COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

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物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

2020/10/28 ECオムニチャネルリアル店舗在庫管理

苦境にある店舗小売りが、今起こすべきアクションとは~データの見える化・OMO~

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新型コロナウイルスにより、人々の生活様式や社会の仕組みが変わろうとしています。人々の行動を抑制する感染症は、消費行動にも大きな影響を及ぼしました。外出自粛により、観光業全般や生活必需品以外の小売業が打撃を受ける中、百貨店やファッションビル、ショッピングモールなどに出店していた店舗は、特に苦境に陥っています。緊急事態宣言により約3か月、アパレルをはじめ、在庫を持つ商品を扱う多くの小売店舗が営業できない状態に置かれ、水面下にあった過剰生産、過剰在庫などの小売業の課題があぶりだされました。これからの時代を見据えて、小売業が今打つべき手とは? ロジザードでは、在庫の視点からこの問題を考えてみました。

コロナがもたらした購買行動の変化

感染症対策に伴い、リモートワークなどの環境整備を含め、社会生活におけるデジタル化が一気に進みました。従来あまりインターネットを利用していなかった世代でさえ、必要に迫られてオンラインショップを利用するようになり、EC需要が大きく伸びています。食料や消耗品などの生活用品や、テレワークに必要なアイテム、自宅での生活を豊かにするインテリアや家電、ガーデニング、DIYなどの需要は特に顕著で、EC利用のすそ野が広がりました。利便性に気付いた人たちは、今後もECを利用し続けていくでしょう。

こうした流れの中、人々は近隣の情報もインターネットで調べるようになりました。従来はインターネット=広域という認識がありましたが、広域、狭域に関わらず、「オンラインで情報を得てから行動する」という消費行動が一般的になっています。

ロジザードの出荷データを見ると、コロナ禍の4月にはECの出荷点数が初めてBtoBを超えました。その後もEC出荷は、右肩上がりで伸び続けています。一方、在庫・出荷情報からは、アパレルなどファッション系企業の多くが今後かなり厳しい状況になるのではないかと危惧されるデータも読み取れます。

多くの店舗が再開したにもかかわらず、来店客数はそう簡単には戻りそうにありません。ファッションはそもそも「人に会うためのもの」。ところが、コロナ禍で人に会う機会が少なくなり、需要そのものが落ち込んでおり、この傾向はまだしばらく続くと予想されます。店舗は、「コストダウンを図る」か「オンラインで売る」かして、売上の減少分をカバーしなくてはなりません。

大量生産、大量販売方式が生む品質劣化と過剰在庫

落ち込みが顕著なアパレル業界では、百貨店の苦境や大手メーカーの倒産・民事再生手続き、相次ぐ老舗ブランド・人気ブランドの統廃合など、あまり明るいニュースがありません。リーマンショック前後から課題として認識されていた、「生産過多」「過剰在庫」「品質劣化」の悪循環に、企業の体力がこらえきれなくなったといえるでしょう。

かつては大量生産・大量販売することで、コストを押さえつつも品質を担保することができていましたが、多品種小ロットが求められるようになっても手法は変わらず、いつの間にか「安価で販売するために、品質を落として大量生産する」流れが定着しています。企業利益を最大化しようと、原材料や生産手法への投資を怠って大量生産の道を進めば、製品の品質は当然下がります。品質感の劣化に対する消費者の目は厳しく、SALE価格になるまで購入を見合わせることが常態化して、利益率の低下と滞留在庫の増加につながっています。

アパレルを例にとりましたが、程度の差こそあれ、製造~小売りの現場では同様の課題があります。そろそろ販売数、在庫数のデータから販売予測を立て、エンドユーザーが納得できる価格と品質で販売できるよう、適正数でのモノ作りに変わっていく必要があるのではないでしょうか。

在庫問題の解決につながる、新しい消費行動

過剰在庫の課題を解決するポイントは2つです。

在庫にならないように、上流=生産からの流通をコントロールする

在庫をできるだけ早くキャッシュ化する

在庫が生じないように生産するには、完全受注生産がベストですが、現実的には難しいものです。しかし、メーカーとして上流(生産)工程から適正に生産量をコントロールできれば、過剰在庫の抑制はある程度図れるでしょう。また、販売の現場が的確な判断で価格をコントロールしたり、販売するチャネルを増やしたりするなど、滞留在庫になる前に売り切る仕組み作りも必要です。

一方で、この問題の解決につながりそうな動きも出てきています。例えば、メーカーがユーザーに直販するD to CDirect to Consumer)モデルの隆盛や、サスティナブルな消費行動の奨励、ESG(環境・社会・ガバナンスの頭文字)を意識したエシカル消費(倫理的な消費行動)の動きなどがそれにあたります。

D to Cにおける店舗は「ショールーム」的な役割を担い、実際の製品を見たい、触れたいというユーザーニーズに応えながら、メーカーとのリアルな接点として機能することから、店舗の在り方、位置づけを変えるものとして注目されています。また、クラウドファンディング型の販売方法も増えてきています。クラウドファンディングで、いわゆる「前倒し購入」が可能になり、メーカーは完全受注生産に近い形で製品を製造し販売することができます。

こうした新しい消費行動は、Z世代(※注)以降の世代では常識的なものになるかもしれません。まだしばらく時間がかかりますが、丁寧なものづくりと在庫リスクの低減に挑戦するための道の一つとして、アパレルメーカーは注視すべきではないでしょうか。
※注:
Z世代:ミレニアム世代に続く世代。概ね、2000年代初頭以降に生まれた世代を指す。

とはいえ、完全受注販売など無在庫販売で成り立つリテールビジネスは少なく、小売業は今後も在庫のくびきから逃れることはあり得ません。将来像を描きつつも、今の消費者に対してどう販売していくか、販売機会や接点をどう作っていくか、対策をとる必要があります。

小売業がとるべきアクションは2

データの見える化

まず、一番に着手すべきアクションは、商品の流れをデータで見える化すること。これまでどんぶり勘定で何とかやりくりしてきた企業も、この先はその手法では立ち行かなくなります。なぜなら、消費者は自分が求めるものに対して積極的に情報収集し、価値を見出したものにのみお金を投じる行動に変わってきているからです。POSCRMと連動するなどしてデータを取得している企業も、KPIを設定したうえで、きちんとデータ分析ができているでしょうか?

数字は、一喜一憂するためのものではありません。取得したデータを分析することで、お客様が何を求めているのかを探り、アイディア(仮説)に基づいてアクションを起こす。アクションに結び付くデータを取得し、分析することに意味があり、PDCAサイクルとセットで運用することが大切です。ただし注意したいのは、データが取得できるツールや分析ツールを入れれば、たちどころに消費者ニーズが分かる、と勘違いをしないこと。ツールが活きるのも、使う人のアイディア次第。想像力を発揮して仮説を立てて行動し、得られたデータを分析して、次のアクションを創造するサイクルで使ってこそ、意味があります。

必ず見てほしいのは在庫データです。在庫データは、「有るか無いか」を表す単純な数字だけではありません。店舗の利益を決めるうえで重要な数字であり、在庫データが示す意味を知ってアクションを起こせば、店舗に必要な利益を確保できるようになります。在庫起点で利益を確保するために有効な分析、アクションについて解説したコラムがあります。アパレル業界向けの内容ですが、原理・原則はあらゆる小売業に共通するものです。ぜひ参考にご一読ください。

こちらのコラムがおすすめです。

アパレル専門店の利益を決める、「在庫」起点の分析・アクションとは?

https://www.logizard-zero.com/columns/analysis01.html

OMO

もう一つ大切なアクションは、オンラインとオフラインを融合させる施策、OMO化への着手です。OMOOnline Merges with Offline)とは、「オンラインでオフラインを併合する」という意味。顧客の行動起点と終点は常にオンラインにあると位置づけて、店舗もオンライン体験の一部として再設計してマーケティング活動を行うことを指します。オンラインとオフラインという2つの世界を切り分けて考え、双方間の行き来を促すO2OOnline to Offline)とは、異なる手法です。

コロナ禍でOMOの必要性を認識し、すでにECに着手し始めた店舗もあるでしょう。オンライン化の流れは止まりませんから、今すぐに着手できなくとも、自社にとってのOMOの理想形を描くことは重要です。そのためにはまず、在庫を一元的に持ち(在庫を一つのザルの中にまとめて管理する)、全店舗の在庫をどこからでも販売できるような基盤を作ることが先決です。商品を滞留在庫にせずできるだけ早くキャッシュ化するためにも、オンとオフに点在する在庫情報を一元化して、あらゆる機会に販売できる体制を確立しましょう。

消費者のニーズに合わせた販売方法を

狭域も同様です。UberEATSの成功を見ても分かる通り、小売業はその距離や時間に関わらず、「ネットで注文して届けてもらう」「ネットで注文して自分の都合で引き取りに行く」といった流れが確実に進みます。消費者側には、そのニーズがあるのです。お客様のニーズにあわせて届ける手順、方法を持たなければ、生き抜くことは難しくなるでしょう。こうしたニーズに応える体制作りの一歩が、商品の全体像を見られる状態にすること、すなわち在庫情報を一元で「見える化」することです。

データの「見える化」を検討されている、まずは相談したい、という方はぜひお問い合わせください。ロジザードのクラウド在庫管理システムで何が実現できるかをご提案させていただきます。

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