COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

2022/03/18 EC・通販事業者インタビュー・見学物流業務の効率化運輸業・倉庫業(3PL事業者)

ジーエフ様の物流業務改善事例に学ぶ、荷主と倉庫の関係性構築

ジーエフ様の物流業務改善事例に学ぶ、荷主と倉庫の関係性構築

EC需要が伸びている今、物流業務を委託される企業様が増えています。その中で、どのように委託先を決めるとマッチしやすいか、委託先の3PL事業者様とどのように付き合うと良いのか、また業務改善を依頼したいが言いづらい、といったお悩みが出てくるのではないでしょうか。
そこで今回は、物流業務委託後の業務改善について、多数のBtoB・BtoC物流を支援されている3PL事業者、ジーエフ株式会社(以下、ジーエフ)国内事業本部 国内業務部第4グループ課長支店長の足立様と、ジーエフ様の荷主でアパレル企業の物流担当である中村様にお話をお伺いしました。
3PL事業者様の関係性構築や、両者協力のもと物流改善を行った事例として、ぜひ参考にしてください。

商材、業務にフィットしないWMSの切り替え

─ 物流業務の改善に取り組むことになったきっかけを教えてください。

中村様 中村様:
ジーエフ様に物流業務を委託して、1年経ったときに振り返りをしたところ、思ったよりも生産性が上がっていない、ということが気になりました。当時の出荷数であれば大きな問題はないのですが、今後の成長戦略に基づく物量の拡大を前提に考えたとき、来年、再来年は現場の人数を増やさないと出荷が追い付かないことが見えていました。現場の人数を増やすということは、結果的に人件費増になって荷主である私たちにも跳ね返ってきます。必要のないコスト投下は避けたかったので、生産性が上がらない点に課題を感じていました。

足立様 足立様:
ジーエフとしても「少数精鋭」で業務にあたっているため、人数を増やして対応することは得策ではないと考えていました。そこで、アパレルという商材と業務フローが合っているのか、その業務フローがWMS(倉庫管理システム)と合っているのか、と物流業務の全体的な見直しを荷主様にご協力いただきました。毎月のKPIや課題解決や検討を繰り返し、まずは使用していたWMSが業務にフィットしていないと判断し、「WMSを変えよう」という結論と判断に至りました。切り替えにあたって多くのWMSがある中で、弊社での利用実績もあり、アパレルとも相性のいい『ロジザードZERO』をご提案しました。

ジーエフでは、荷主様のさまざまなリクエストに答えられるロジザードZEROを標準WMSとして採用していますが、荷主様のご要望により指定されたWMSを使うことも可能です。ただ、今回のようにWMSが今後の荷主企業様の成長に置いて課題、ネックになると判断した場合は、WMSの切り替えをご提案しています。


日頃の密なやり取り、コミュニケーション

― 一緒に業務の棚卸をした、とのこと、普段からコンタクトを取り合っていたのでしょうか。

足立様:
ジーエフでは月1回、荷主様との定例会の時間を設けており、入荷予定を確認したり、出荷件数の見込みや販促スケジュールなどを共有していただいたりしています。

中村様:
スタートアップだった事もあり、毎月の需要予測や計画を共有し現場レベルでの準備を続けてきました。予測や計画が安定している状況とは言えない中、運営を安定させるべき課題として、部分最適ではなく全体最適を目的に日常の対応対策とGOALの認識合わせを普段から行えたと感じています。

あと、当社では業務委託している業務は他にもあるのでが、半期ごとの振り返りとしてパートナー企業様に集まっていただいて合同共有会を開催しています。各社さんと当社とで一緒に立てた目標に対しての目標や達成、次に行うアクションプランのプレゼンテーションを実施していただく共有会です。
こちらに、ジーエフさんにも参加していただいていますが、毎月のKPI報告でも良い結果を残し、目標達成率やアクションの内容が素晴らしいです。成果として過去に2回MVPを受賞いただいております。

足立様:
ありがとうございます。イベントにも呼んでいただき、コミュニケーションはかなり取れていると思います。そして、中村さんには現場によくいらっしゃっていただけた事もあり、一緒に現場を見て話し合いやアイデア、チャレンジができたことも大きいです。


パートナーという関係性の構築

― 基本的なことかもしれませんが、やはりコミュニケーションを取り合うことが大事ですね。他にも良好な関係性を構築、維持するために必要なスタンスなどがありましたら教えてください。

中村様:
荷主側の企業文化や物流位置づけなど各社ポジショニングにもよるところが大きいかと思いますが、3PL事業者さんをどのように考え、付き合っていくのかによるのかもしれません。私は、1つの業務成果を出すためにも同じ会社、同じ部署のメンバーのような関係性をイメージしてきました。業者ではなく、同じ目的と成果を目指すパートナーとした関係性です。

足立様:
中村さんがそのように考えてくれていたので、実際に密に連絡を取り合って関係構築ができました。現場によく足を運んでいただけるのもポイントの一つで、現場を見ながら状況の共有や改善相談ができるのはありがたいです。

中村様:
パートナーとして考えたときに、3PL事業者さんの理解が必要だと思いました。例えば、3PL事業者さんは出荷数が多い場合は人員の手配が必要です。こちらとしては、なるべく受注したものは早く出荷してほしい、でも人員が揃えられずにリクエストに応えられないと3PL事業者さん側のペナルティになります。
単に、「この日はセールだから〇件受注予定です」と伝えて人員を手配してもらっても、こちらも予定通りにいくかはその日にならないと予測できないところがあります。折角人員を手配してもらったけど実際はそんなに人数が必要なかった、となった場合でも3PL事業者さんには追加した人員の人件費が必ず発生します。しかし荷主側には、契約上、稼働した分、1件、1つの作業に対していくら、という従量分の請求しかできません。これに対して「契約で決まっているから」と押し切ることはできるのですが、一方的な話を続けていては、3PL事業者さんがしんどくなってしまいます。

こういった理解をふまえ、継続的な関係性を考えたコミュニケーションを行ってきました。月1回の定例会で計画、実績、その返りに対しての双方のコミットを繰り返していく。ただただ単純な打ち合わせに見えるかもしれませんが、指示や依頼ではなく双方で理解しあえる形になったことが良かったのだと思います。実際、私たちの物流チームが他業務などでなかなか動けていないときは、ジーエフさんがサポートに入っていただき、一緒に関係性構築を推進してくれました。

足立様:
物流面については、基本的には荷主様よりも3PL事業者に知見があると思います。そこはジーエフだからできるご提案を心がけています。物流面でのサポートや意見を荷主サイドに立って解決や対応が行える関係性ができたことが、結果として今回の業務改善案としてWMSの切り替えのご提案に繋がったと思います。


検証結果:作業効率250%アップ、在庫差異0

― 業務改善に取り組み、実際にWMSを切り替えた効果はいかがでしたか。

足立様:
従前のWMSとロジザードZEROで効果検証したところ、まず入荷に関しては入荷から保管ロケーションに格納するまでの時間が40%短縮されました。

中村様:
商品が倉庫に届いてからECサイトに在庫計上される時間も50%短縮されて、今まで販売までの機会損失もあったんだな、と気づきました。WMSの切り替えにより商品展開が早くなったことは、弊社としても見えていなかった点ではありますがメリットが大きかったです。

足立様:
以前のWMSでは、仕様上、在庫計上のタイミングが入荷して保管ロケーションに格納したタイミングだったのですが、ロジザードZEROは入荷検品すると在庫計上されます。WMSは同じ「入荷機能」であっても、こういったところで違いがありますね。

次に出荷ですが、こちらは250%作業効率がアップしました。出荷データ取り込みに非常に時間がかかっていたのですが、短時間で済むようになりました。これだけ効果がでたことにはいくつか理由があります。一つの例としては、検品でハンディターミナルを使った後、今度は出荷確定に再度ハンディターミナルの検品と同じような操作が必要になることです。

出荷業務は、一番時間がかかるのはピッキングです。ピッキングも切り替え後のオペレーションですぐに大きな効果がでました。
荷主様の主な出荷先はエンドユーザー向けということ、また在庫品は品番数が多いが縦積みは多くないという特性がありました。品番数が多いことで、ロケ数が多くなってしまうため、ロケ設定が細分化されてしまっていました。そのため、この現場ではフリーロケーションを採用しています。
以前のWMSは、ハンディーピッキングでハンディターミナルに表示されるタイプでした。プログラムにはなりますが、ランダム指示という仕様でした。なので、次のピッキングリストを画面表示するまで、次に自分がどこに移動すればいいのかがわかりません。品番ごとに保管する保管ロケーションとは異なり、フリーロケーションでの在庫管理では、Aブロックの商品を取りに行って、次はDブロック、その次はまたAブロック、みたいに行ったり来たりすることが起きます。仕様変更が行えずピッキングに多くの時間を要したことが生産性向上に至らなかった要因の1つです。

ロジザードZEROに切り替えて、ハンディターミナルを活用したピッキングを止め、紙ピッキングを採用しました。現場によってはハンディーピッキングの良い面もありますが、先ほどお話したようにエンドユーザー向けの出荷であることとロケーションの数が多いという場面から紙ピッキングを採用しました。紙ピッキングにより、1ピッキングに集中できるようなオペレーションとしました。紙ピッキングの効果として、リスト出力するときのブロック指定ができること、ピッキングリストに印刷されているピッキング商品の順番がロケーション順になっていること。当たり前のような話かもしれないですが、作業者へ指示をする前段階から効率的に準備が行え、作業者もシンプルに指示通りに指示されたブロックにまっすぐ取りに行くだけとなりました。

紙を見ながら書いてある通りにピッキングするだけとシンプルになったことで、現場への熟練度が高くなくてもピッキング効果に向上性と安定ができたというメリットがありました。ハンディターミナルの複雑な操作を教える必要がなく、そもそもハンディターミナルの本数に縛られずに繁忙期だけ現場に応援を頼むこともできます。

中村様:
業務効率化が行えたことで生産性が上がり、出荷キャパが目に見えて上がりましたね。今までなら増員して対応していたところを、増員に頼らずにセール時などの繁忙期に対応いただけました。増員に頼らないことで固定メンバーでの活動になったこともあり、作業ミスも減少し多方面でも効果がでているように感じております。

足立様:
最近棚卸を行ったのですが、実棚での在庫差異が0でした。棚卸はお預かりしている商品が合っているかどうかの、大事な確認業務です。日々の業務の積み重ねの結果ではあると思っております。日常的な業務効率化が実現でき、さらにこのように良い結果が荷主様へご報告できたことは本当に嬉しかったです。

中村様:
WMSの切り替えのご提案をいただいて、どのように現場が変わるか説明を受けましたが、効果がでそうなイメージはありましたが、実際にこのような効果がでたというのは想像以上でした。棚卸の報告を聞いたときは、WMSの切り替えを早く決断してよかった、と思いました。


基本の「整理整頓」と「環境整備」に取り組む

― 日々の関係性構築、お互いのメリットを考えて、協力し合っての業務改善、まさに「パートナー」だと思います。
足立様、3PL事業者という立場からの今後の取り組みについてお聞かせください。

足立様:
「荷主さんの期待に応えていきたい」というのが常に1番にあります。それを考えたときに、重要なことは「整理整頓」、この基本的なことを継続して取り組むことです。実際に、倉庫見学にいらっしゃる方が経営層の方でも担当者の方であっても、見るところはぱっとみの印象が大きいと思います。
現場がきれいかということは、きちんと管理されていると映ります。なので整理整頓を意識して、日々実施しています。整理整頓は基本ではありますが、結構現場にいるとおろそかになってしまったりします。雑な倉庫では、商品が汚損や紛失してしまうといったことも起きてしまう。整理整頓ができる倉庫はそういったことが起きないと思います。

整理整頓にWMSが関係は少なく感じるかもしれませんが、実は結構関係性が高く、以前のWMSでは商品整理をしたくても棚移動の手続きが煩雑で業務負荷が高く、なかなか整理に時間を割くことができませんでした。ロジザードZEROに変更してからは棚移動もスムーズなので、商品の整理を行いやすくなりました。結果としてロケーション整理やロケの充填率や適応数などの計画性も実現できました。

今のジーエフに満足されている荷主様は基本的な整理整頓のルーチンができているところと、それにより精度の高い在庫管理が行われているところだと自負しております。今回のように在庫差異0という結果にもまた、一層の信用をいただけていると考えています。

そしてこれを実現するために必要なことは、荷主様や現場で働くスタッフの皆が協力してくれるような「環境整備」です。この環境整備のために積極的に取り組んでいるのは社員の教育です。「精度を上げるためにみんなで頑張っていこう」、となったときに繁忙だったりすると指示だけして、現場のスタッフ任せに陥りやすいですが、当社は社員による確認業務は欠かせないものと考えています。どんなときでも、どんなに現場スタッフが協力してくれても、社員が責任をもって最終確認をする、これを徹底して指導しています。

物流委託していだだく案件はさまざまで規模の大小もありますが、基本的に大事なところは変わりません。 ジーエフは整理整頓と環境整備を心がけて、今後も「少数精鋭」のチームで、荷主様のパートナーとして、物流を支援していきたいと思います。


委託する目的の明確化と関係性構築が大事

― 中村様、荷主という立場から、委託先の3PL事業者を選定する際のポイントがありましたら教えてください。

中村様:
会社が物流の機能に何を望んでいるのかをしっかりと考えて、3PL事業者にお伝えすることが大事だと思います。まずは荷主側が委託する理由を明確化した方がいいです。

私たちは一つのテーマとして、QCD(クオリティ:品質・コスト:費用・デリバリー:納期)のバランスの最適化を重要視していました。「在庫管理は品質よく、ミスなく早く出荷してほしい。でもお金は出さない」というのでは、バランスが取れない。3PL事業者さんとも話がかみ合わなくなります。

荷主である自分たちが目的を明確化して、3PL事業者さんを理解する。3PL事業者さんを選定するとなったときにどの会社も一長一短あって難しいと思いますが、最後はどの会社様でもしっかりと話せる関係性を作れるかが大事だと思います。
私たちはジーエフさんとパートナーとなれて、このような関係性が作れてラッキーでした。

ジーエフ様倉庫風景

月1回の定例会や倉庫見学、半期の合同共有会など、「パートナー」として接点を持つことにより良好な関係が築け、「パートナー」となることで何かあったときに相談ができたり、最適なご提案を頂けたりするのだと思いました。
足立様、中村様、この度は取材にご協力いただき誠にありがとうございました。

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導入事例:ジーエフ株式会社様
https://www.logizard-zero.com/cases/g-f.html