COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
ロジザードでは、クラウドWMS(倉庫管理システム)国内業界シェアトップの「ロジザードZERO」を海外の物流現場でも活用していただけるよう、ASEAN向けにアレンジした「LogizardZERO」、中国向けのOEM「e-倉管」を提供しています。英語だけでなく、中国語(簡体字・繁体字)・タイ語・ベトナム語に対応しており、中国、タイ・ベトナム・フィリピンなどの東南アジアを中心に導入実績を伸ばしています。
「日本クオリティーの物流管理を海外でも」の強みが日系企業様にご好評いただき、ご採用いただけていたのですが、営業、導入を進めるなかで、在庫管理の課題は庫内の物流業務にとどまらないことに気づきました。
こちらのコラムでは、「倉庫内だけじゃない!WMSの活用法」の一つとして、製造業での活用法をタイの製造業の企業様を事例にご紹介いたします。
在庫管理に課題を抱えていた製造業のA社。ERPや生産管理システムなど様々なシステムとの比較検討を行った結果、倉庫内の在庫管理に特化したクラウド型WMS「LogizardZERO」を導入いただきました。導入当時の状況から、導入から6年経った現在の様子をお聞きしました。
こちらの企業様では、日本の本社にも負けない在庫管理の精度を、タイ人チームだけで実現しています。
当社は、自動車関連部品を製造する会社です。私がタイに赴任するにあたり、本社からは正確な在庫管理の実現を一つのミッションとして与えられていました。赴任後は、まずは工場を見て回り現状を把握した結果、やはり正確な在庫管理にはシステム導入が必要であるとの認識に至りました。
システムの選定をすすめるにあたり、ERPや生産管理システムなど様々なシステムの紹介を受け検討しました。どのシステムも多彩な機能をそろえており魅力的に映りましたが、実際に自社の工場に適用させることを考えた時に、本当に現在の自社にとって最適なシステムなのか、ローカルのスタッフが使いこなせるのかという点でどうしても不安を感じていました。色々と思い悩んだ結果、当社の最優先課題である正確な在庫管理を実現するためには、やはり直接的に現場のオペレーションを管理でき、さらにシンプルで分かりやすいシステムが良いのではないかという一つの答えが見えてきました。
そんな時に、フリーペーパーに同梱されていた「LogizardZERO」のチラシを見つけました。チラシに書かれていた「シンプルかつ確実な在庫管理を実現する」という趣旨にピンときて、すぐに問い合わせをしてみました。実際にタイ国内での代理店の方に製品の説明を聞いた時に、「これだ!」と思いました。機能もシンプルで分かりやすく、ダイレクトに正確な在庫管理を実現できるイメージが描けました。それに、"シンプル"と言いながらも、在庫管理が専門である物流会社での数多くの導入実績があったので、自分たちが将来も含めてやりたいことは、LogizardZEROの標準機能でほぼほぼ実現できるであろうという安心感もありました。
実際、工場の「生産」という面では問題なく回っていました。しかし、赴任前に知らされていた通り、やはり「在庫管理」に課題を抱えていました。
在庫管理は多くの会社がまずは試すものと同様にExcelを使ってやっていましたが、在庫表の数量と実際の在庫とが全然合わない。そして、「在庫が合っていない」という事実を社員・スタッフも分かっているので、在庫数を知りたいときにエクセルを見ずに現場まで数えに行く。さらに、在庫切れを回避するために、とにかく過剰に在庫を持つようにもなる。そんな在庫管理の不備がもたらす悪循環に陥っていました。
会社としても何とか正確な在庫を管理しようと、毎月棚卸をしていました。毎月月末に多くの時間と人数をかけて棚卸をしていましたが、それでもやっぱり在庫が合わない。まさにそんな状態でした。
何回か打ち合わせをして導入を決めると、LogizardZEROのタイにおける代理店の日本人スタッフ・タイ人スタッフが現場運用構築の支援に入ってくれました。システム導入をする際に、どうしても自分たちの現状の業務フローにシステムを合わせたくなってしまいますが、私はそうならないように気を付けました。今までの自分たちの業務フローの延長線上では、正確な在庫管理を実現するのは難しいと思ったからです。
まずは自分たちが持っていた固定概念を捨て、LogizardZEROの持つ標準機能に合わせる形で、新しい運用フローを作っていきました。新しい業務フローを作成するにあたり、シンプルに2つのテーマを掲げました。
実は、導入後2か月はあまり在庫精度に変化はありませんでした。ただ、ヒアリングを通して原因を調べていくと、当初に取り決めた運用フロー通りに作業されていないことが分かりました。バーコードを使った作業は、正確性はあるものの目視検品に慣れた作業員にとっては面倒くさいと感じてしまっていたようです。
それでも、代理店のタイ人スタッフにも協力をお願いし、「なぜ運用フローに沿って作業することが大切なのか」、「バーコードスキャンすることが最終的に作業員にとってどれだけメリットがあるのか」を根気強く説明していきました。その過程では、古い考えが捨てられない古参メンバーは配置転換を行い、柔軟な思考ができる新しいスタッフを抜擢するなど組織改革も断行しました。
すると、3か月目から徐々に在庫精度が上がり始め、6か月後には、当初に設定した在庫精度の目標を超えるまでに大幅に改善しました。
さらに、在庫精度の向上はあらゆる面でよい波及効果があります。毎月実施していた大変な棚卸も3か月に1回、さらには6か月に1回にまで少なくなりました。もちろん、本社がそのような許可を出すだけの在庫精度を保ち続けた結果です。また、会社全体が「LogizardZEROの在庫は合っている」という共通認識を持つことができたことで、都度の在庫カウントをすることもなくなりましたし、部材の過剰発注などを抑止する効果もありました。
LogizardZEROの導入後しばらくは、私自身が担当者としてLogizardZEROを使った在庫管理業務をマネジメントしていました。この業務をずっと私が担当しなければならなかったら大変だったでしょうね。ただ、導入から1年経過した辺りから、そのマネジメント業務自体をタイ人マネージャーとそのチームに移管することにしました。やはり、「会社から言われたからシステムを使う」のではなく、LogizardZEROを使ったら自分たちの作業が楽になるということを肌で感じて理解しているチームなので、苦も無くLogizardZEROを使いこなしていました。
代理店の担当者から「LogizardZEROの利用で何か困っていることはないですか?」と定期的にお声がけ頂いていたのですが、「タイ人マネージャーに任せているから細かいことはわからない。でも在庫の精度は維持されているから大きな問題はないはず。詳細は、タイ人スタッフに聞いてみて」と塩対応することもありました(笑)。
正確な在庫管理を一つのミッションとしてタイに赴任した自分にとって、ただ正確な在庫管理だけではなく、それをタイ人スタッフだけで運用できているという事実が、このミッションの本当の意味での成功を何よりも物語っているのではないかと思います。
日本の本社からの要望により、本社SAPとLogizardZEROの間で実績データの自動連携を行っています。それで本社への報告業務は少し軽減されています。
それ以外でもLogizardZEROでは、各種実績データがCSVで自由にダウンロードできるので、自分たちで好きに加工して、色々な分析や、他のシステムへのデータ入力に活用していますね。
本当にLogizardZEROを導入してよかったと思っています。世界中にグループの工場は点在していますが、日本国内の工場を含めて、在庫管理の精度という点においてはこのタイ工場がNo.1であるという自信があります。
日本国内で1,500を超える導入実績を誇るLogizardZEROの機能の優位性、日本語・タイ語問わず現場の相談に親身に対応してくれた代理店、自分たちで考え・理解し・チームとして成長してくれているタイ人マネージャーとそのチームが合わさって、ここまで継続して効果が出ているのだと思います。あと、何よりLogizardZEROの特長を理解し採用を決断した私の先見の明があったこともアピールしておきます(笑)
タイの生産工場における、事例をご紹介させていただきました。
WMSは、倉庫内の入出荷機能だけでなく、「保管」の機能が備わっているため、在庫管理の精度が低く、または在庫がどこにあるかわからない、といったお悩みにもWMSが活躍できることがわかります。特に海外では、「現地のシステムを導入するのが不安」「在庫管理だけだから」とまずはエクセルやスプレッドシートを選ぶ企業様は多いと思います。ぜひこちらの事例を参考に、WMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
ロジザードでは、中国、ASEANでの導入実績が多数ございます。こちらで海外での導入事例をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。