倉庫業 ロジザードZERO
株式会社物研
代表取締役 土肥 克次様
関西
今回は、冷凍・冷蔵管理~定温・常温管理までの4温度帯で幅広い商品を取り扱い、丁寧な流通加工を行う株式会社物研様をお訪ねし、ロジザードZEROを導入されて10年が経った今、導入メリットや今後の展望についてうかがいました。
土肥様
当社はもともとBtoB事業を行っていましたが、10年ほど前に通販物流に対応することになり、BtoC対応のWMSを探したことがきっかけです。自社物流を行っていたBtoBのクライアント様が、2015年頃BtoCでの販売を始める際、当社に物流業務の依頼があったのです。カートシステムとの連携や、百貨店の伝票発行の関係で基幹システムとの連携が必要となり、当時導入していた他社製のWMSでは対応できませんでした。そこで、以前から営業提案をいただいていたロジザードさんに、連携ができないかと相談をしました。
導入のきっかけとなったクライアント様の基幹システムとの連携にあたり、ロジザードさんにも打ち合わせに同席していただき、連携方法について基幹システムの会社の方と直接やりとりしてもらいました。期限が決まっている案件でしたが、おかげさまで無事に連携の仕様がまとまり、システム導入と稼働に至りました。それからは、システム面に悩むことがあればすぐロジザードさんに連絡し、ロジザードZEROと関係がないことまで相談するほど信頼しています(笑)。営業さんもSEさんもフットワークがいい。当社は大阪ですが、すぐに担当者が来てくださることもありがたいです。
一つ目は、安定したサービスを提供していただけること。使い続けて10年になりますが、安定感は抜群です。これまでさまざまなWMSを利用しましたが、「出荷しているのに在庫数が反映されない」、「Accessを使って上位システムとWMSの自動連携をカスタマイズしていたが、担当者が辞めてしまって使えなくなった」など、機能や運用面で使い続けることが難しかったWMSも少なくありません。今も使い続けているWMSは2社だけで、そのうちの1社がロジザードです。ロジザードZEROは周辺システムとの連携実績も多く、長く使い続けられる安定したサービスという点が、大きなメリットだと思います。
二つ目は、現場視点で作られているので作業がスムーズに行えること。他社のWMSの中には、例えば「一つの作業をするのに何回も画面を切り替えないといけない」、「ボタンのサイズが小さい」など、ちょっとしたことですが現場から「使いづらい」という声がありました。その点、ロジザードZEROはシンプルかつ直観的で、ストレスなく使えるところが現場でも好評です。
ロジザードZEROの導入により、誤出荷率の低減に成功(現在0.0012%以下)しました。急成長中のあるEC事業者様では、在庫数がぐんぐん増えているにもかかわらず、在庫差異ゼロを達成しています。BtoBとBtoCどちらにも対応できますし、倉庫紹介サービス「 ロジザード・マッチン 」でお客様を紹介いただくことも多々あります。昨今では、アジアマーケットへの視察をご一緒するなど、物流全般の情報共有ができることも、ありがたく思っています。
荷主様は多種多様で、スポーツ用品、アパレル、雑貨、食品、冷凍・冷蔵品にも対応しています。当社は、営業方針として、リスクヘッジの意味でも業種・業態は限定せず、取扱商材を広げたいという考えが根底にあります。冷凍・冷蔵・定温・常温の4温度帯に対応できる強みを活かし、流通加工も含むあらゆるジャンルのEC物流サービスを提供しています。
そうです。食品分野の参入は、以前から考えていました。ECの好調を背景に商材の幅を広げたいと考え、大阪府和泉市のECセンターを改造し、冷凍・冷蔵・定温の3温度帯に対応したスペースを整備して、2021年9月に稼働しました。冷凍・冷蔵完備で食品ECに対応できる倉庫は多くありません。冷凍倉庫は数多くありますが、ほぼBtoB対応で、ケースで納品されたらその箱のまま出荷されるのが通常の運用です。箱を開けるなんてもってのほか、というのが冷凍倉庫の常識で、食品ECへの参入が進んでいないのです。当社はもともとEC専門、フルフィルメント事業ですから、納品された箱から商品をばらして個別出荷、アッセンブリ出荷することは当たり前。食品ECにも抵抗なく参入し、強みにもなっています。
地域で小口の冷凍・冷蔵に対応できる倉庫は不足しています。食品ECとなればなおさらです。冷凍・冷蔵も含む食品EC需要はこれからも増えていくと考えて挑戦しました。おかげさまで、既存のお客様は出荷数が伸び、新規のお客様も増えていて、現在20件以上の食品系のお客様にご利用いただいています。
マイナス25度の冷凍倉庫内では、作業時間が極めて限られます。そのため冷凍商品の梱包作業を行うスペースとして、冷凍倉庫の手前の冷蔵ゾーンに作業場を設けています。賞味期限管理にも十分配慮が必要ですので、ロケーションは常に工夫しています。在庫管理は主にロジザードZEROを使用し、荷主様や規模感によって他のWMSも併用しています。作業フローは一般のEC物流と変わりませんが、食品の在庫管理においては、ロジザードZEROのロケーション機能や、ネクストエンジンとの連携にまつわる受注回りの機能、先入先出しを徹底するためにロット管理機能を主に活用しています。
2024年8月、大阪南エリアに新しくできたマルチテナント型の物流施設に、「BUKKEN あゆみ野ECセンター」をオープンしました。阪和自動車道「岸和田和泉IC」からほど近い、最新の設備を誇る大型倉庫です。既存の倉庫が限界に近づいていた一方で、荷主様からの問い合わせが増えていたことから決断しました。大きな投資でもあり、「倉庫が先か、営業が先か」は悩ましいところでしたが、おかげさまで新規の荷主様が4社、拡張したいという既存の荷主様が2社入り、順調なスタートを切りました。付帯設備が新しく、働くスタッフの獲得や定着にもつながっています。
あゆみ野センターは約3000坪の常温倉庫で、今後も1800坪レベルでの増床を予定しています。内陸部で自然災害に強いエリアにあり、約72時間の非常用電源が設置されるなど、BCP面でも適しています。当社では今、BCPの観点から、お客様に東西2拠点化の提案をしています。その際、東と西の2拠点をロジザードZEROでつなげることもメリットとなればと考えています。
大変満足しています。ロジザードZEROは多機能でかつ柔軟性があるので、さまざまな規模の案件や商材に対応できます。できれば、アプリのようにもう少し手軽に管理できるラインアップがあるといいなと思います。例えば、この案件ではハンディターミナル、この案件ではスマホ、と案件や業務によって使い分けができるようになるなど、ハード面の自由度や選択肢が増えると、業務の工夫の幅が広がり業務効率化をより進めることができそうです。
ロジザードは、荷主様が導入しても倉庫側が導入しても、どちらでもよい点がいいですね。お客様がベストな選択ができる、フレキシブルさがあります。当社では今、2社のWMSをメインに利用していますが、案件の内容や規模によって使い分けています。荷主様の基幹システムとの連携が必要な場合には、連携が容易なロジザードをお勧めしています。ロジザードはカスタマイズにも柔軟に対応してくれますし、サポートも丁寧なので安心して任せられます。
もっともっと取扱品目を広げ、取扱量を増やしていきたい。そのためにはより業務効率を高めて、生産性を上げていくことが重要です。現在、ロジメーターを各センターに導入し、一人一人の作業における生産性を測っています。データはオープンにしていますので、現場のメンバーもデータを見ながら、ボトルネックになっているところを見つけて、さらに効率化できないかと、自ら考えて動いています。ロジザードZEROは、効率化のための機能強化に熱心なので、我々もしっかり勉強して効率化に活用していきたいと思っています。
また、将来的には、東南アジアへの進出も視野に入れています。今狙いを定めているのは、ベトナムです。ベトナム市場は、これからもっと大きく成長します。最初はホーチミンをターゲットに、食品ECに挑戦したい。先にロジザードがセッティングしてくださったアジア視察で、当社のビジネスモデルがほぼそのままベトナムでも通用すること、そのためのインフラがすでに整っていることを確認できましたから、あとはタイミングです。
自分が知らない領域やチャレンジしてみたいことがあれば、ともかく一度ロジザードの担当者に問い合わせたり相談したりするようにしています。それほどロジザードの情報量や、ネットワークは素晴らしいと評価しています。プロダクトだけでなく、ネットワークを紹介してくれることが、本当にありがたい。アジア視察を機に、現地のネットワークもぐんと広がりました。価値のある見えない情報提供の重みを、痛感しています。あゆみ野ECセンターも、さらに拡張しようと考えています。これからもいい関係であり続けたいので、よろしくお願いいたします。
取材日:2024年12月5日
株式会社物研(BUKKEN)は、大阪南にあるECに特化した倉庫・物流会社です。「物流の前に心流あり。」という経営理念のもと、冷凍・冷蔵管理~定温・常温管理まで、幅広い商品の取り扱いと丁寧な流通加工で、多くのユーザー企業から絶大な信頼を得ています。
社名 | 株式会社物研 |
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代表 | 代表取締役 土肥 克次 |
設立 | 1983(昭和58)年9月 |
所在地 | 〒599-8246 大阪府堺市中区田園685-1 |
事業内容 |
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HP | https://www.bukken-logi.co.jp/ |