COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2019/08/07 インタビュー・見学

体験:第20回 自動認識総合展 株式会社サトー様

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2018年9月12日~14日に開催されました、第20回自動認識総合展へ行ってきました。
今後、ICタグの低廉化が想定され、RFID導入を検討される企業様はますます増えくるでしょう。ロジザードはWMS(倉庫管理システム)を提供しておりますため、RFIDの需要やRFIDに関するお問い合わせが増加することを見込み、日々情報収集をしています。
そこで今回は、プリンターのお取引先様である株式会社サトー(以下 サトー)様にご協力いただき、RFIDを使った製品の体験をさせていただきました。

体験① 電波で通信するRFIDの特徴を知ろう

autoid-expo2018_02.pngRFIDについて調べると、金属や水に弱いといった特徴を必ず聞くと思います。こちらのコーナーでは実際に水分のある商品、種類の異なる金属が本当に読み込まないのか、といった体験ができました。
まずは水に弱い、という特徴についてです。
このように、201のタグは読み込みますが、水が入っている202のタグは読み込みません。

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さて、ここで皆さまにクイズです。

こちらの食品(リンゴ、味噌、お米、プリン)の中で1つだけ読み込むものがあります。それはどれでしょう?

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正解は、お米です!
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お米にも少々水分が含まれていますが、この程度ですと読み込めるそうです。

次は金属に弱い、という特徴です。
こちらの中で読み込める金属が3枚あります。それはどのタグでしょう?

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正解は502、503、504です!
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こちらはサトー様の技術で、金属を通して信号を送るように作られた特別なタグが使われていました。

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このように、こちらのブースではRFIDの弱点をリアルに体験することができました。水、金属などが含まれる商品にタグを貼る場合は、実際に読み込まないことがあるため注意が必要です。
水に強いRFIDタグは1枚100円程度、金属でも読み取れるRFIDタグは500円すると言われていますが、テクノロジーが進み、進化したRFIDにより低廉化していくと思います。
金属に対応ができれば、高額商品が多い電子機器こそメリットがありそうです。

体験② RFIDを使ってもの探し

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こちらのコーナーでは、RFIDの電波を使ってある特定の商品を探す探知機のような機能を体験させていただきました。
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特定商品がある一帯にスキャナをかざし、特定商品が近くなると電波が強くなり、端末のブザー音と画面上の的が小さくなることでどの商品か特定できます。
目視で探すより効率的です。

体験③ RFIDの特徴を理解しよう

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こちらのコーナーでは、検品作業を体験させていただきました。
実作業としては 開梱、商品確認 バーコードスキャンという工程を7割ぐらい省くことができることを体感しました。また、ハンガー商品はアパレル商品特有であるタグの位置を
探す手間のかかる行為がいらないので、これもおおよそ半分ぐらいの作業になると思います。

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アパレルは段ボールの中に複数種類の衣類が混合した状態で入荷することがよくあります。箱を開けずに読み込むことができるのも大変便利です。ただ、RFIDタグだけが入ってしまっている場合に過度に計上されてしまい検品の精度が下がるため、商品点数だけは数えたほうが良さそうです。

体験④ 読み取り距離を体験

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こちらのコーナーでは4枚のサイズと距離の異なるタグの読み込みを体験させていただきました。
展示会ということもあり、様々な電波が飛び交っていたため奥にあるタグを読み取るのに少々時間がかかりましたが、電波を読み取りすぎるのを防止するため、読ませたくない商品に電波を反射するカーテンがあるとのこと、こちらも体験しました。

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カーテン手前のRFIDタグ1枚のみ読み込み、カーテン後ろの3枚は読み込みませんでした!
これは便利、と思いましたがこちらの反射シート、2m×2mで約8万円とのこと!想像していたより高価で驚きました。ちなみにこちらのシートは反射するのですが、電波を吸収するシートもあるそう、吸収シートの方が高いそうです。
ただ、こういったシートは物流現場の運用に役に立つと思います。もっと手の届く価格になることを期待します。

体験⑤ RFIDを用いたフィッテイングルーム

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こちらのコーナーでは、未来型のフィッテイングルームを体験させていただきました。
棚やフィッテイングルームにもRFIDのセンサーが設置されており、フィッテイングルームへ商品を持ち込むと目の前の画面に製品画像が表示されます。そこからサイズやカラーが選べるようになっており「リクエスト」ボタンを押すと店員さんが指定されたサイズ・カラーの商品を持ってきてくれる仕組みになっています。「すみません!」と店員さんを呼ぶ必要もないので接客されるのが苦手な方にも嬉しい機能です。

また、これらのお客様の行動をデータとして蓄積することができます。例えば、商品をフィッテイングルームで試したが購入しなかった、ECでいう「かご落ち」のデータも蓄積することができます。手にとったけど、買われなかった商品を売れるためにどうするかという視点で情報が見ることができます。
さらに、既存データと掛け合わせることで新しい取り組みを生み出すことができます。例えば、会員情報と掛け合わせると、自宅にある洋服を会員情報に予め登録をしておき、フィッテイングルームでその情報を呼び起こし、すでに持っている洋服と購入商品が合うか、といったこともできるようになります。フィッテイングルームの考え方も変わってくるかもしれません。

RFIDというと商品管理の視点で導入メリットが語られる事が多いのですが、こちらでは「売上を伸ばす」「お客様の利便性」という視点での使い方をご案内いただきました。

いかがでしたか?

サトー様のブースでRFID体験をしたことで、お話で聞くよりもぐっと身近に感じることができました。すでにRFIDを用いた無人レジは有名ですが、今後ますます活躍の場を広げていくのだと思います。また、今まで収集が難しかったデータが取得できるようになるため、顧客分析が複雑化、精密化していきそうです。
ご対応いただきましたサトー前田様、小川先生、誠にありがとうございました。

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