メーカー・卸業 ロジザードZERO 通販事業

WMS導入で作業時間が1/5に!店舗とEC、倉庫の連携でオムニチャネルを実現する京都のアパレル企業

株式会社ウッディーハウス
本部 商品部 係長 永嶋 友樹 様

北陸・東海 関西

1999年、京都府舞鶴市で創業された株式会社ウッディーハウス様は、関西を中心にアパレルの店舗運営およびECサイトを展開されています。自社物流での運用の中、4万点を超すアイテムをアナログで管理することに限界を感じ、ロジザードZEROを導入されました。今回は舞鶴市にある本社をお訪ねし、ロジザードZEROの導入背景と導入により得られたメリットについて、お話をうかがいました。

売上増に伴い、自社物流の倉庫管理業務がアナログ運用で限界に

― ウッディーハウス様の業務内容と特徴をご紹介ください。

ウッディーハウスは、関西を中心にアパレル3業態12店舗と複数のECサイトを展開する小売業です。創業時は実店舗のみでしたが、2012年ころからEC事業に参入し、店舗とECのどちらも売上を伸ばして成長してきました。特にECは、楽天等のモールや自社サイトでの売上が年々増加傾向にあります。10年前に比べると、イベント時における注文数は約10倍に伸びています。

当社の強みは、店舗とECの連携です。ECで購入したものを店舗で受け取れたり、店舗で試着したものをECで購入できたりするなど、お客様のご希望に応える選択肢を提供しています。そのため、店舗在庫とEC在庫の一元管理が必須ですが、ここ数年のECの急成長で、アナログによる力技での管理に限界がきていました。

― ロジザードはどのような経緯で知られたのでしょうか?

楽天ロジスティクスの倉庫見学にうかがった際、在庫管理の手法としてロジザードZEROを含むWMSの存在を知り、当社が抱える課題を解決する一助になるのではないかと思いました。2017年の終わりころだったと記憶しています。当時、受注管理システムとしてネクストエンジンの導入が先行していたので、連携実績のあるロジザードに問い合わせを入れたのがきっかけです。


ECの急成長に伴い倉庫管理業務に課題、頻出した欠品トラブル

― 導入前にはどのような課題がありましたか?

もともとは、ECサイトを立ち上げた際に導入したPOSシステムを使って、在庫数を管理していました。ECを始めた当初は、店舗にすべての在庫を置き、ECで売れたら店舗からピックアップして配送していました。そのため、店舗とECの在庫連携という発想はありませんでした。ECの売上が大きくなったことから、EC用の在庫を保管する倉庫を新設したことで、店舗在庫とEC在庫を一元管理する必要性が生じました。POSシステム側で他社のツールを使いながら一元管理を試みましたが、店舗とEC双方の在庫数の反映にタイムラグがあり、「EC上では在庫があると表示されている商品が、実際には在庫がなく販売できない」という欠品トラブルが頻発するようになりました。

欠品トラブルの要因にはもう一つ、「在庫はあるのに見つけられない」問題がありました。倉庫には約4万点、店舗を含め会社全体としては6万点ほどの在庫があります。これらの商品をブランド別にアイテムや型番などで仕分けをし、数量の管理はPOSシステム、ロケーション管理はブランド名のアルファベット順で棚を決めてアナログで管理していました。

数百にものぼるブランドをアルファベット順に振り分けてロケーションを決めていましたが、一部のブランドが大量に入荷したり、新ブランドが登場したりすると、そのボリュームに応じて棚割りを変えなければなりません。棚割りが難しい場合には、空いているスペースに臨時でサテライトゾーンを設け、「仮置き」のような形で保管していました。こうしたイレギュラー対応が度重なってブランド別の棚が機能しなくなり、あちらこちらにブランドが点在して保管されることになった結果、広い倉庫内のどこに何が置かれているかを管理しきれなくなり、「探せない」「見つからない」が頻発したのです。

物量が多いので、棚卸も業務を止めて大人数でまる一日かけて一気にやらなければならず、販売機会ロスの面で課題感がありました。仕分けも棚入れも棚卸も時間がかかるうえ、作業効率も人に依存しており、このままの運用は限界と判断し、WMSの導入を決意しました。


BtoB、BtoCいずれにも対応し、周辺システムとの連携実績が豊富なWMS「ロジザードZERO」を選択

― ロジザードZERO導入の決め手を教えてください。

BtoB、BtoCのいずれにも対応できること、なにより自社物流を前提に当社が望む運用に沿う、最適な方法をご提案いただいたことが決め手です。当社が使っていたPOSシステムとネクストエンジンとの連携が前提で、実績のあるロジザードZEROを導入するつもりで営業の方に来ていただき、3日後には発注するというスピード決定でした(笑)。ところが、そこから本稼働までには約1年を要してしまいました。

― 差し支えなければ、本稼働に時間がかかった理由を教えてください。

それまでの業務フローが大幅に変わることに、現場スタッフからさまざまな意見や反発の声もあり、理解してもらうまでに、時間を要したことが一因です。実店舗とECの在庫一元管理にも踏み込んだため、以前の業務フローとロジザードZEROのフローが混在した時期もあり、現場に大きな混乱が生じてしまいました。今思えば、導入メリットを現場が理解できるようステップを踏んで、周囲の理解を得ながら進められればよかったと思っています。
とはいえ導入当時はすでに、ECで1日平均100件を超える注文があり、商品がどんどん売れていました。日々、とにかく欠品が出ないよう注意を払い、入・出荷業務を行わなければなりません。時間はかかりましたが、徐々に新しい業務フローに慣れていくと、ロジザードZEROを使うメリットを現場が体感できるようになり、今ではなくてはならないシステムになっています。


WMS導入で棚入れ作業時間が1/5に短縮、スペースも3割カット、欠品トラブルも解消

― どのようなメリット、導入効果を感じられましたか?

まず、フリーロケーションによる商品管理業務の効率化です。
商品を管理するために要していた時間が大幅に短縮されました。特に、作業の中心である棚入れだけで見ると、従来は1日がかりだった作業時間は、退勤前の1~2時間で終わらせられるようになり、1/5まで短縮できています。ブランド名、アルファベット順、品番順に棚入れしていた固定ロケーションから、空きスペースに保管できるフリーロケーションになったことが、大きな要因です。商品を探して倉庫内を歩くことがなくなり、時間だけではなく作業負荷も軽減されました。空いている棚を効率よく使えるため、スペースも約30%削減できました。

ピッキング作業でも、効率化や省力化、属人化の解消が図れます。
商品を探す無駄な時間がなくなり、作業時間が約1/2に改善されました。棚入れやピッキングは、数百もある取り扱いブランド名や固定ロケーションを把握しているベテランスタッフにしかできない作業でした。「どこに何が置かれているか」が分かっている人だけができる仕事だったのです。今は、ロジザードZEROの導入で業務が標準化され、「ピッキングリストに沿って商品を持ってきて」という指示で、入社初日のスタッフでも即業務ができるようになり、生産性が飛躍的に向上しました。

欠品トラブルも激減しました。
これはロジザードZEROによるバーコード管理が大いに寄与しています。従来の管理方法では、在庫はあるのに別の場所に保管されていて見つけられなかった、出荷時に見間違えて別の商品を出荷してしまった、など目視検品によるヒューマンエラーも少なくありませんでしたが、これらもバーコード管理によって改善しました。

さらに、部分棚卸ができることも大きなメリットです。
業務を止めることなく循環しながら棚卸業務を行えるようになり、棚卸の数値も正確になりました。

実務を通してスタッフがロジザードZEROの導入効果を体感していくにつれ、当初の「業務フローを変える必要があるのか(=変えたくない)」という強い反発が薄れていき、今となっては現場に欠かせないシステムとして活用されています。


「お客様の要望に応えたい!」OMOもポイント連携もサービスの一環

― ウッディーハウス様ならではの特徴的な運用について教えてください。

当社では、自社ブランド商品もセレクトアイテムも取り扱っており、これらを店舗とECで販売しています。お客様の希望があれば、その要望に極力叶えるのが当社のポリシーで、オムニチャネルはその一環です。ECで購入し店舗での受け取りが可能なほか、店舗試着や店舗での取り置きなどにも対応しています。

モールでも自社サイトでも、注文手続き時の備考欄に「〇〇店で受け取り希望」と明記されていれば、対応します。このあたりはアナログ運用とのハイブリッドです。他店舗の在庫を確認するケースは多く、店舗間の在庫移動は本部経由で頻繁に行っています。また、モール等のポイントと自社ポイントの連携や、SNS(YouTube、Instagram等)の運用も、POSシステム・ネクストエンジン・ロジザードZEROを駆使して展開しています。


WMSで日々活用しているピッキング機能、直接話ができるサポート体制を高く評価

― もっともよく使っているロジザードZEROの機能について教えてください。

ロジザードZEROは、ECにおいては主にピッキング機能を活用しています。具体的には、ECで売れたもののピッキングと、実店舗には店舗で売れたものを翌日に送るためのピッキングです。このとき、ロジザードZEROの機能として、ECは「通販」、実店舗は「卸」で運用します。
希望としては、現物入荷や検品作業などの処理を行った担当者が分かるよう、ハンディターミナルの操作履歴が残る機能があれば・・・・と相談したところ、オプションサービスで提供されていることが分かったので、検討したいと考えています。このような相談事や、何か不明点があったときに、営業担当やSE、サポートセンターにご連絡すると必ずつながり直接話ができるので助かります。いつも迅速に、しかもきちんと「人」がサポート対応をしてくれるので、とても信頼しています。


店舗、ECの垣根なくビジネスを成長させるために欠かせないパートナー

― ロジザードへの期待など、ひとことお願いいたします。

ロジザードZEROを導入したことにより、当社が抱えていた運用上のいくつもの問題が解決しました。真摯にサポートいただき、大変ありがたく思っています。当社は、創業者の地元である舞鶴に本社を置き、地元に雇用機会やにぎわいをもたらしながら、自信を持って送り出したいセレクトアイテムを世界に向けて発信していきます。店舗、ECの垣根なくビジネスを展開するために、ロジザードさんには今後も力を貸していただきたいので、これからもよろしくお願いします。

取材日:2024年12月6日


株式会社ウッディーハウス 会社概要

WOODY HOUSE(ウッディーハウス)は「地方にも本物を」というコンセプトを持って、京都府舞鶴市にて創業。お客様に寄り添うアットホームな接客を大切に、実店舗とオンラインショップにて、心を込めてセレクトしたアイテムをご提案しています。取り扱いアイテムは、レディース、メンズ、キッズ、グッズまで多岐にわたり、ご家族でお楽しみいただけるショップです。2024年9月舞鶴赤れんがパーク隣接地に複合施設atickをオープン。アパレルショップのみならず、館内のカフェやサウナ、スーベニアショップ、ドッグランの運営も手がけています。

社名 株式会社ウッディーハウス
代表 志摩 幹一郎
本社所在地 〒625-0036 京都府舞鶴市字浜1054 NTTビル舞鶴別館
設立 1999(平成11)年8月
事業内容 アパレル小売業
HP https://woody-h.com/