COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2022/06/17 インタビュー・見学物流ロボット運輸業・倉庫業(3PL事業者)

取材:プラスオートメーション様に聞く、ロボットソーターt-SortとRaaS活用のメリット ─ Vol.2

t-Sort活用メリットVol.2

「物流ロボットなしに倉庫の未来は描けない」と考えるロジザードでは、かねてより物流ロボティクスを啓蒙するとともに、クラウドWMS「ロジザードZERO」と物流ロボットとの連携基盤構築を強化してきました。そしてこのたび、物流ロボティクスサービスRaaS(注)を提供するプラスオートメーション株式会社様が取り扱う、次世代型ロボットソーター「t-Sort」と「ロジザードZERO」の連携を実現。ソーティングロボットとして注目を集める「t-Sort」の特長と役割、さらにRaaSの活用メリットについて、前回に引き続きプラスオートメーションの西川耕平様に伺います。

注 RaaS:Robotics as a Service ロボットに関わる機能をサブスクリプション型で提供するサービス

仕分け用AGVとして世界で5,000台以上の販売実績を誇る「t-Sort」

─ プラスオートメーション様が取り扱うロボットソーター「t-Sort」についてご紹介ください

次世代型ロボットソーター「t-Sort」は、中国にあるLibiao Robot社(注)製のAGV(無人搬送車)です。Libiao Robot社は、仕分けAGVの分野では中国国内では最も導入実績のあるロボットメーカーで、世界累計5,000台以上の販売実績があります。

ロボット上部にあるトレイまたはクロスベルトに品物を載せて、走行用マット上で運搬・仕分けをします。バーコードなどの認識情報を読み込むことで、店舗別、ECオーダー別、方面別、返品等の各仕分け作業を自動的に行います。アパレル、食品、化粧品、医薬品、日雑品などの商材はもちろん、宅配便の段ボール、同梱物、店舗出荷・店舗別伝票類などの紙も一緒に仕分けられるため、非常に効率よく作業ができます。

「t-Sort」には次のような3つの大きな特長があります。

「t-Sort」の3つの特長

特長① 簡単導入

導入・設置・セットアップまで、最短1日で稼働可能。調達からシステム導入までも、最短1カ月です。

特長② 柔軟性

能力、仕分け先、投入口などのすべてが可変で、柔軟に対応。設置場所を問いません。

特長③ 省スペース

最大450間口を防火区画内に設置可能。同じ間口のコンベア式ソーターに比べ半分以下の設置面積です。

現在、リリースされているものは3タイプで、「何を運ぶか」「どの程度の重量か」で選択できるラインナップです。トレイ上に載せたものを傾けて落とす「チルトトレイ」タイプと、ベルトがスライドして品物を真横に滑らせる「クロスベルト」タイプがあります。また、近々アーム式のトレイで立体的に仕分ける事で省スペースで多数の間口への仕分けが可能な「t-Sort 3D」をリリース予定です。

仕分け t-Sortハードウェア


24時間365日の保守を含む、オールインクルーシブのサブスクリプション契約

― 保守体制について教えてください

24時間365日のオンコール体制です。当社がRaaSで提供するサブスクリプション契約には、原則として保守が含まれており、オンコールで受け付けた内容に応じて対応します。今はリモートで1次対応したうえで、故障機についてはセンドバックの方式を採っています。契約には、ロボットだけでなくソフトウェアの定期的なメンテナンスやアップデートも含まれていますので、安心して最新のロボットソーターをお使いいただけます。

― RaaSならではの活用メリットでもありますね。RaaSの仕組みについて詳しく聞かせてください

「RaaS(Robotics as a Service:ラース)」とは、ロボット本体とロボットを動かすためのシステム(ソフトウェア)一式を、月額定額制で提供するものです。月額料金には、導入前はもちろん導入後の活用のためのコンサルティングや、ロボットと運用システムのレンタル料、そしてロボットやソフトウェアの維持管理とアップデート、さらに契約満了時の撤去費用をすべて含みます。購入でもリースでもレンタルでもない、物流ロボティクスをオールインクルーシブで提供する仕組みです。

+Aの提唱するRaaS

設備投資(固定費)ではなくサービス利用料(変動費)とすることで、ROA(総資産利益率)を向上させるうえ、小規模で始めて波動などにあわせてフレキシブルに拡張できるメリットがあります。また、ロボットやソフトウェアは非常に進化が早く、所有による陳腐化リスクも考えなければなりません。様々なリスクを低減し、初期投資を抑えてロボットによる自動化、つまり物流ロボティクスをスモールスタートできるのがRaaSの利点です。さらに、ロボティクスによる業務改善や業績向上のために、コンサルテーションを通じてお客様と並走します。これがサブスク契約にすべて含まれます。特に3PL事業者様にとっては、以下の点からもメリットが大きい仕組みだと考えています。

3PL事業様にとってのRaaS活用のメリット

  • 荷主様との契約期間に合わせてRaaS契約ができる
  • スモールスタートが可能で柔軟に拡張できる
  • 既存のオペレーションやシステムの大幅改修を伴わない
    (WMSはロジザードZEROとの連携が可能)
  • 導入リードタイムが短く、稼働を止める必要がない
  • 省人化効果が見込める
  • 誰でも操作可能でパフォーマンスが平準化される
  • 誤検品、誤出荷が回避できる
  • シミュレーションで、事前に導入イメージ(処理能力など)が具体的にわかる

デメリットとしては、購入と比較すると、3~4年以上の利用で損益が逆転するケースがあることです。長期間、物量が変わらず、オペレーションも拠点も変わらない、という場合はコスト的には購入の方が費用を抑えられます。 ロボットそのものは無線操縦装置(ラジコン)のようなハードウエア構成ですので、技術的進化はそれほど大きくありませんが、システム周りのソフトウェアは日々大きく進化しています。常に最新のシステムが使えることも、RaaS活用のポイントです。資産にしたいか、最新サービスを受け続けたいかは企業の思想によります。もし、上記のRaaS活用メリットにピンとこないなら、購入を検討されるとよいかと思います。


クラウドWMS稼働数No.1「ロジザードZERO」との連携が実現

― このたび「ロジザードZERO」とも連携し、ロジザードユーザー様にはすぐにでもお使いいただける環境が整いました。連携にあたってのエピソードなどをお聞かせください

ロジザード社は多くのEC を含めた日用消費財を取り扱う企業に多くの導入実績があります。t-Sort もアパレルを中心に消費財の仕分けに最も効果があるロボットであり、「ロジザードZERO」とは親和性が高いと考えました。 まずは入荷・返品時の仕分け業務におけるデータ連携が実現しています。アパレルは実店舗をお持ちのお客様も多く、店舗からの在庫戻しの際にはブランド仕分け、品番仕分けといった業務が発生すると思います。この時にぜひ活用していただきたいですね。

今後も出荷や方面別仕分けなど、連携のできる対応業務を増やして、ユーザーの皆様に更なる効率化をご提案したいと思います。


契約企業の満足度が高いRaaSでの「t-Sort」活用

― t-Sortの現在の導入状況について教えてください

大手3PL様、荷主様ともに導入拠点数は拡大しており、現在国内では2,000台以上、32サイト以上で稼働しています。導入先のお客様からは、導入のリードタイムの短さや省人化効果を特に高く評価いただき、リピートや拡張のご依頼が増えています。シミュレーションとの乖離がなくパフォーマンスが引き出せるので、導入後の解約はほとんどありません。


まとめ

現状の倉庫環境を変えずに仕分け作業の自動化を考えるなら、ロボットソーターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。大がかりな設備を必要とせず、初期費用ゼロ・月額で物流ロボティクスをオールインクルーシブで利用できるRaaSというサービスがある時代です。これを利用しない手はないでしょう。

RaaSで倉庫の自動化をサポートするプラスオートメーション様では、ロボットソーターのみならず様々な物流ロボットを活用してお客様の物流課題を解決されています。R&D/デモスペース「cube」では、ソリューションの動作の確認やデモ体験、新たなロボットもオープンに公開されていますので、物流ロボティクスにご興味のある方は見学をお薦めします。
https://plus-automation.com/

物流現場や中小物流会社を熟知するロジザードは、ロボティクスなくして今後の物流業の発展はないと考えます。物流ロボットは早く導入するほど、高い効果が期待できます。「ロジザードZERO」との連携により、「t-Sort」をロジザードユーザーの皆様に導入していただきやすい環境が整いました。「t-Sort」について、あるいは物流ロボティクスについてもっと知りたい!と興味をお持ちの方は、どうぞご遠慮なくロジザードにご相談ください。

西川耕平氏
セールス&マーケティング部 セールスストラテジーグループ マネージャー

半導体製造装置メーカー、大手化学企業での法人営業を経てプラスオートメーションへ入社。 同社では営業管理からパートナーリレーション構築までの販売戦略全般を担当。現場系の物流会社出身者が揃う同社営業部隊を、持ち前のガッツと豊富な法人営業キャリアで引っ張っている。
https://plus-automation.com/

クラウドWMS(倉庫管理システム)『ロジザードZERO』に関するお問い合わせ
https://www.logizard-zero.com/contact/