COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
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近年、SaaSやクラウドサービスのセキュリティや信頼性を示す指標として「SOC2」という言葉を目にする機会が増えてきました。クラウドサービスを導入する際、企業の情報システム部門や調達部門から「SOC2報告書はありますか?」「SOC2に対応していますか?」といった質問が出ることも珍しくありません。
SOC2(System and Organization Controls 2)レポートは、米国公認会計士協会(AICPA)が定めるTrustサービス規準(Trust Services Criteria)を評価基準として、サービス提供事業者の内部統制の整備および運用状況について、独立した第三者による保証を提供する報告書です。
本レポートは、日本公認会計士協会(JICPA)が定める「保証業務実務指針3702」に準拠し、日本の公認会計士により実施されています。
しかし、「SOC2とは何か」「Type1とType2はどう違うのか」「ISMSやプライバシーマークと何が違うのか」といった点は、まだ十分に知られているとは言えません。本記事では、SOC2の基本的な仕組みや種類、他のセキュリティ認証との違いについて解説します。
SOC(System and Organization Controls)とは、企業の内部統制や業務プロセスの信頼性を第三者が評価・報告するために、米国公認会計士協会(AICPA)が定めた基準です。
SOC2報告書は、その中でも「Trustサービス規準(TSC)」に基づき、サービス提供事業者の内部統制の整備および運用状況について、独立した第三者が評価し、その結果をまとめた報告書です。
主にSaaSやクラウドサービスなどのITサービスを提供する企業の内部統制や運用体制を評価し、サービス提供企業のセキュリティ管理やシステム運用、データ管理の仕組みが適切に構築・継続的に運用されているかどうかを確認し、その結果をレポートとして整理します。
クラウドサービスを利用するということは、企業の重要なデータを外部のサービスに預けることを意味します。
例えば次のようなデータです。
こうしたデータを安全に管理するためには、クラウドサービスのセキュリティ体制や運用管理体制が信頼できるものである必要があります。SOC2は、こうしたクラウドサービスの信頼性を第三者の立場から評価する仕組みとして利用されています。
サービスの信頼性を評価するために用いられる「Trustサービス規準(Trust Services Criteria)」の主な評価項目は次の5つです。
これらの観点から、サービスの内部統制や運用体制が総合的に評価されます。
SOC2には「Type1」と「Type2」という2つの種類があります。
両者の違いは、内部統制の設計を評価するのか、実際の運用まで評価するのかという点にあります。
このように、「Type1」が「設計の妥当性」を評価するのに対し、「Type2」は「運用の有効性」まで評価する点が大きな違いです。
そのため、一般的には「Type2」の方がより信頼性の高い報告書とされています。
SOCにはSOC2のほかにもいくつかの種類があり、その代表的なものがSOC1です。
SOC1は、利用者企業の財務報告に影響を与える受託会社の内部統制を対象とした評価で、主に次のようなシステムが対象になります。
つまりSOC1は、企業の財務情報に関わる委託先のシステムの信頼性を評価するための枠組みです。
これに対してSOC2は、ITサービスやクラウドサービスの信頼性を、Trustサービス規準に基づいて第三者が評価するための仕組みです。セキュリティ管理やシステム運用、データ保護など、サービス提供体制そのものが評価対象になります。
そのため、SaaSやクラウドサービスでは、提供する業務内容に応じて、利用者企業の財務報告に影響を与える場合にはSOC1が、セキュリティ等の管理体制を示す必要がある場合にはSOC2が求められます。多くのSaaS事業者では後者に該当することから、SOC2が活用されるケースが一般的です。
日本では、情報セキュリティに関する認証として「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」や「プライバシーマーク」が広く知られています。
これらとSOC2の違いは、評価対象だけでなく、評価の深さや観点にもあります。
ISMSは、企業全体の情報セキュリティマネジメント体制を評価する国際規格です。組織としてセキュリティポリシーを定め、リスク管理を行い、継続的に改善していく仕組みが整備されているかが評価されます。
一方、プライバシーマークは個人情報の管理体制に特化した日本独自の制度です。 個人情報の取得・利用・保管・廃棄といったプロセスが適切に管理されているかを評価するもので、日本の個人情報保護法にも則り、主に個人情報の取り扱いに関するリスク管理を目的としています。
これに対してSOC2は、クラウドサービスの運用に関連する内部統制や運用体制を第三者が評価しその結果を報告する保証報告書です。
単にルールや方針が整備されているかだけでなく、実際のサービス運用の中でそれらが適切に機能しているかどうかまで評価される点が大きな特徴です。

多くの企業がISMSやプライバシーマークを取得していますが、それだけでクラウドサービスの信頼性を十分に判断できるとは限りません。
その理由は、「仕組み」と「運用」の評価の重点や範囲の違いにあります。
例えばISMSでは、「アクセス管理のルールが定められているか」「セキュリティポリシーが策定されているか」といった"仕組みの整備"が重視されます。
一方SOC2 Type2では、それらのルールが実際の運用の中で適切に実施されているか、アクセス権限の管理やログの確認、障害対応などが継続的に行われているかといった"運用の実態"まで評価対象 となります。
また、ISMSは企業全体を対象とした認証であるのに対し、SOC2は特定のクラウドサービス単位で評価される点も大きな違いです。これにより、利用者は「そのサービスがどのように運用されているか」をより具体的に確認することができます。
このように、ISMSが「組織としてのセキュリティマネジメント」を評価するのに対し、SOC2は「サービスのセキュリティに関する内部統制が適切に整備され、運用されているか」を評価する仕組みです。
そのため、クラウドサービスの選定においては、ISMSの取得だけでなく、SOC2のようにサービスの運用実態まで第三者によって評価されているかどうかを確認することが重要になっています。
倉庫管理システム(WMS)は、在庫情報や出荷データなど企業の重要なデータを取り扱うシステムの一つです。特にクラウド型のWMSでは、企業の物流業務を支える多くのデータがクラウド上で管理されます。
例えば、WMSでは次のような情報を扱います。
これらは物流業務だけでなく、販売管理や顧客対応にも関わる重要な情報です。そのため、クラウドWMSを導入する際には機能や価格だけでなく、サービスの信頼性やセキュリティ体制も重要な検討ポイントになります。
また、入出荷のデータをWMSで管理している以上、WMSが停止した場合、庫内業務そのものが進められなくなります。出荷指示や在庫情報を確認できなくなることで、ピッキングや検品、出荷作業が滞り、結果として出荷遅延や誤出荷のリスクが高まります。こうした状況が長時間続けば、顧客への納品遅延や販売機会の損失にもつながり、企業活動に大きな影響を及ぼします。
そのため、WMSにおけるセキュリティ対策は、情報漏えいや不正アクセスの防止だけでなく、システムを安定して稼働させ続ける「可用性」の確保という観点も重要です。障害やサイバー攻撃によるサービス停止を防ぐための対策、万が一の際に迅速に復旧できる体制など、事業継続を支える仕組みが求められます。
SOC2報告書に対応しているクラウドサービスには、主に次のようなメリットがあります。
このように、SOC2に対応しているクラウドサービスは、セキュリティや運用体制の信頼性を客観的に確認できるという点で、クラウドシステム選定の判断材料の一つになります。
A. SOC2とは、クラウドサービスのセキュリティや運用体制の信頼性を独立した第三者が評価する報告書のことです。クラウドサービスの利用が一般化する中で、内部統制の運用状況を客観的に確認するための指標として活用されています。
A. Type1は特定時点における内部統制の設計を評価するのに対し、Type2は一定期間にわたる運用実態まで評価します。
A. 不要とは言えません。ISMSやプライバシーマークは管理体制の整備を評価するのに対し、SOC2はサービスの運用実態まで評価するため、クラウドサービス選定ではSOC2が重要な指標となります。
A. クラウドサービスの利用が広がる中で、企業は外部サービスに重要なデータを預けるケースが増えています。そのため、サービスの安全性や運用体制を第三者が評価するSOC2が、信頼性を判断する指標として重要視されています。
「出荷絶対」を支えるセキュリティ戦略 ~「SOC2 Type2報告書」取得に込めたロジザードの想い~
リンク:https://www.logizard-zero.com/columns/security-soc2interview.html
SOC2は、クラウドサービスの信頼性を第三者が評価し、その結果を報告する保証の仕組みであり、特にSaaSやクラウドサービスでは、セキュリティや運用体制を客観的に評価する仕組みとしてその重要性が高まっています。
SOC2のポイントを整理すると次の通りです。
クラウドサービスを選定する際には、機能や価格だけでなく、セキュリティや運用体制の信頼性も含めて総合的に判断することが重要です。SOC2への対応状況は、その判断材料の非常に有効な一つとして確認しておくとよいでしょう。
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ロジザードコラム編集チーム
クラウド在庫管理システムを中心に、小売業や流通業の物流・在庫管理に関する情報をわかりやすくお届けする編集チームです。導入事例、コラム、ホワイトペーパーなどのコンテンツを通じて、物流現場の課題解決や業務改善のヒントを発信しています。現場視点を大切に、皆さまのお役に立てる記事づくりを心がけています。