メーカー・卸業 ロジザードZERO

ロジザードZEROで食品倉庫のDXを実現!作業時間と人数が約1/2に

株式会社池田商店
経営企画室 室長 鈴木遼様

中国・四国

株式会社池田商店インタビュー動画


学校・病院等に直接配送する食品卸業。物流センターの新設を機にWMS導入を決意

― はじめに、御社の事業についてご紹介ください。
総合食品卸の池田商店は、昭和32年の創業で、学校給食への対応からスタートしました。現在は、本社のある香川県を中心に徳島、高知、愛媛の4県に拠点を持ち、学校・病院・老健施設を中心に、直接食品をお届けしています。2022(令和4)年には、四国中央部に位置する愛媛県新居浜市に物流センターを、西条市にカット野菜工場を構え、物流インフラを強化しました。さらに本年(2024年)9月、松山にも配送センターを新設し、四国エリアのお客様に、安全・安心かつスムーズに食品を提供する体制を構築しています。

― ロジザードとのお付き合いは、新居浜物流センターの運用改善がきっかけでした。

それまで各拠点の倉庫での運用はアナログでしたので、新居浜物流センターも当初はマニュアル作業でした。しかし、小規模な倉庫なら手作業で通用していた業務も、広さや取扱点数が拡大した物流センターでは追いつきません。業務の属人化が進み、出荷作業の負担が増えたことから、作業効率の悪化や誤出荷などが発生していました。WMS導入による業務改善が急務となり数社に問い合わせたところ、最もレスポンスが早く、標準機能で対応できるよう当社の希望に沿う提案をしてくれたのが、ロジザードでした。


目視検品によるエラーや作業効率の低下に現場が疲弊

― 具体的には、どのような課題があったのでしょうか?

最も改善しなければならなかったのは、目視検品による誤出荷対策と賞味期限管理でした。当社は、例えば学校や病院へは、食物アレルギー別・治療食別・分量別など、ご要望に応じて細かく分類して配送しています。パッケージ(見た目)は似た形状でも、中身は異なる商品が少なくありません。特に食物アレルギーにかかわる食品は、間違って配送されれば命の危険にもつながるため、現場担当者の確認作業は責任重大です。こうした当社のサービスならではの特殊な事情が、業務の属人化を加速させていました。

賞味期限管理も、原則は担当者による「目視」です。一品一品「目視」するため、効率が悪いうえ、ルールを決めていてもヒューマンエラーは避けられず、期限切れで廃棄処分となる商品が相当数ありました。倉庫の規模が大きくなったことで、ピッキング業務にかかる時間も増加し、作業効率が著しく悪化して現場は疲弊するばかり。棚卸しもままならない状況で、このままの運営では立ち行かなくなるのが明白でした。


食品卸ならではの在庫管理の課題に柔軟に対応、スピード感も決め手に

― ロジザードZERO導入の決め手となったのは、どのような点でしたか?

決め手は、レスポンスの良さと圧倒的なスピード感です。他社はWebやメールでの対応でしたが、ロジザードは営業やエンジニアの方と直接話せて、課題への対応策をすぐに提案いただきました。現場の危機感からWMSの導入は待ったなしでしたので、とてもありがたく思いました。また、補助金制度に関する知見も、大変頼りになりました。問い合わせをしたのが2023年6月でしたが、9月には運用を開始することができました。

― 食品卸ならではの運用課題には、どのように対応したのでしょうか?

運用上の課題は大きく3つありました。

課題①:3割強あるJANコードのない商品の在庫管理

大手メーカーの商品にはすべてバーコードがありますが、地域の中小企業が生産、製造する食材には、バーコードがついていないものが多くあります。特に、アレルギー対応の類似商品を間違いなく入・出庫管理できる方法に、頭を悩ませていました。


ロジザードの提案:オリジナルバーコードの自動採番機能を活用

JANコードがない商品には、オリジナルバーコードを自動採番機能で発番。ラベルプリンターと連携してバーコードを発行し、商品の入荷時に貼ることで解決しました。


課題②:当社の強みである、計量(分包)商品の在庫管理

学校はクラス別対応、病院は栄養計算したレシピに対応するよう、希望の分量に分包して納品できることが当社の強みです。グラム単位でオーダー別にアッセンブリやパッキングするため、正確な在庫管理ができず、苦慮していました。


ロジザードの提案:基幹システムと連携し独自の計算方式を設定

商品マスタをすべて見直し、計量対応する商品については、基幹システムからデータを出すときに1,000倍し、kg(キログラム)をg(グラム)に変換してロジザードZEROにデータを取り込んでいます。そして、基幹システムにデータを戻すときに、g(グラム)をkg(キログラム)に戻しています。この計算は、基幹システム側で行っています。g(グラム)に変換した数字を「個数」として扱うことで、うまく運用できるようになりました。


課題③:3温度帯×3種類のピッキングリストの発行

当社は自社配送なので、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯それぞれで、「トータルピッキング用」「コース別ピッキング用」「顧客別用」の3種類のピッキングリストを発行する必要があります。導入当時のロジザードZEROにはない機能でした。


ロジザードの提案:ピッキングリストを発行する際の運用方法を工夫

導入同時はピッキングリストの出し分け機能が無かったので、標準機能で運用できるように、ピッキングリストを発行する際にデータを取り込み直して運用することにしました。
2024年6月のバージョンアップで、ピッキングリストの出し分け機能(フロア別ピッキング機能)が標準機能としてリリースされました。


ロジザードへの相談前は、食品特有の課題や、当社の強みでもある複雑な出荷方法を管理するために、ある程度コストをかけたシステム改修はやむを得ない、と考えていました。しかし、当社内のルールや設定をひと工夫すれば標準機能での運用ができると提案をいただき、導入費用を大幅に縮小することができました。


現場スタッフの意識を変えた、在庫管理の新しい運用方法の勉強会を実施

― 標準機能で運用できるよう、工夫をされたのですね。ご苦労はありましたか?

商品登録や現場のオペレーションを、ロジザードZEROに合わせて変えていく必要がありました。まず、商品マスタの見直しに、1カ月近くかかりました。それまでアナログ管理だったので、ある程度覚悟をして作業に取り組みましたが、総数38,000にも及ぶSKUを一つ一つ確認しながら、計量商品はピッキングリストに表示するためのグラム数も同時に設定するなど細かな作業になり、想像以上に大変でした。

また、オペレーションの変更には、現場からかなり強い抵抗がありました。システムをうまく運用するには、現場の人たちの気持ちがなによりも大切です。自分たちの仕事が楽に、正確に、便利になるためのシステムだということを、勉強会を頻繁に開いて地道に啓蒙しました。10回以上、開催したでしょうか。最初は興味がある数人だけの参加でしたが、その方たちを起点に理解の輪が徐々に広がり、最終的には現場スタッフ全員が勉強会に参加しました。システム導入で「業務の標準化」や「作業負荷の軽減ができる」ことが理解され、前向きな姿勢に変わりましたね。


目指すは誤出荷ゼロ!廃棄処分も9割改善!在庫管理における現場の意識が著しく向上

― ロジザードZERO導入により、どのような変化がありましたか?課題は解決できましたか?

導入前の課題はほぼ、解決しています。かつて月間25~30件あった誤出荷は、毎月減少してほぼ改善され、「誤出荷をゼロに!」という意欲が、現場から出ています。作業効率も劇的に改善され、1人当たりの作業時間も、必要な作業人員数も、導入前の約半分に削減できました。作業の標準化に成功し、今は新人でも2時間程度の講習で、すぐに現場の即戦力として仕事ができます。

棚卸しも、以前は全拠点から20人以上を動員して3日間かかっていたものが、シンプルに実施できるようになりました。どこに何がいくつあるのかあらかじめわかっているので、作業は確認するだけ、しかも正確です。2024年はすでに2回行いました。2カ月に一度の棚卸しを理想に掲げ、実現に向けて動いています。賞味期限管理も良好で、期限内にほとんどの商品が販売完了となり、廃棄率が大きく改善されました。従来の廃棄分の約9割が売上となり、利益率が向上して経営的にも非常に大きな効果を上げています。

なによりも、現場の意識が変わりました。作業の標準化により属人化が完全に解消され、全員がより働きやすい職場環境にしようと、全体の業務効率化について考えるようになりました。ロジザードZEROの機能をどう使えばもっと作業効率が上がるかを、現場のみんなが考えて業務改善を進めています。数字で表すことはできませんが、倉庫現場の成長が著しいことがうれしいです。


人が対応する365日サポートやアフターフォローの魅力

― ロジザードZEROを使うメリットは、どのようにお感じですか?

マニュアル運用、つまり人の手や目視による作業は、入荷から出荷までの工程で確認すべきことが多く、非効率なうえにチェックポイントごとにヒューマンエラーの不安が生じます。すべてバーコードで管理できると、こうした不安が大きく軽減され、かつ効率が上がります。これは導入メリットとして大きいと思います。

さらに、ロジザードZEROを採用する最も大きなメリットは、人が対応してくれる365日サポートやアフターフォローにあります。当社の場合、基幹システムとの連携上、複雑な構築になっている部分があるため、導入当初はエラーが出ることも多々ありましたが、エンジニアやサポートデスクの方の手厚いサポートで、現場を止めることなく運用できています。実務担当者がサポートデスクに直接連絡して解決法を探れるので、私の手から運用が離れるのも助かっています。今や、当社の担当者もすっかりロジザードZEROに精通しています。

また、バージョンアップによる機能追加も見逃せません。OCRによる賞味期限の読み取り機能をリクエストしたところ、実装されたとの連絡を受けました。追加機能を活用できるよう、自分たちの業務もアップデートしたいと思っています。


食品卸の物流DXは、事業拡大の起爆剤に

― 同じ課題を持つ食品卸業者様にロジザードZEROを勧めるとしたら?

中小の食品卸売事業者は、まだまだ手作業でアナログ運用のところが多いのではないでしょうか。これから人手不足が一層深刻化していく中、スムーズな人員確保や世代交代に、働く場の環境改善=DXは避けられません。まず業務の属人化を解消するためだけでも、ロジザードに相談してみるとよいと思います。自分たちでは思いつかないアイデアで、一緒に課題に向き合ってくれるはずです。

― 最後にロジザードへひとことお願いいたします。

ロジザードZEROの導入により、新居浜物流センターの作業効率は大幅に改善し、出荷ミスも減って安定した自社物流を実現することができました。安心・安全な食品を提供するために、人とデジタルの力を組み合わせて万全の体制を構築したい、という思いで取り組んだWMSの導入です。ロジザードの営業・システム各担当者の迅速なレスポンスと柔軟なアイデアに助けられ、当社のポリシーに沿う自社物流のインフラを整備できたと思っています。事業拡大のための物流インフラが整った結果、予定よりも早く、松山にも新拠点を構える運びとなりました。これで、四国全域のお客様のご依頼にお応えできるようになります。ロジザードにお願いして大正解でした! ロジザードとは今後もぜひ、末永くお付き合いさせていただきたいと思っています。


株式会社 池田商店様

四国4県(愛媛県は一部)において、惣菜・外食・産業給食・病院給食にかかわる食材・食品の卸販売事業を営んでいます。1957(昭和32)年の創業以来、幼小中学校の給食や病院、老健施設、産業給食、外食を中心に、食に携わるお客様のサポートを行っています。2022(令和4)年には、愛媛県内に物流センター(新居浜市)とカット野菜の加工センター(西条市)をオープン、2024(令和6)年には松山市内に配送センターを新設するなど、進化の歩みを止めずにお客様へ安心と真心をお届けしています。

会社概要
商号 株式会社 池田商店
本社所在地 〒766-0003 香川県仲多度郡琴平町五条488-2番地
代表 代表取締役社長 池田孝二
創業 1957(昭和32)年12月  1964(昭和39)年4月会社創立
事業内容 総合食品卸売業
HP https://i-show.jp/