COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
コロナ禍で大きな打撃を受けたアパレル業界では、事業の立て直しが進む中、業務効率化とともに、多様化する顧客ニーズに応え販売力を高めようと、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えています。販売量を増やすには、データに基づいたアクションが不可欠ですが、データ活用の重要性はわかっていても、どのようなデータに着目すればよいか、何を指標に分析すべきかで立ち止まり、データ収集にとどまっているケースも多いのではないでしょうか? そこで今回は、2021年6月にクラウドWMS(倉庫管理システム)『ロジザードZERO』と連携した、アパレル向けデータ集計・分析完全自動化ツール『radial』を提供する、株式会社proces代表取締役社長の岡本大河様に、アパレルDXに取り組む企業様に向けて、特に在庫消化による収益力を高めるために着目すべきデータと活用ポイントを伺いました。3回シリーズでお届けします。
東京商工リサーチによれば、アパレル企業の倒産件数は2015年の時点で年間474件(前年比4.6%増)と、前年を上回るペースにありました(注1)。新型コロナウイルス感染拡大の前段階で、すでに月間約40件の倒産が発生していた計算です。パーソルキャリアの発表でも、2021年におけるアパレル企業の求人数が前年比87.4%(注2)とあり、業界の動向がうかがえます。
注1:参照 https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20160127_01.html
注2:参照 https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/research/2021/20210330_01/
厳しい状況下にあるといえるアパレル業界、その主な要因は次のような点にあるでしょう。
さらに現在は、上記の背景に加えて、近年注目すべき課題は以下のようなものもあります。
このような厳しい状況こそ、アパレルの基本「在庫消化率」を高める、経営の基本を大切にすべきです。
ただし、ここで注意しなければいけないのは、プロパー消化率とトータル消化率を分離すること。在庫消費率には、定価販売での「プロパー消化率」と、割引販売も含めた「トータル消化率」がありますが、重視すべきは「プロパー消化率」です。アパレル業界では、新作の発表時点では定価販売するものの、シーズン終盤の売れ残り商品はセールで在庫をさばくことが多いです。セールは消化率を上げるための劇薬であり、一見トータル消化率は改善するのですが、結果的に粗利率は下がり、利益計画を崩してしまいます。また、同時にプロパー購入者の失望や、ブランド毀損にも繋がるので、将来的なプロパー消化率を下げる可能性もあります。着目すべきはプロパー消化率です。
「在庫消化率=販売した数量 ÷ 仕入れた数量」
この数式からも、在庫消化率を改善するためにできることは、「仕入量」を減らすか、「販売量」を増やすか、であることは明快です。一見簡単そうに見えるのは仕入量を販売可能数量に近づけること(=多くのケースでは仕入量を減らすこと)ですが、どれだけ高度なAIを導入したとしても、現在の市場を読み切り、仕入れを最適化するのは困難です。さらに、仕入量を下げることは売上のポテンシャルを下げることと同義で、全体的にビジネスの規模を縮小させる一手となります。
一見、当たり前の提言ですが、企業は「販売量」を増やすことにもっと注力すべきです。個々の商品の売れ方をリアルタイムに正確に理解し、売行きに課題のある商品に素早く気付くこと。そして商品が旬のうちに、販売量を増やすためのアクションを実行すること。御社は「この商品はもう売れないからセールだね」と決めてしまう前に、その商品に対してどれだけの施策を打っているでしょうか?例えばシンプルに以下のような施策が販売量を上げます。
先ほどのアクションの数々は、データ活用により、簡単に正確に迅速に、行うことができます。このようなデータ活用は多くの企業にとって喫緊の課題です。冒頭に述べたように、変化の激しい事業環境において、アパレル企業は変化を味方につけて、素早く、質の高いアクションを繰り返していくべきです。「データ活用により、素早く、質の高いアクションを行うこと」こそ、アパレル企業がDXで目指すべき姿です。
例えば、すでにロジザードZEROを導入されている企業様は、在庫管理業務を効率化しているだけでなく、日常業務の中で、在庫情報を「データ」として保持することができています。これこそまさにDXの第一歩であり、「データ活用によって、素早く、質の高いアクションを行うこと」の前提になる状態です。次回は、アパレルDXの第二歩目として、データ活用ができる企業にどう生まれ変わるのか?というテーマを解説します。
【第2回】在庫の収益力を最大化するデータ活用とは?
https://www.logizard-zero.com/columns/basic12-02.html
【第3回】アパレルDXの課題とシステム選定
https://www.logizard-zero.com/columns/basic12-03.html
プロフィール
岡本大河(おかもとたいが)氏
株式会社proces 代表取締役社長
東京大学法学部卒業。新卒でBoston Consulting Groupに入社。その後、2019年6月に株式会社procesを設立し、アパレルMDの「知る・決める・伝える」を支援するWebサービス「radial」を開発、リリース。
https://www.radial-db.jp/アパレルDXのステップをわかりやすく解説した無料の資料を用意していますので、ご活用ください。
「アパレルDXの考え方」
URL:https://www.logizard-zero.com/whitepaper-download/dx01.html会社概要
会社名:株式会社proces
設立:2019年6月
代表取締役:岡本 大河
所在地:151-0066 東京都渋谷区西原三丁目24番5号206
お問い合わせ:info@proces.co.jp
クラウドWMS(倉庫管理システム)『ロジザードZERO』に関するお問い合わせ
https://www.logizard-zero.com/contact/