を担うことになれば、サプライチェーンにおける倉庫を起点とした全体最適を可能にする、本来目指すべき倉庫DX、さらには物流DXが実現することになるのです。
倉庫DXに適したWMSの条件は、倉庫が扱う役割に応じた情報を取り扱える機能を備えていること、さらには他のシステムと連携して情報管理をスムーズに進められること、システムのカスタマイズ性能の高さ、といったところでしょう。
こうした機能で定評のあるシステムとして、ここで紹介するのが、ロジザード株式会社の展開するクラウドWMS「ロジザードZERO」です。
ロジザードZEROは、EC物流から流通小売向けBtoB出荷、レンタル品管理まで多彩な業種・業態への幅広い対応力が強みです。標準機能をできるだけ活用した運用が特徴で、最短で1か月後の導入も可能です。より現場にフィットさせるアドオン開発力も、物流業界で高く評価されています。倉庫DXについて特筆すべき優位性は、API連携をはじめとする外部システムとの連携機能の高さです。APIは、ソフトウェアやアプリケーション同士が相互に情報や機能を利用できるようにするためのインターフェースであり、異なるシステムが連携してデータのやり取りや機能の呼び出しが可能です。
こうした連携機能により、ロジザードZEROは倉庫を「情報ハブ拠点」として機能させることができます。荷主や倉庫現場でそれぞれアカウントを付与することも可能なため、在庫状況をリアルタイムで常時、最新のデータを把握して処理することもできます。まさに、全体最適を目指す倉庫DXにふさわしいWMSと言えるでしょう。
本コラムでは、倉庫DXの在り方について、倉庫を情報ハブ拠点として機能させるという観点から、その具体的な方向性を整理してきました。倉庫現場をめぐると、未だにアナログでの業務スタイルから脱却できていない現場に遭遇することも少なくありません。とはいえ、デジタル化の本来の利点は、課題のある業務ポイントの改善だけでなく、その前後を含めた全体の最適化を進めやすいことにあります。こうした先進システムの強みをうまく生かしながら、倉庫DXを実現していくのが、今後のサプライチェーンの強靭化を促す力になるのではないでしょうか。
この記事のライター
Shima N.
一般紙をはじめ各種メディアで取材・執筆活動に従事。
企業の広報・IR担当の経験も踏まえて、産業界の多様な領域に人脈を持つ。
運輸・物流領域に強みあり。