COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2024/02/02 システムメーカー・製造業在庫管理運輸業・倉庫業(3PL事業者)

同梱と同封とは?通販サイトの売上を上げる効果的なリピート施策をご紹介

同梱と同封とは?通販サイトの売上を上げる効果的なリピート施策をご紹介

EC市場が拡大していくにつれ、このビジネスチャンスを逃すまいとさらに多くの企業が参入し、EC事業者間の競争も激化しています。他の事業者との差別化を図り、持続的に顧客の心をつかむための施策の一つとして、改めて注目されているのが、「同梱」「同封」です。顧客満足度の向上を図るとともに、新規商品の訴求を高めてリピート購買を促す取り組みは、店舗を持たないECビジネスでは他社との差別化を推進する上で、欠かせないポイントになります。
こうしたEC戦略を構築する際に、効果を最大化できる活用方法について考えてみましょう。

物流の世界における「同梱」と「同封」の共通点と違い

決定的な違い、それは「何に入れるか」

「同梱」と「同封」。なんとなく使っているこの二つの言葉の違いをご存じでしょうか?1つの入れ物に複数のモノを入れることを指すこの言葉には、実は明確な定義があるのです。

まずは、「同梱」について考えましょう。物流の中でも通運・運送業で多用される「同梱」とは、「1つの『箱』に複数の案内や商品などを入れること」を指します。ECビジネスでは、段ボール箱で商品を発送する際に、商品案内チラシや試供品を入れることがありますが、まさにその取り組みが好例です。

そう考えていくと、「同封」の定義も分かりやすく整理できますね。「同封」は、「1つの『封書(封筒)』に複数の書類などを入れること」を意味します。例えば、書類などを封筒に入れて送る場合に、返送用の封筒を一緒に入れる場合に使います。広く物流ビジネスの枠で考えた際には、「同封」は主に書類の送付時に使う用語であると言えるでしょう。


ECビジネスにおける同梱物の現状とその狙い

EC商品に同梱・同封されるチラシやカタログの役割とは

ECで注文して届いた商品の箱を開けると、商品のほかに大量のチラシやカタログが添えられている――。皆様もしばしば経験していることでしょう。商品をECで顧客に販売する場合に、店舗を持たないハンディとなるのは、広告宣伝の機会が限られることです。

店頭で販売するならば、陳列棚や壁面などに商品の特徴や価格などを訴求する宣伝広告を打ち出すことができます。しかし、箱詰めで直接、注文客に商品を届けるECの場合は、こうした購買段階における顧客への宣伝活動がウェブサイトのコンテンツに事実上、限られてしまいます。

そこで効果を発揮するのが、商品に同梱・同封するチラシやカタログです。同じ商品の購入を促すのであれば、それを販売するEC事業者などのインターネットを活用するのが便利でしょう。とはいえ、EC事業者は「新たな商品を追加で購入してほしい」「同じ商品での様々なラインアップを知ってもらいたい」といった新規の購買の機会を訴求することで、ビジネスを拡大させようと考えます。

店頭で現金決済を前提とした既存の消費スタイルでは実現が難しかった、クレジットカードなどキャッシュレスでの商品購入を基本とするECならではの販売戦略を構築する上で、こうした販売促進ツールの同梱・同封活動は、顧客拡大の大きな布石になるわけです。

商品サンプルからクーポンまで、拡大する「同梱・同封物活用」作戦

最近では、商品そのもののサンプルを同梱・同封することで、「購入時に商品を直接触れて確認できない」というECサービスの最大の弱点を補う取り組みも広がっています。

さらには、アンケートや電子決済で使えるクーポンを導入するケースも見られます。対面できない顧客の購買意欲や目的などをアンケートで把握して、より顧客に寄り添った販売促進活動につなげる取り組みです。


商品に同梱・同封物を添えるメリットと課題

顧客ロイヤルティ向上につなげるために

こうした同梱・同封物に注力する動きは、もはや宅配サービスの常識となっています。商品に同梱・同封したカタログで次回の購入商品の選定を促し、ウェブサイトで購入する仕組みは、新たな消費スタイルの定番として、世代を問わず普及しています。

なぜEC 事業者がここまで同梱・同封活動に力を入れるのか。ここで重要な観点となるのが、顧客の囲い込み、つまりロイヤルティの確保・向上です。

各戸に商品を直接届ける宅配サービスの特徴として、EC事業者はそれぞれの顧客の趣向を購買履歴データやアンケートなどで把握することができます。こうした情報を駆使することにより、顧客の購買動向を探りながら、その意向を先取りした商品提案をチラシやカタログで進めることができるのです。

こうした顧客ロイヤルティの確保・向上策は、消費者にも商品を提供する事業者への愛着や信頼を醸成することになり、いわば相乗効果を創出することになります。それに成功したEC事業者は、顧客の購入意欲をさらに喚起することで顧客の囲い込みを実現し、ライバルの事業者との競合を優位に進めながら業容拡大を図っていくわけです。

同梱・同封物を取り入れるうえでの注意点

EC事業者は、こうした商品への同梱・同封業務について、物流倉庫の運営事業者に委託しているケースが多くなっています。商品の開発や関連するウェブサイト構築などに注力したいEC事業者と、拡大傾向にあるEC関連ビジネスに商機を見いだすことで持続的な成長を実現したい倉庫事業者の思惑が、一致していることも背景にあります。

とはいえ、こうしたスタイルが円滑に稼働するか否かは、両者のスムーズな連携にかかってきます。例えば、新商品を告知するチラシの同梱・同封にかかる情報の共有がうまくいかない場合は、EC事業者が送りたい顧客にその案内が届かず、結果として購買行動につながらない事態を引き起こすことになりかねません。

さらには、倉庫事業者サイドでの業務処理能力も重要な観点でしょう。同梱・同封作業に必要な機器や人員、ノウハウが整っていないと、同梱・同封物の入れ間違いや入れ忘れ、さらに納期未達などのトラブルの要因となるためです。


リピート施策の成否を握る戦略とWMSの導入効果

リピート顧客と同梱・同封施策の関係性

EC事業者にとって、最も重要な施策の一つが「リピート顧客の創出・拡大」です。インターネットですぐに商品を注文して決済できる便利さが利点の宅配サービスですが、新規参入が多く差別化を図りにくいのも、この業界の特徴と言えるでしょう。それゆえに、EC事業者がどうしても獲得しておきたいのが固定客、つまりリピート顧客なのです。

それでは、EC事業者はどうすればリピート顧客を創出できるのか。そこでカギとなるのが、ここまで考えを巡らせてきた同梱・同封活動です。その実現に必要な考え方、それはEC事業者と同梱・同封作業を担う倉庫などの事業者との的確な連携です。

リピート施策を支えるWMSとは

EC商品へチラシなどを同梱・同封する作業は、ミスなく正確に進めることが最優先されるべきでしょう。とはいえ、増える一方の同梱・同封物の取り扱いに四苦八苦し、さらには専用の機器やシステムの導入には相当の費用負担も覚悟せざるを得ないのが実情です。

倉庫現場を中心とした、同梱・同封作業における課題に解決策はあるのでしょうか。そこで注目されているのが、WMS(倉庫管理システム)です。

WMSと言えば、物流倉庫業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化を推進する旗手として注目を集めてきた存在として知られています。そのWMSを活用することで、同梱・同封物の在庫管理やピッキング、さらには顧客に応じたパターン登録まで可能なのです。WMSの進化には、目を見張るものがあります。

リピート施策を管理するなら「ロジザードZERO」

クラウドWMSで導入実績国内トップのロジザードは、「ロジザードZERO」にこうしたリピート顧客創出に向けた同梱・同封作業の効率化を支援する機能を搭載。WMSの見地から、EC事業者とその業務を受託する倉庫事業者の業務支援を推進しています。

ロジザードZEROの同梱・同封作業の効率化支援機能の概要について、以下4点をご紹介します。

購入回数によって同梱・同封物パターンを細かく設定できる(同梱・同封開始日の設定も可能)
同梱・同封するフライヤーやパンフレットはお買い上げ明細書印字対象外に設定ができる(お買い上げ明細書へ「チラシ0円」という記載が必要なくなる)
バーコードが貼れない商品やノベルティは、検品対象外に設定ができる
同梱物をピッキングリストに反映できるため、同梱・同封ミスが減る

ロジザードのこうした取り組みで注目すべきポイントは、EC事業者と倉庫事業者の双方の最適な連携を支援する発想から生まれた機能であることです。

EC商品は様々な物流プロセスを経て消費者の手元に届けられます。倉庫や輸送トラックといった物流の担い手が、いわば店舗の代替機能を担っていると言っても過言ではありません。こうした観点で、ECサービスをあらゆる角度から支援するプレーヤーが参入することで、より成熟した宅配サービスが生まれていくのではないでしょうか。


まとめ

ここまで、ECビジネスにおける同梱・同封プロセスの存在意義と果たす役割、さらには効率化を支援する諸活動について考えてきました。新型コロナ禍が起きる以前からじわじわと普及してきたECサービスは、アフターコロナの時代を迎えた今や、国民の消費生活に欠かせない機能にまで進化しました。一方で、「物流の2024年問題」をはじめとした様々な諸課題も浮き彫りになるなど、さらなる機能強化が求められるのも事実です。

EC商品の同梱・同封活動は、こうしたECを取り巻く課題の解決を図る上で、見過ごすことのできないテーマです。国民の生活インフラとして定着した感もある、ECによる宅配ビジネスを支える同梱・同封作業の最適化は、将来の物流の「あるべき姿」を象徴する取り組みであると言えるでしょう。

ロジザードでは、購入回数によって同梱・同封物パターンを細かく設定できるクラウドWMS「ロジザードZERO」を提供しています。リピート施策をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら
https://www.logizard-zero.com/contact/

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