倉庫業 ロジザードZERO
株式会社西京物流サービス
統括部長 田中 秀典 様
九州・沖縄
今回は、アパレルや雑貨、サプリメントや食品など、幅広い商材を扱う地元密着型の物流会社、西京物流サービス様をお訪ねし、ロジザードZEROの導入効果や、連携サービス『出荷検品 クラウド録画連携オプション(※注)』を利用してクラウドカメラを導入した目的、現場での運用についてお話を伺いしました。
当社は、物流加工を得意とする3PLです。検品や簡単な加工・修正、値札やJANコードの貼り付け、同梱など、荷主様からの細かなオーダーにお応えできる体制を整えています。福岡市内の事業者様が主なお客様で、九州ならではの物産を中心に、食品やサプリメント、雑貨やアパレルなど幅広い商材を扱っています。EC対応はもちろん、ケース単位の発送やチャーター便の手配などのBtoB対応も行っています。
常温倉庫として、自社物件である本社倉庫と吉塚物流センター、松島倉庫の3拠点を持ち、冷蔵倉庫は河合製氷冷蔵様の一角に箱崎物流センターを置いています。私は、これら4拠点を統括する役割を担っています。ロジザードZEROは、本社倉庫と箱崎物流センターで、食品系を含む複数のECの荷主様に利用していただいています。
ロジザードZEROの利用は、元々はお客様からのご要望がきっかけです。もう10年になるのですね。当社では、荷主様が望むシステムをできるだけ利用するようにしていますが、ロジザードのWMSは使いやすくて他のシステムとの相性もよく、お客様のリクエストに合わせて出荷作業のスキームを作りやすい点が気に入っています。SKU数が多いお客様や在庫管理システムを検討されているお客様には、当社からもロジザードZEROの導入をお勧めしています。
私たちにとって、ロジザードZEROは使い慣れていて、機能もよくわかっているWMSです。お客様の「こうしたい」に対し、この機能が使えるだろうと判断がしやすく、営業のレスポンスもよいので、不安なく使えます。 販売システムとの連携や導入実績も多く、費用にも無理がありません。こうした点から、お客様にお勧めしやすいWMSだと評価しています。
WMSを導入する一番の目的は、現場作業の標準化とヒューマンエラーの防止です。アナログ運用では、現場に慣れている人とそうでない人で、どうしても作業時間や品質に差が出てしまいます。熟練度に頼らない仕組みを構築しなければ、繁忙期に対応することができません。人手不足の折、作業初心者を動員しなければならないですが、繁忙期をミスなく乗り切りたい。そのために、現場の作業は極力標準化・単純化したいと思っています。特にロジザードZEROは、バーコードをハンディターミナルで読み込めばおのずと作業が進められる仕組みなので、正確性と確実性を担保しながら業務の標準化、効率化が図れます。
また、現場ではその場を乗り切るためにしばしばイレギュラーなルールを人が作ってしまいますが、後にこれが混乱の元となる場合が多いものです。 WMSによる運用を基本とすれば、人による独自のルール作りを抑制することができます。
自社製造の商品を取り扱うお客様が多いのが、当社の荷主様の特徴です。そのため、外観(パッケージ)が同じ、あるいはよく似ていて、中身が異なるラインナップを展開しているケースが少なくありません。 一見同じ商品に見えるのに、IDが異なりSKUが多い。こうした荷主様の作業は、「目視」に頼るアナログ運用だと、ミスが起きやすくなります。今はまだアナログ運用のお客様も多くいらっしゃいますが、 WMS利用の有無で、明らかに出荷ミスの程度は違ってきます。在庫管理でも、 ロジザードZEROを利用している荷主様において、在庫数が合わないことはほとんどありません。
食品系のお客様には、当社から導入をお勧めしました。今お話ししたように、パッケージの見た目が似ていて中身が異なる商品を扱い、SKUが多い、しかも同梱物や包装資材が細かく指定されるなど、仕様が多岐にわたる荷主様です。ロジザードZEROの導入前のフローでは、販売管理システムから出荷指示が出されていました。しかし、その出荷指示には、仕様の指示までは書かれておらず、別指示の複数の帳票を照らし合わせながら梱包作業を行っていました。出荷作業にとても神経を使うため、属人化しやすい状況だったうえに、どんなに注意して作業をしても商品違いや付属品の同梱ミス、包装紙や帯、のし、掛け紙の間違いなどの出荷ミスを防ぎきれず、WMS導入による改善が必要でした。
この食品系のお客様は、ロジザードZEROを使い始めて2年弱ですが、仕様も含めた出荷指示書が出せるようになり、資材の選定や同梱物の間違いを含め、数年前に起きていた出荷ミスはほとんどなくなりました。ロジザードZEROの導入で、出荷時のヒューマンエラーはほぼ解消しましたが、冷蔵倉庫ではレイアウトやスペースに起因する課題は残っています。案件の引き合いは多く、知見もありますので、冷蔵倉庫のスペースを確保できれば、すぐにでもロジザードZEROを入れて運用したいところです。
ロジザードZERO自体が進化を続けていること、現場のかゆい所に手が届く機能がどんどん強化されている点は、なによりも心強いです。SKUが200~300以上ある荷主様には、ロジザードZEROの導入をお願いしています。販売管理などの周辺システムとの連携も多く、利用料金も良心的で、お客様にも理解していただきやすい。システム連携はハードルが高いと思っている荷主様はまだまだ多く、さらに倉庫側のことは「倉庫が努力して当たり前」という話になりがちなので、営業面でもしっかり支援していただける点も、長く使い続けている理由の一つです。
ロジザードの営業さんから、情報の一つとしてお話を聞いたのがきっかけです。すでに大手倉庫では、防犯カメラに加えて遠隔モニタリングカメラを導入し始めていることは知っていました。近い将来、作業確認用カメラが必須になる時代が来るだろうと興味を持っていた分野でもあり、詳しく話を聞くことにしました。
当社の常温倉庫には防犯カメラを設置していますが、作業を記録するカメラはありません。同梱物を誤って入れてしまった、入っていなかったなどの問題が生じた際、お客様にきちんと証明できる方法がなく、懸念していました。また、家電、電気設備品などの高額商品を扱う荷主様もいらっしゃるため、「EC万引」が社会問題化しつつあるなか、カメラで作業を記録しておかないと怖いと思うようになりました。こうした背景から、ロジザードZEROと連携するSafieの導入を決めました 。
倉庫内に設置してあるクラウドカメラ「Safie One(セーフィー ワン)」
同梱物や包装資材の指定が細かいお客様のため、何らかのお問い合わせがあったときに、こちらの作業を振り返り確認できる仕組みが必要だと感じていました。しかも、冷蔵倉庫は本社から少し離れているため、問い合わせを受けてから現場で確認するのにも、タイムラグが発生していたことにも課題感がありました。
今回の連携で、「ロジザードZERO」の画面上から出荷データの検索や、クラウドカメラの映像の確認が可能になり、該当作業が正確に行われていたかを即時に確認できるようになりました。Safieはクラウドサービスなので、どこにいてもアプリを経由して録画を確認することができます。画質もとてもきれいです。従来、作業内容を確認するには、現場に出向いて梱包した箱を開けて、中身を確認しなければなりませんでした。ロジザードZEROと連携するセーフィーを導入したことで、該当する荷物の出荷作業手順などを、離れた場所からでも即時に確認できるようになりました。問い合わせに迅速に対応できること、倉庫作業の振り返りや品質向上に役立つことから、荷主様にもとても喜んでいただいています。
倉庫作業の確認のために導入したカメラですが、人感センサー機能も便利に活用しています。従来は巡回で確認していた業務の進捗状況を、アプリを通じて手元で確認できるようになりました。おかげで、巡回時間を他の業務に充当できるようになるなど、私の仕事の効率は格段によくなりました。
コンタクトレンズやサプリメントなど、パッケージがほぼ同じで内容が異なる商品を複数同梱するような業態には、ロジザードZEROとSafieのセットは、力を発揮すると思います。作業手順の記録は、お客様にとっても安心ですし、現場にとっても不安要素を解消できます。今後は、高額商品を取り扱う荷主様に対して、EC万引対策のためにも提案していくつもりです。
ロジザードもSafieも、いずれも使い勝手が非常によく、サポートも行き届いています。困ったとき、疑問がある際の対応もすごく早くて助かっています。特にロジザードの営業の方には、気軽に電話していろいろなことを聞いています。当社の営業に、同行していただくこともあります。お客様の疑問や悩みにその場で回答いただけるので、お客様からの満足度が高く、私自身も勉強になり、とても感謝しています。
商品から画像検索ができると、現場としては大変助かります。商品側から複数の購入者を特定し、確認したいというケースが多いためです。できれば、アプリ化していただけるとありがたい。冷蔵倉庫の作業場にはPCを持ち込めないので、携帯電話など手元ですぐに確認できるようになると利便性が高まると思います。
WMSの導入は、荷主様との信頼関係構築にとても有効です。特にロジザードZEROは、直感的に誰もがすぐに使えて導入のハードルが低いので、一定の規模感があるお客様にはぜひ利用していただきたいと思って、お勧めしています。また、今回のSafieとの連携のように、新しいサービスとのコラボレーションは倉庫にとっても大いに刺激になります。我々も、現場の可視化に努力している姿勢をみせることで、荷主様から当社への信頼度が高まると信じています。
特に、物流現場へのクラウドカメラの導入は、今はまだ黎明期かもしれません。でも、「いまどき作業場にカメラが入っていないの?」といわれる日が、おそらく数年後には必ずやってくるでしょう。WMSとの連携でクラウド録画サービスを他社に先駆けて活用し、その知見をお客様への価値向上に貢献していきたいと思っています。これからも、末永くお付き合いをよろしくお願いいたします。
取材日:2025年2月28日
商品の入荷・加工・出荷までのトータルな物流業務を行いお客様のニーズに対応できるシステムで安全、確実、スピーディに品質と納期を第一に考え、感謝の気持ちで業務に取り組んでいます。
社名 | 株式会社西京物流サービス |
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代表 | 代表取締役 吉田久生 |
本社所在地 | 〒812-0064 福岡市東区松田1丁目12-32 |
創立・設立 | 2002年4月創業 2004年4月設立 |
事業内容 | 総合物流業・業務請負・倉庫保管 一般労働者派遣事業(派40-300218) |
HP | http://www.saikyo.co.jp/ |