メーカー・卸業 ロジザードZERO

食品卸の物流DXが加速!
ロジザードZERO×オムニソーターで
冷凍倉庫の作業時間を1/3削減

株式会社 池田商店
執行役員 経営企画室 室長
新居浜物流センター長
鈴木遼 様

中国・四国

四国全域の学校や病院、介護施設へ「安全な食」を届ける、総合食品卸の株式会社池田商店様。同社は2023年9月にクラウド型WMS「ロジザードZERO」を導入し、長年の課題だった目視検品による誤出荷や廃棄ロスの削減、業務の標準化に成功しました。しかし、事業拡大に伴う出荷量の増加と、避けては通れない深刻な採用難という「新たな壁」が立ちはだかります。そこで次なる一手として決断したのが、立体型仕分けロボット「オムニソーター注)」の導入でした。WMSという土台の上にマテハンによる自動化を組み合わせ、いかに現場を劇的に進化させたのか。池田商店様の「倉庫DX」の舞台裏について、鈴木室長を再度お訪ねしお話を伺いました。

注:立体型仕分けロボット「オムニソーター」(製造元:HC ROBOTICS / 提供:ブリッジタウン・エンジニアリング株式会社 / 販売パートナー:株式会社東芝)

WMS導入編(2024年8月取材):

クラウドWMS「ロジザードZERO」で食品倉庫のDXを実現!作業時間と人数が約1/2に
リンク:https://www.logizard-zero.com/cases/ikeda-shoten.html

ロジザードZERO×オムニソーター導入前の課題
  • 人件費の高騰と深刻な採用難による自社物流存続の危機が経営上のリスクに
  • 拠点拡大でコース増、ピッキング歩数と商品確認回数が増大
  • 3温度帯ごとに分断されたデータに伴うアナログ作業の負荷増大
ロジザードZERO×オムニソーター導入後の効果
  • 自動化で省人化を図り、自社物流の継続と効率化を実現
  • 仕分けの自動化によりピッキング負荷が激減、目視判断も不要に
  • 3温度帯すべて受注から出荷まで「一つのデータ」で完結可能に

WMS導入後の定着と浮上した新たな課題

前回の取材(2024年8月)では、WMS導入による「誤出荷の解消」や「人員半減」といった劇的な効果を伺いました。その後の運用状況はいかがでしょうか。

ロジザードZEROの導入で、現場の環境は大きく改善しました。ハンディ検品による業務の標準化が進んだことで、「特定の誰かしかできない作業」がなくなりました。負担の大きい工程をスタッフ間でローテーションできるようになり、職場は以前よりずっと明るくなっています。お子さんの体調不良といった急なお休みにも、周囲がフォローして臨機応変に対応できる、働きやすい体制が整いました。また、廃棄ロスは8割削減を維持しており、棚卸の精度も向上しています。以前は年1回が精一杯だった棚卸しも、現在は3カ月に1回のペースで実施できています。

― 一方で、新たな課題も見えてきたと伺いました。

四国で最も人口が多い松山に拠点を新設したことで、配送コースが一気に増加しました。これにより倉庫内でのピッキング歩数や商品確認の回数が急増し、現場負荷が再び高まりました。例えば、35コースあれば、倉庫内を35回ピッキングして回らなければならない、ゆえに今後コースが増えれば比例してピッキングの周回数が増えるということです。本来であればコース増加に伴い増員したいところですが、近隣で大手倉庫の進出が相次ぎ、採用難が懸念されています。人件費の高騰も避けられず、「今の人員で、いかに増大する出荷量を捌くか」が喫緊の課題となりました。自社物流を継続するためにはさらなる効率化が必要で、外部委託の道も探らなければならない状況が目前に迫っていました。

「省人化か、自社物流を諦めるか」二者択一に迫られ、マテハン導入を検討

― なぜこのタイミングでマテハンによる自動化に踏み切ったのでしょうか? 仕分けの自動化を目指した背景をお聞かせください。

労働力確保に対する危機感です。2028年には近隣でも物流センター等の開設が予定されており、地域内での人材獲得競争はこれまで以上に激化することが予想されています。上昇し続ける最低賃金や採用難を前に、「徹底した省人化で自社物流を維持するか、それとも自社管理を諦めて外注へ切り替えるか」という、二者択一の瀬戸際に立たされました。
特にマイナス20度の冷凍倉庫内での「二度手間」を解消したかったことも、検討要因の一つです。冷凍倉庫内の作業は非常に過酷なため、作業時間が限られます。そのため一度トータルピッキング(全拠点向けの荷物をピッキング)してから、翌日にそれらの商品をコース別に仕分ける二段構えでした。身体的負担は看過できない状況で、せめて「コース別仕分け」だけでも自動化できればスタッフの負担を軽減できるし、限られた人員のままコース増に対応できる体制が構築できるのではないかと考え、マテハン導入を検討し始めたのです。


内情を理解するロジザードを通じて見つけた、理想の運用を叶える最後のピース

― 本格的に検討されたのは、ロジザードからの提案がきっかけだったと伺いました。他社のシステムとも比較されましたか?

オムニソーターに決めたのは、ロジザードから紹介されたことが大きく影響しています。実は、自動仕分けのマテハンについては7社ほど検討していたのですが、なかには現場の運用にフィットしない提案もあり、決め手に欠けていたのが実情です。私たちの業務を深く理解してくれているロジザード様が、システム連携もスムーズなオムニソーターと東芝様を紹介してくれ、東芝様もすぐに駆けつけてくださいました。そのスピード感と、私たちの内情に寄り添った提案の納得感は、他社とは全く異なるものでした。

― 導入の決め手は何だったのでしょう?

「これ1台で、今の課題をすべて解決できる」と確信できたことです。省人化はもちろんですが、現場のオペレーションを大きく変えずに導入できる点や、理想としていた「データの流れ」を具現化できる提案内容が、まさに私たちのニーズに"ドンピシャ"でした。
実は、当社には「一つのデータで3温度帯すべての出荷管理を完結させたい」という長年の理想がありました。その第一歩がWMSの導入だったのですが、ロジザードZEROとオムニソーターを連携させることで、入口から出口までデータを一気通貫で管理できることが分かりました。これこそが理想の運用を実現するための「最後のピース」だと確信し、導入を即決しました。

相談から半年、各社の強力なタッグで異例のスピード導入を実現

― システム連携や導入準備で、特に苦労された点はありましたか?

当社側が最も苦労したのは、今回もやはり商品マスタの整備でした。「キログラム」や「1個単位での取扱い」といった食品卸特有の複雑な単位や取扱いに対し、計算ロジックを一つひとつ適合させていく作業は非常に骨の折れるものでした。しかし、ロジザードZERO導入時の経験から「ここでマスタを整えれば、後が楽になる」とスタッフ皆が理解していたので、未来の効率化のため、ここが踏ん張りどころだと頑張りました。
システム連携については、ロジザード、東芝のエンジニア、そしてオムニソーターのソフトウェア開発会社(ブリッジタウン・エンジニアリング)の皆さんに全幅の信頼を置いてお任せしました。今回は新たな補助金を活用するため、細かな条件や時間的制約があり、協力会社の皆さんには大変ご苦労をおかけしました。限られた期間内で3温度帯の複雑なデータを一つに統合し、カスタマイズすることなく標準機能で対応できるよう、3社が連携して設計してくれました。

― ご相談から、わずか半年強での本稼働。驚異的なスピードですね。

はい。2025年夏にロジザードに相談し、翌月には東芝さんが来られて仕様を固め、テスト稼働を経て2026年2月には本稼働と、すべてのプロセスがとんとん拍子に進み、極めてスムーズに導入できました。これも、各社の密な連携と、現場の協力体制があったからこそだと感謝しています。

データの一気通貫で省人化に成功、作業時間の半減で現場にも笑顔が

― ロジザードZERO×オムニソーターの本格稼働後、どのような導入メリットを感じていらっしゃいますか。

最大の成果は、受注から出荷完了まで「一つのデータ」で完結する運用が実現したことです。ヒューマンエラーのリスクと無駄な作業時間がなくなり、特に出荷作業時間は5割削減されて、省人化に貢献しています。
現場の効率化も、目を見張るものがあります。まず、冷凍倉庫内での作業時間が大幅に短縮されました。以前は、ピッキング作業やその前後工程を含めると6時間以上かかっており、冷凍倉庫内の作業だけでも昼休み後に開始して定時に終われば早い方でしたが、現在では一連の作業が通常の一時間前には完了します。
凍えながら長時間行っていたピッキング作業が約3分の1短縮され、スタッフの身体的負担は劇的に軽減しました。疲労のあまり言葉数も少なかった現場でしたが、今は会話や笑顔があり、ゆとりを感じます。常温倉庫の作業でも、残業がほぼなくなりました。
また、アレルギー対応商品のように、「パッケージは同じように見えても中身が異なる商品」の仕分けをオムニソーターに任せられるようになった意義は大きいです。目視で確認する時間やダブルチェックが不要になったのはもちろん、「絶対に間違えてはいけない!」というスタッフの精神的な重圧が解消され、心身ともに余裕のある安全な現場になりました。誤出荷についても、WMS導入後の成果からさらに8割削減できる見込みが立ち、「誤出荷ゼロ」の目標達成も夢ではなくなりました。

― 運用開始後のサポート体制についてはいかがでしょうか?

保守体制については、非常に重視しています。特にマテハンは物理的な設備ですから、何かアクシデントが発生した時にすぐ駆けつけてくれるかどうかが重要です。東芝さんは24時間365日のリモートサポートに加え、松山市内に拠点を構えています。カメラによる遠隔チェックだけでなく、万一の際には地元のエンジニアがすぐに駆けつけてくれる。この安心感は、現場を止めることができない私たちには、極めて心強いものです。ロジザードの365日対応のサポートデスクと合わせて万全のサポート体制が整っているので、安心して運用を続けられます。

100社が驚いた中小企業の自動化実践。業界が注目するDXの最短ルートとは

― 倉庫見学の希望が絶えないと伺いました。どのような企業から、どのような反応が寄せられていますか?

2024年の夏にロジザードZERO導入の事例記事が出てから、100社を超える方々が来社されました。当社が所属する「全国給食事業協同組合連合会(全給協)」の関連や口コミを通じて、食品メーカーや物流会社などから多数の見学依頼をいただき、一日に4~6社まとめて対応することもあります。倉庫見学される皆さんは、オムニソーターの仕分けスピードに驚かれます。同時に、物流専業ではない食品卸業者が、バーコードとハンディで徹底した管理を行っている点や、多くの女性スタッフが生き生きとマテハンを使いこなしている光景も、非常に新鮮に映るようです。

― 具体的には、どのような質問や相談を受けることが多いのでしょうか。

導入コストや活用できる補助金については、やはり一番多く聞かれます。また、「自社の業務にどう落とし込めるか」を真剣に検討されている方が多く、導入スケジュールや具体的な数値効果、受注から出荷までのシステム設計についても質問をいただきます。私自身がアテンドして、質問にも包み隠さず答え、「まずは一つでも始めてみてはいかがですか」とお話しています。「脱アナログが現実味を帯びてきた」「勇気をもらった」という声をいただけるとうれしいですね。

― 食品卸業界のモデルケースとして注目されていることを、どのようにとらえていますか?

食品卸や給食業界は今も人海戦術に頼らざるを得ない企業が多い中、「中小企業でもここまで自動化できる」という実例が希望になっているのだと思います。当社がやってきたように、「WMSで業務を整理してからマテハンを入れる」という順番がお勧めです。ロジザードZEROで在庫と業務を可視化し、標準化した土台があるからこそ、マテハンの性能を最大限に引き出せると実感しています。このセットでの導入は再現性が高く、業界特有の物流課題解決の「最短ルート」だと思います。

夜間稼働も視野に。物流DXは事業拡大の起爆剤

― 今後さらに取り組みたい改善や構想があれば教えてください。

今後は、オムニソーターの「夜間活用」を本格的に検討したいと考えています。現在は日中のみ稼働させていますが、ロボットの強みを活かして夜間の空き時間を有効活用すれば、新しい業態の仕事へのチャレンジも可能になります。物流DXを、単なる効率化の手段から「経営を加速させる武器」にしたいです。また、技術的なハードルはまだありますが、将来的には「冷凍庫内の完全自動化」も視野に入れています。
とはいえ、当社はまだ物流DXの入口に立ったばかり。まずは今の業務をさらにブラッシュアップして、足元をしっかりと固めることに注力したい。その過程で、現場の主役であるスタッフが、よりやりがいを持って働ける環境を追求していきます。

― 最後にロジザードへひとことお願いいたします。

現在はまだ手入力が必要な工程が残っていますが、OCRやAI技術などを活用し、より「楽」に入荷処理が行える未来を、ロジザードと共に作れたらと期待しています。当社はロジザードZEROの導入を機にDXの第一歩を踏み出し、それが事業拡大の起爆剤となりました。これからも私たちの現場に寄り添った柔軟な提案とスピーディーな対応で、末永く伴走していただけたらと、期待しています。

取材日:2026年4月2日


株式会社 池田商店

四国4県(愛媛県は一部)において、惣菜・外食・産業給食・病院給食にかかわる食材・食品の卸販売事業を営んでいます。1957(昭和32)年の創業以来、幼小中学校の給食や病院、老健施設、産業給食、外食を中心に、食に携わるお客様のサポートを行っています。2022(令和4)年には、愛媛県内に物流センター(新居浜市)と野菜専用加工センター(西条市)をオープン、2024(令和6)年には松山市内に物流センターを新設するなど、進化の歩みを止めずにお客様へ安心と真心をお届けしています。

会社概要
商号 株式会社 池田商店
本社所在地 〒766-0003 香川県仲多度郡琴平町五条488-2番地
代表 代表取締役社長 池田孝二
創業 1957(昭和32)年12月 ※1964(昭和39)年4月会社創立
事業内容 総合食品卸売業
HP https://i-show.jp/