倉庫業 ロジザードZERO

「WMSって何?」 ロジザードZERO導入で現場の意識改革と業務効率化に成功

アルコロジスティックス株式会社
代表取締役 渡久地 太 様 
リーダー 山本 亮徳 様

関西

アルコロジスティックス株式会社様は、奈良県にある2020年創業の物流会社で、荷主様の物流部門を代行し、高度な物流サービスを提供されています。代表取締役の渡久地社長とリーダーの山本様に、ロジザードZEROの導入の背景や効果、物流パートナーとして目指す未来についてうかがいました。

グループ会社の急成長に合わせ、物流部門が独立

― はじめに、アルコロジスティックス様の事業内容と成り立ちについて、ご紹介ください。

渡久地様
当社は、アルコホールディングス傘下のグループ会社、「アルコインターナショナル株式会社」の物流業務を担う役割をもって、2020年に創業しました。アルコインターナショナルは、欧米のアパレル商材の輸入や卸売事業、小売およびEC事業を展開しています。成長が著しく、コロナ禍を挟んで取扱量が急増したことから、同社が当時契約していた倉庫様から物流業務を発展分離・独立させ、両社合弁で3PLを立ち上げました。これが、アルコロジスティックス設立の経緯です。

現在は、アルコインターナショナル以外にもお取引先様がありますが、こうした設立経緯からも当社は、「荷主様のパートナーである」という意識が、一般的な3PL事業者よりも強いと自負しています。荷主様とは物理的に離れた場所にいても、いかに業務をスムーズに遂行できるか、お互いの業務負担を減らせるかを追求し、日々業務改善を心がけています。

― ロジザードとはどのようなご縁だったのでしょうか?

山本様
アルコロジスティックスの設立に合わせ、基幹システムのリプレイスを検討する際、あわせてWMSを導入した方がいいということになり、荷主様側のシステム導入を担当していた株式会社アイル様を通じてご紹介いただきました。

渡久地様
設立前はBtoB(卸)がメインでしたが、コロナ前からアルコインターナショナルのECが急伸しており、この成長スピードに対応できるよう物流部門を独立させました。BtoB、BtoCいずれも対応できる体制を整え、システム強化を図ったわけです。設立当初は、1日200件程度の出荷でも多く感じていましたが、現在はピーク時には1日3,000件と、4年で大きく伸びています。


WMS導入前、ロケーションはスタッフの頭の中。急成長に追随するため、業務の効率化と標準化が課題に

― それまでの現場運用、特にアルコインターナショナル様の物流現場では、具体的にどのような課題があったのでしょうか?

山本様
以前の倉庫時代は、アルコインターナショナルの基幹システムのみで在庫を管理していました。そのため、理論上の在庫数と倉庫の実在庫数とが合わない事象が頻繁に起こっていました。ロケーションはスタッフの「頭の中」にあり、ベテランと新人では生産性がバラつく、モノが見つけられない、システム上在庫があるのに倉庫にはない、ということが日常です。出荷遅延や誤配送など、会社の信頼や収益に直接影響を与えるようなミスもありました。取扱量の増加に比例して、これらの問題が増えていたことも懸念していました。

渡久地様
ミス等の問題解決も重要な課題でしたが、WMS導入の一番の目的は、「効率化」と「業務の標準化」です。出荷量が増え続けていたので、人に依存することなく、1日に処理できる量を増やさなければなりませんでした。また、3PL事業として独立するなら、他の荷主様にもご利用いただくことも前提になります。ニーズの多様化と厳しい要求に対応するためにも、WMSの導入は必須でした。コスト削減や競争力の強化が重要な経営課題となる中で、WMSの導入は効率化とサービス向上の鍵と思っていました。


「WMSって何?」手順変更に戸惑う現場の抵抗

― ロジザードZEROを導入する際、現場には混乱があったとうかがいました。どのような状況で、どのように克服されましたか?

山本様
ロジザードZEROの運用ルールと、それまでの現場の作業フローがかみ合わず、やり方を変えることに現場が混乱してしまいました。当初、一部のスタッフが抵抗感を示していたこともあり、新しいシステムに慣れるまでに時間を要しました。ロジザードのSEさんにトレーニングを継続的に行っていただき、理解が進んだスタッフが中心となって、徐々に現場もシステムを活用できるようになり、今はとてもスムーズに運用されています。

渡久地様
そもそも「在庫を切り分けて管理する」という発想が現場になく、「WMSとは何ぞや?」からのスタートです。それまでは荷主さんからの電話1本で動く、不完全でも慣れていた作業フローがあり、それをWMSに合わせて手順をガラッと変える、ルールが増えることに非常に抵抗感があったようです。

そこでロジザードZEROの導入を機に、卸もECも一から作業フローを見直しました。

  • to B対応:前日16時までの受注データに対して翌日出荷が原則(直営店に対しては、当日午前中まで対応)
  • to C対応:当日の朝取り込んだ受注データをその日に出荷(ただし、日付指定優先で処理する)

等の出荷ルールを改めて決め、これに基づいて発行される出荷リストに従って作業を行うなど、運用手順を整理したことで流れがスムーズになり、現場スタッフのストレスも軽減されました。


WMS導入で脱属人化、効率化と業務標準化を実現

― ロジザードZEROの導入効果やメリットについてお聞かせください

山本様
メリットは多々ありますが、大きくは次の5点になると思います。

  1. 在庫管理機能
    在庫のリアルタイムでの可視化を実現。さらに、ロケーション別、SKU別での在庫状況の確認が可能になりました。
  2. 入出荷管理
    ハンディターミナルでバーコードを読む簡単な操作で、入荷・出荷作業が劇的に楽になりました。事前登録した入出荷予定に基づき、スムーズな作業指示が出せるようになり、時短につながりました。
  3. ロケーション管理
    商品の保管場所を最適化するための機能です。ロケーションごとの在庫量や動線を考慮したピッキングリストの作成が可能になり、作業負荷の軽減と時短が図れました。
  4. レポート機能
    入出荷実績や在庫推移、作業効率を可視化できるようになりました。Excel出力が可能な点も、編集・加工しやすくて助かっています。
  5. 他システムとの連携
    受注システムなどとAPIを通じたスムーズなデータ連携が可能で、様々なアプリに対応している点も便利です。

渡久地様
導入目的だった「効率化」「標準化」が、大きく前進しました。最も寄与したのはロケーション管理です。ベテランスタッフの「頭の中」に依存しなくなったことで、スタッフ全員が同レベルの生産性を上げられるようになりました。出荷効率を考える上で、やはりロケーションの組み方は重要です。ロケーション管理は正解がない作業で、荷主様の動向によりアイテム数が増減するので、毎日知恵を絞っています。立ち上げ当初は「保管重視」で棚にモノを詰め込んでいたため、棚入れに時間がとられていました。今は作業スペースと通路との関係性や、空きスペースを見ながら、どの商品をどの位置に保管するか柔軟にレイアウトが変更できるようになり、時間的にもスペース的にも無駄がなくなりました。

また、出荷ルールを決めて運用を開始したところ、出荷に関わる連絡業務が激減し、現場作業に集中できるようになりました。ロジザードZEROは簡単なマニュアルですぐに作業に入れるので、新たなスタッフへの教育に要する時間もほとんどなくなりました。こうした点も、導入メリットとしては大きいと感じています。


複数のWMSを武器に、荷主様の事情に合わせた提案力を高めたい

― 現在、ロジザードZEROと他社が提供しているクラウドWMSを併用されています。どのように使い分けていらっしゃいますか?

渡久地様
私たちはロジザードZEROで初めてWMSに触れました。今後3PL事業を拡大するにあたり、ロジザードZEROだけでいいのか?WMSをもっと知る必要があるのではないか?と考え、ある荷主様の希望により、コストも考慮して他社のクラウドWMSを導入しました。他のWMSを知ることは、いわば物流会社としての武器を増やすことで、荷主様に合った提案ができると考えています。

山本様
ただ、実作業を行う現場としては、ロジザードZEROの方が圧倒的に使いやすいというのが本音です。特にサポート体制が格段に違います。疑問点や質問したいことがあるときに、すぐに話ができるかどうかは、現場にとって重要です。EC物流に特化した低価格のWMSはチャットやメールでの問い合わせ対応がメインで、機能についての「相談」はできません。荷主様、特に経営層はどうしても「価格」優先で選択する傾向がありますが、こうした違いも実際に使ってみると見えてきます。


「こうしたい」を直接話せて解決できるロジザードのサポート体制に大きな安心感

― 使い勝手やアフターフォロー、サポート体制についてはご満足いただけていますか?

山本様
とても満足しています。導入から運用開始まで伴走し、運用開始後も問い合わせ窓口や担当者とのホットラインがあります。自分たちが「こうしたい」という希望を直接相談できる、専任SEがついてくださる環境はとてもありがたいです。緊急時も、直接話ができて解決策を指南してもらえるのは、何よりも安心です。システム導入時に現場が混乱していたときは、ロジザードのサポート体制にずいぶん助けられました。定期的なシステム運用状況のヒアリングや改善提案、新機能の案内や、効率化につながる活用方法のアドバイスもありがたいです。バージョンアップ情報にも注目しています。当社が使える機能かもしれないと思うとすぐにSEさんに連絡して、機能を確認しながら学んでいけます。


業務効率化に直結する機能強化に期待

― これから期待している機能はありますか?

山本様
倉庫内のレイアウトや作業状況に応じて、リアルタイムで最短のピッキングルートを指示してくれたり、次の繁忙期や作業負荷を予測し事前準備をサポートしてくれたりする機能など、AIを活用した業務最適化に期待しています。現在、ロジメーターという物流DX支援ツールを使用し業務効率を計測、分析していますが、連携できるようになれば面白いのではないでしょうか。在庫状況照会機能は、現在商品IDのみの表示ですが、バーコード表示も可能になれば、現場の管理が楽になります。さらに送り状の後発行機能も、業務効率化に直結するので期待しています。

渡久地様
アルコインターナショナルの成長スピードが速く、我々はその成長についていかなければなりません。現場は今、20名で回していますが、人手を増やしにくい状況の中で、業務効率化は極めて重要です。一人一人の能力が上がっているので、効率化も進んできましたが、まだまだ改善が必要です。どこがボトルネックで、これを解消するのにはどんな打ち手があるのか、やりたいことは日々生まれてくるので、その都度ロジザードさんに相談しています。そこから開発の種を見つけていただき、機能強化が図られれば、私たちもうれしいです。


歴史は浅くとも、高度な物流を目指して進化の歩みを止めない

― 最後にロジザードへの期待など、ひとことお願いいたします。

山本様
もはやなくてはならない存在です。ロジザードZEROが現場の中心にあることは、間違いありません。まだ歴史の浅い弊社ですが、高度な物流を目指してバージョンアップできているのも、ロジザードZEROにより業務改善を考え続けられているからです。機能を100パーセント使えているとは思っていませんが、追究できる楽しさもあり、これからのバージョンアップにも期待しています。

渡久地様
我々はこれからの企業です。ロジザードには常に前を進んでいてもらいたい、そして引っ張り上げてもらいたい。そういう意味でも、ロジザードには進化の歩みを止めてほしくありません。これからもよろしくお願いいたします。


ロジザードからひとこと

アルコロジスティックス株式会社様は、急成長を続けるグループ会社を自社物流として支える側面と、他社の物流を受託する3PLの側面を持たれている企業で、「取引先様の成長のため物流として何ができるか」ということをすごく意識していました。最初は、現場の方たちがWMSを知らない状態からのスタートでしたが、現在では「ロジザードZERO」を活用して荷主様の急激な成長スピードにも対応し、「効率化」と「業務の標準化」を実現されています。
取材の中で、渡久地様と山本様が「ロジザードZERO」の機能を理解した上で、ロジザードの担当SEを相談相手としてうまく活用しながら、より良い物流現場の構築を常に目指しているのが印象的でした。
ロジザードは、今後も成長を支えるパートナーとして、引き続き全力でサポートしてまいります。

取材日:2024年12月5日


会社概要

アルコロジスティックス株式会社は、貨物の荷受けから保管、物流加工、出荷まで一括して請け負っています。荷主様とは物理的に離れた場所にいても、いかに業務をスムーズに遂行できるか、お互いの業務負担を減らせるかを追求し、日々業務改善を心がけ、それぞれの荷主様に最適な物流サービスを提供しています。

社名 アルコロジスティックス株式会社
代表 代表取締役 渡久地 太
本社所在地 〒639-1064 奈良県生駒郡安堵町窪田1134-1
設立 2020年8月
事業内容 倉庫業および荷役梱包等の付帯事業、左記に付帯する一切の事業、貨物運送取扱事業
HP https://alco-logistics.com/