COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2024/04/24 EC・通販事業者システム

自動出荷の前に知っておきたいメリットとデメリット【2024年最新版】

column_210908.jpg

エンタープライズ業務の自動化が注目されていますが、それはEC事業者などの物流業務も例に漏れません。とりわけ手動対応が中心であった出荷業務は、「自動出荷システム(自動出荷)」の導入により、大半の工数を自動化。作業スタッフの業務効率改善やコスト削減、物流品質の向上が期待できます。今回は、そんな自動出荷のメリット・デメリットについて解説します。

自動出荷とは?

自動出荷とは、 自社または委託先の物流倉庫内における出荷業務を自動化するサービス・システムの総称です。商品受注から出荷作業、在庫情報の更新などを自動化かつ一元管理でき、EC事業者などの物流業務を効率化させます。
自動出荷には、以下2種類の導入パターンがあります。

  • 自社物流の場合:OMSおよびWMSと自動出荷を連動させる
  • 物流委託の場合:OMSおよび「物流倉庫会社のWMS」と自動出荷を連動させる

一般的な自社物流の場合、「カートシステム」「OMS(受注管理システム)」「WMS(倉庫管理システム)」の順に注文を処理し、出荷完了後はまた、カートシステムに送り状番号を戻します。
具体的には、カートシステムに入った受注情報はOMSで管理され、CSV連携などでWMSに送信します。物流現場の作業スタッフは、WMSの情報をもとに帳簿出力やピッキング、出荷検品などを行い、商品を出荷します。なお、OMSとWMSが一体化しているシステムもあるため、実際のフローは上記の限りではありません。
自動出荷を導入した場合、これまでマンパワーに依存していた出荷業務の多くを機械的に処理できます。例えば、受注情報の管理を筆頭に、配送情報登録から在庫同期、注文完了メールやサンクスメールの自動送信など、定型業務のほとんどを自動化。出荷業務の効率化、そして"顧客フォローアップの自動化"によりCS(顧客満足度)やLTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。
一方、物流委託の場合は、自動出荷のメリットをより享受できます。商品梱包・配送まで委託先が代行するため、受注から出荷完了までのフローをノータッチで実現。ほぼすべての物流業務を自動化することで、ヒューマンエラーや受注漏れなどのリスクも軽減されます。


自動出荷のメリット

ここでは、自社物流に自動出荷を導入するメリットを解説します。

物流業務の効率化

OMSおよびWMSと自動出荷を連携することで、物流業務の効率化が期待できます。昨今、EC事業者を中心に物流業務のシステム化が加速していますが、OMSとWMS間の情報連携は、手作業で処理する場合がほとんどです。その業務プロセスを自動化するメリットは大きく、作業スタッフの業務負荷軽減やリソース確保、生産性向上が期待できます。
また物流業務を委託する場合、出荷業務そのものをアウトソーシングすることで、自社対応の物流業務はほぼなくなります。自動出荷の導入により、物流関連の業務効率は大幅に改善されるでしょう。

人件費などのコスト削減

物流業務に限った話ではありませんが、定型業務の自動化はあらゆるコストの削減に繋がります。例えば、人件費です。手作業で対応していた出荷業務を自動化すると、必要以上に作業スタッフを雇う必要がなくなります。最小限の人員で、最大効率の生産性を実現するわけです。
また、倉庫内における収納効率も改善されます。近年のEC市場は大手通販サイトの影響から、配送スピードを重視する傾向にあります。配送スピードが少しでも遅いだけで、自社のサービス評判が落ちるケースも少なくありません。
配送スピードを決める要因に「倉庫内の収納効率」と「出荷業務効率」の2つがあります。双方が高い水準を満たしてはじめて、ユーザーが求める「迅速な配送」を形にできるのです。とくに収納効率の影響は大きく、手動管理では非効率的な結果になることも多々あります。人の感覚ではなく、ロジックにしたがって商品を管理・収納する方が効率的です。その支援を行うのが、自動出荷システムとなります。

物流品質の向上

「注文した商品と別の物が届いた」「期日通りに届かなかった」など、1つのミスが自社の評判を落とす時代です。EC事業者は配送スピードに加え、「物流品質」も同時に求められています。
自動出荷は文字通り、出荷作業の大半を自動化するシステムです。動作に問題がない限り、出荷作業を正確かつスピーディーに処理します。結果、受注ミスや誤出荷などのヒューマンエラーを防ぎ、物流品質は着実に向上。これはユーザークレームの防止にも繋がります


自動出荷のデメリット

自動出荷システムは今後、物流業務のデファクトスタンダードになると予想されます。一方、"機械化"ならではのデメリットもあるため、以下で詳しく解説します。

キャンセル処理に対応しづらい/受注内容の変更に対応しづらい

自社物流・物流委託において自動出荷を導入した場合、ユーザーからの受注キャンセルに対応しづらくなります
順を追ってご説明しましょう。通常はカートシステムに受注情報が入り次第、OMS・<自動出荷システム*>・WMSの順で処理されます。一方、途中でユーザーからキャンセル依頼が入った場合、「どこまでデータが流れたのか?」を担当者が確認し、状況別に対応しなければなりません。つまり、自動出荷はキャンセル処理を苦手とする側面があるのです。
これはギフト商品などに多い、名入れやラッピング、配送日時の変更依頼も同様です。自動出荷は受注情報を機械的に処理するため、途中で注文内容に変更が生じると、対応が遅れる、または対応できない場合があります。

自動出荷システム*:OMSとWMSが自動連携している場合、自動出荷システムを挟まない場合があります。

同梱処理の要望に応えられないことがある

自動出荷の性質上、正式受注後に追加依頼された同梱処理に対応できない可能性があります。なぜなら自動出荷システムの多くは、1注文単位で受注情報を処理するためです。

例えば、ユーザーAが商品Bを購入し、その数時間後に商品Cを追加購入したとします。ユーザーから「送料を抑えたいから2商品を同梱して欲しい」と要望があっても、すでに商品Bの受注情報を処理しているため、同梱できないといったことが発生します。
対策としては、「2回に分けて注文すると同梱不可」「注文後のキャンセル・内容変更不可」などの事前周知が有効です。注文確認ページの注意事項に記載したり、サンクスメールに追記したりする事業者がみられます。

システム連携時にエラーが発生することがある

"物流業務の自動化"は、OMSやWMSなど異なるシステム間の連携で実現します。一方、昨今はさまざまな物流システムが登場しており、連携時にエラーが発生することも少なくありません。その場合、どのシステムで、どのようなエラーが生じているのか、早急に確認できる仕組みが必要です。
実際に現場では、システムエラーが発生しても即座に復旧できないことがあります。そのため、CSV連携をはじめとする手動連携に対応できる自動出荷システムならば安心です。


RPAで物流業務の一部を自動化できる?

近年はエンタープライズ業務の自動化に使われているRPA(Robotic Process Automation)ですが、物流業務にも活用できます。
例えば、運用中の物流システムの互換性により、自動出荷を導入できないケースがあります。この場合、RPAで出荷業務の一部を自動化し、業務効率化に繋げている事例が少なくありません。RPAにはオンライン・オフライン双方に得意分野があるため、詳しくはソフトウェアベンダーやメーカーに問い合わせましょう。

中小企業向け次世代型RPA「アシロボ」

ディヴォートソリューション株式会社様が提供するRPA「アシロボ」の詳細はこちら
https://assirobo.com/


自動出荷システムと連携可能なクラウドWMS

近代の物流に革新をもたらした自動出荷の仕組み。メリットはもちろん、デメリットまで把握した上で導入検討を行いましょう。
自社物流で自動出荷を検討している、または委託先の物流倉庫会社への出荷指示を自動化したい企業様は、ぜひ当社までご相談ください。シッピーノ株式会社様が提供する「シッピーノ」、株式会社はぴロジ様が提供する「ASIMS」といった自動出荷システムとの連携が可能であり、業界No.1のシェアと稼働率のクラウドWMS「ロジザードZERO 」をご提案いたします。まずは一度、お気軽にご連絡ください。

「ロジザードZERO」のお問い合わせはこちら