倉庫業 ロジザードZERO

流通業の物流倉庫で業務標準化と出荷ミスゼロを実現!WMS導入で物流DXを促進

司企業株式会社
袋井営業所 チーフ 間宮 薫 様
富士営業所 チーフ 庄司 陽之 様

北陸・東海

今回は、流通業向けに全国輸送網を強みに半世紀以上の歴史を誇る、司企業株式会社様の富士営業所を訪問しました。輸送に加えて倉庫事業にも力を入れている司企業様では、2023年、製紙会社向けの新たなサービス拠点として富士営業所を立ち上げるにあたり、全国の拠点で初めてロジザードZEROを導入されました。その背景や目的、効果について、チーフの間宮様と庄司様にお話をうかがいました。

全国130拠点の輸送網と半世紀以上の実績、流通業向け物流企業の新たな挑戦

― はじめに、司企業様の事業内容を簡単にご紹介ください。

庄司様
当社は、愛知県豊田市に本社をおく1971年創業の物流会社です。創業以来、「安全と法令遵守」を土台に「お客様第一主義」を貫き、物流会社として提供できるさまざまな付加価値を追求しながら、物流ネットワークの拡充や効率化に力を入れてきました。現在は、「TSUKASA」の緑ロゴのトラック等約1000台を保有し、全国約130拠点の営業所およびグループ会社との連携により、広範な輸送ネットワークを築いています。主に流通業向けに、小ロットから大ロットまで幅広い物流ニーズに対応、柔軟で高品質なサービスの提供を目指しています。営業所の多くは倉庫を併設し、保管・入出荷業務も行っています。2023年には富士営業所を新たに開設し、市内の製紙関連企業を中心に物流サービスを展開しています。

― どのような経緯で、ロジザードとのご縁がはじまったのでしょうか?

間宮様
富士営業所の開設と同時に、丸富流通様からの委託で、丸富製紙様の商材であるトイレットペーパーを扱うことが決まっていました。荷主様の自社物流の許容量を超える業務を支援する形で、当社の倉庫で商材を保管し、小売店のセンターへ配送するBtoB輸送を担うことになったのです。800強のSKUがあり、入出荷頻度が高いことに加え、先入れ先出しといったロット管理も必要で、ロケーション・エリア管理を含めてWMSに準じるシステムが必須でした。準備期間が約2カ月と短く、自社構築は難しいこともあり、この機会にパッケージ型のWMS導入を検討しようと。そこで、同業のシステム関係者から情報収集を行い、ネット検索も活用した結果、ロジザードのWMSが高く評価されていることを知り、直接お問い合わせをさせていただいたのがきっかけです。すぐに営業の方が訪問してくださり、私たちが実現したい業務内容を整理し、スケジュールを組んでいただきました。


業務の標準化と拡張性、BCPを考慮し、クラウド型WMSを初導入

― 司企業様の物流現場で、クラウド型WMSの導入は富士営業所が初めてとのこと。それまでの運用と、今回クラウド型WMSを導入した理由についてお聞かせください。

間宮様
以前はTC型(通過型)業務が中心でしたが、DC型(在庫型)(注)へのニーズが年々高まってきました。これに対応し、従来はExcelやAccessを用いた管理、自社開発のアプリ、あるいは検品機能のみを備えた簡易的な在庫管理システムなどを使って業務を行ってきました。今回、富士営業所の新設にあたり、開発にかける時間がなかったこともありましたが、それ以上に「業務効率化を体現するモデル営業所をつくりたい」という思いがありました。倉庫業務は属人化しやすいため、新たな営業所では業務の標準化を実現し、可能な限りシンプルな操作で運用できる倉庫を目指したのです。
静岡県内には、倉庫を併設した営業所が複数存在しています。同一システムでそれらを管理できるようになれば、業務標準化だけでなく、コストメリットも期待できます。今後の横展開や事業拡大、さらにはBCP(事業継続計画)の観点からも、クラウド型パッケージWMSの導入が最適だと判断しました。

注)
TC型(Transfer Center/通過型センター):商品を一時的に通過・仕分けすることを主目的とした倉庫。保管はほとんど行わず、入荷した商品をすぐに仕分け・配送する。
DC型(Distribution Center/在庫型センター):商品を保管し、注文に応じてピッキング・仕分け・出荷を行う倉庫。在庫管理が重要な役割のひとつ。


現場目線の使いやすさと豊富な知見、スピード導入が決め手に

― ロジザードZERO導入の決め手は?他のWMSも検討されましたか?

間宮様
どのパッケージ型WMSも、主要な機能に大きな差はありません。複数のサービスを比較検討する中で、私たちが特に重視したのは「現場での使いやすさ」です。入力項目の少なさや、直感的に操作できるUIなど、現場スタッフの負担が少ない点を高く評価しました。また、ロジザードの担当者からのレスポンスの速さも、導入を決めた大きなポイントでした。限られた準備期間の中で、荷主様や私たちが描いていた「こうしたい」という運用イメージを、御社の営業やSEの方が整理し、具体的な業務フローとして具現化してくれて、本当に助かりました。現場のイメージをしっかり理解したうえで解決策を提案してくれる、ロジザードの豊富な実績と知見には、大きな安心感がありました。

庄司様
また、荷主様側でもアカウントを発行することで、お客様がリアルタイムで在庫状況を確認できる点も、大きなポイントでした。問い合わせから導入まで、わずか約2カ月というスピード対応でしたが、導入後もサポートセンターを含めた非常に丁寧なご対応に支えられています。


1日平均4,000個、高頻度な入出荷を支えるシンプルで無理のない現場運用

― 具体的にはどのような運用をされていますか?

庄司様
極めてシンプルな運用です。商材の入荷処理が完了した後、指定されたブロック(エリア)に移動し、空いている場所に格納します。商材がトイレットペーパーと大きな商品であるため、ロケーションはブロック単位で管理しており、ハンディターミナルは使用していません。
お客様からは、出荷の2日前にCSV形式で出荷指示データが送付され、それをロジザードZEROの出荷指示に取り込み、引き当て処理を行ったうえでピッキングリストを印刷します。出荷時には、ピッキングリストを参照しながら商品番号と数量を確認し、画面上で確定処理を行っています。緊急時には、営業所側で出荷指示書を作成して対応することもあります。お客様からご要望いただいている先入れ先出しの管理も、問題なく運用できています。

間宮様
1日に取り扱う商材は平均して4,000~5,000個にのぼります。特に出荷は1日あたり5000個に達し、1台あたり約350ケースを積載可能な大型車でも、毎日10台以上が積み込みに訪れます。入出荷の頻度が非常に高いため、厳密すぎるロケーション管理はかえって現場の負担になることから、あえて運用のしやすさを優先し、ブロック単位で管理しています。極論を言えば、在庫数が正確に把握でき、入出荷指示と引き当て処理が確実に行えることが担保されるならOK。現場にとって負担が少ないこと、「現場を楽にすること」を優先した運用にしています。


WMS導入で営業所開設以来、誤出荷などのトラブル「ゼロ」!

― ロジザードZEROを導入してよかった点を、具体的にお聞かせください。

庄司様
誰もが直感的に操作できる点が非常に良いと感じています。操作に難しさを感じることがなく、習得も容易です。マニュアルも非常にわかりやすく、新人でもすぐに使えるようになります。機能面では、日々の入出荷管理に関する機能を一通り活用しています。在庫管理やピッキングリストも非常に便利で、商品をすぐに探し出せるため、お客様からの問い合わせにも迅速かつ正確に対応できます。その結果、お客様からは「レスポンスが速くて的確」「仕事が速い」と喜ばれています。

間宮様
外箱の破損などを理由に、出荷が難しい商品が発生した場合にも、システム上で良品とB品や出荷不可のC品を明確に区分できるため、非常に助かっています。出荷は良品のみとし、B品やC品については荷主様と相談のうえ、外箱を新しいものに替えるなどして良品として出荷可能なものは再処理するなど、柔軟な対応にもお客様から好意的な声をいただいています。
2023年から運用を開始して、おかげさまで富士営業所の開設以来、誤出荷などのトラブルは一切なく、「ゼロ」の記録を更新中です。


WMSの安定稼働を支える確かなサポート体制のもと、現場の自走力が向上

― トラブルゼロ!それは素晴らしいですね。使いやすさも評価いただきありがとうございます。アフターフォロー、サポート体制についてはご満足いただけていますか?

間宮様
とても満足しています。ロジザードさんには導入にあたって、富士営業所の業務フローに即した専用の運用マニュアルを個別に作成いただき、SEの方からの丁寧なレクチャーもありました。導入初期は、業務フローから外れるイレギュラーなケースや、マニュアルに記載のない事象が発生するたびに問い合わせをしていましたが、その都度、営業担当やサポートセンターの皆さんが丁寧に対応してくださり、すべてスムーズに解決してきました。今では現場も問題なく運用できており、私のところに質問や相談が来ることも、いつの間にかなくなっていました(笑)。ロジザードZEROは、稼働日数や関わる人数が非常に多いにもかかわらず、これまでトラブルや運用上の大きな問題は一切発生していません。

庄司様
万が一何かあっても、サポートセンターに相談すれば必ず解決できるという安心感があり、不安を感じることなく使い続けられています。また、マニュアルの完成度の高さにも感謝しています。業務フローにしっかり落とし込まれており、初めて現場に入るスタッフにも説明しやすく、現場教育にもとても役立っています。現場の運用責任者としても、ロジザードZEROを導入してよかったと感じています。


富士営業所で構築した運用スキームをきっかけに、WMSで物流DXを推進

― 今後進めていきたいこと、展望があればお聞かせください。

間宮様
現在、全社的に物流業務の運用フローやシステムの見直しを進めているところです。当社はもともと輸送事業や流通事業を核に成長してきたため、物流(倉庫)分野のシステム整備は、まさにこれからが本番です。ロジザードZEROの導入は、パッケージソフトの持つ利点に気づくきっかけとなり、社内に良い刺激を与えました。グループ内にはシステム開発やDX促進を担う部門もありますが、現在はWMSと自社アプリを組み合わせてどのような運用が可能かを検証する全社プロジェクトが立ち上がっており、私自身もメンバーの一人として取り組んでいます。

物流現場と事務部門は密接に関わり合っています。特に営業所では、互いの業務を理解し、両方を担える体制をつくることが理想です。その意味で、今回導入したシステムは、現場と事務の橋渡しとして、大きな役割を果たしています。富士営業所で構築した運用スキームは、他拠点のロールモデルとなり得るものであり、今後は静岡県内、さらには全国への展開も視野に入れています。ロジザードZEROは、周辺システムとの連携実績も豊富ですので、今後の展開においても引き続きご相談させていただきたいと考えています。

― ロジザードZEROを発展的にご活用いただけて、とてもうれしいです。ロジザードに期待していることがあれば、お聞かせください。

間宮様
近年注目されているパッケージ型WMSの多くはBtoC物流向けの機能が充実しているため、BtoB物流企業にとっては見落とされがちかもしれません。しかし、ロジザードZEROは流通業の物流業務に必要な機能が充実しており、おすすめのWMSです。現場の運用をロジザードZEROの仕様や機能に寄せることで、業務の標準化や効率化が進むという利点もあります。
また、荷主様側の理論在庫と倉庫の実在庫に差異が生じることは、現場ではよくあります。WMSを導入することで、モノの動きが時系列で記録され、入出荷データと在庫数の突き合わせが可能になります。整合性が取れていれば、倉庫側にミスがないことをデータで証明することができ、お客様に対しても倉庫品質をしっかり担保できるようになります。これからWMSの導入を検討される企業様には、ロジザードZEROをぜひ一度試してみることをお勧めします。

また、ロジザード営業担当の方が、機能の提案に先立ち、まず私たちが実現したい運用の流れや構想を丁寧に理解しようと努め、「それならロジザードZEROをこう使うといい」と、具体的な形で提案してくれたことが印象に残っています。私たちがやりたいと描くイメージを形にする力、そして物流業務への深い理解があることを実感しました。豊富な実績、知見がベースにあるのだと思います。現場とシステムの連携をしっかりと考慮した導入支援のおかげで、富士営業所は混乱なくスムーズに立ち上がりました。私自身も、ロジザードのメンバーと建設的な意見交換を重ねながら、やりたいことを形にしていけたことを大変ありがたく思っています。今後も司企業の物流DXをさらに推進していくうえで、ぜひ力を貸してください。


司企業株式会社 会社概要

『安全は経営の原点』を掲げ、常にお客様の視点に立った提案を第一とし、最良のサービスを提供する総合物流サービス会社です。愛知県豊田市に本社をおき、全国に約130拠点の営業所ならびにグループ会社を展開。強力な営業所連携で、大~小ロットのどのような荷物にも対応し、あらゆる物流を可能にしていく会社です。

社名 司企業株式会社
代表 代表取締役会長 庄司只功
所在地 本社:〒473-0911 愛知県豊田市本町中根98
富士営業所:〒417-0002 静岡県富士市依田橋189-1
設立 1971年4月
事業内容 一般貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、通関業、産業廃棄物および一般廃棄物の収集運搬業務、その他
HP https://tsukasa-k-k.co.jp/