COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
EC物流の現場では、作業効率化と正確性の向上が常に求められています。しかし、マンパワーだけでこの目標を達成するのは至難の業。そこでおすすめなのがWMSです。こちらでは、EC物流の特徴や、現場で求められている具体的なWMSの機能について解説します。
⇒ B2C-ECで成功するために必要な「物流体制」を再構築する方法とは?【資料を無料ダウンロード】
EC物流の特徴は、インターネットで購入された商品を荷主から直接消費者へ届ける点にあります。そのため、物流で何らかの問題が発生すれば、物流を委託している場合でも低評価を通販事業者側(委託している場合は荷主側)が受けることになります。3PL事業者はその点を考慮し、スピードと正確性を重視しなくてはなりません。
BtoC向けの取引は一件(受注)当たりの商品数が比較的少なくなります。一方で、近年ではインターネットショッピングが一般化し、配送量や配送先は増加しています。そのため、現場での作業量は多く、ミスも起こりやすい状況です。また、サービス品質を高めるためには出荷までのスピードも短縮しなくてはなりません。
インターネットで購入した商品をプレゼントに利用する消費者は少なくありません。このニーズに応えることは、サービス品質の向上に直結します。一方で、現場の作業量は当然増加。個別対応にもなるため、ラッピング忘れなどのヒューマンエラーも起こりえます。
個別対応はギフト・ラッピング対応だけにとどまりません。なかには、顧客ランクに応じて同封するチラシを変えたり、特定のブランドには専用の包材を使用したりといった対応が求められるケースも考えられます。
EC物流では、求められる品質が高い反面、スピードや正確性にも気を配る必要があります。同時に、3PL事業者は自社の利益も確保する必要があります。そこで重要になるのが効率化とミス防止です。以下では、EC物流の現場で役立つWMSの機能をご紹介します。
たとえばBtoB物流の場合、注文数に対して倉庫内の在庫量が足りていなければ、分納の対応を行うケースがあります。一方、BtoCとなるEC物流では、原則として在庫が全て揃った状態で出荷が行われます。点数が少ない状態で商品が届いてしまうと、エンドユーザー様としては「入れ忘れではないか?」と感じてしまう可能性も。そこからクレームにつながるケースも少なくありません。
また、分納対応はその回数に応じて別送料がかかります。入荷毎に出荷を行えば、送料の負担も増加してしまうでしょう。こうした事態を避けるのに、WMSが役立ちます。上記の例で言えば、欠品がある商品の出荷を制御するといった使い方が可能で、入れ忘れや誤出荷の防止につながります。
ネット通販の拡大によって貨物量は増加しています。一方で、消費者のニーズは多様化。配送日指定の処理はもちろん、支払い方法(後払いや代引き)や受け取り方(店舗受け取りやセンター止め)など、EC物流には複雑な処理が求められるようになりました。
購入方法や受け取り場所、受け取り時間が異なる注文が増えれば、それだけミスも多くなります。WMSには、こうした人為的ミスを防ぐ機能を搭載。注文番号ごとに出力されるピッキングリストという指示書に注意書きを入れることができます。それぞれの条件を適切に処理できるようになり、トラブルを防止できます。
たとえばギフト品の発送では、いくつかの付帯する作業が発生します。ラッピングやのしといったものをはじめ、お買い上げ明細書は封入しないなど、それぞれに対して適切な対応が求められます。
そのほかにも、裾上げや名入れといった加工、検品、ブランド品やリサイクル品の目利き、修理など、扱う商品やサービスによって必要となる作業はさまざま。なかには、花の水やりや温度管理、家電製品の設置サービス、おせちの冷凍やチルド加工など、特殊な作業を行うケースもあるでしょう。
これら付帯作業や流通加工におけるミスを防ぐには、ピッキングリストへの記載が有効です。作業者は備考欄等に記された内容を確認し、必要となる作業を行います。もしくは、フラグ機能なども用いられます。こうした指示を正確にできるのは、WMSならではのメリットです。
なお、一部の付帯作業については専用の機器や設備が必要となるため、導入時に確認をしましょう。
Amazonベンダーセントラルへ商品を卸している事業者には、規約によって細かな納品ルールが求められます。SSCC(Serial Shipping Container Code)ラベル貼りつけは、その代表例です。ルールを守れなかった場合、納品が行われないだけでなく、商品が返送されてしまうケースも少なくありません。
WMSであれば、Amazonベンダーセントラルが定める納品方法に合わせた設定や連携が可能。ミスの防止につながるほか、作業の効率化にも役立ちます。
繁忙によって出荷件数が多くなる際には、より効率的かつミスの少ない作業が求められます。一方で、OMS(受注管理システム)や後払い連携・他配送会社などの周辺システム連携によって、倉庫内作業はより複雑化しています。そこで活用したいのがWMSです。
たとえば支払い方法が後払いとなっている荷物には、後払い伝票を同封しなくてはなりません。しかし、こうした作業はミスも起こりやすく、スタッフは常に注意を払う必要があります。
この際には、いったん後払いの荷物をグルーピング(抽出)するのがおすすめです。梱包する荷物がすべて後払いだと分かっていれば、伝票の入れ忘れを防げます。また、スタッフの注意力を集中できるので、作業効率も高まるでしょう。そのほかにも、特定の1商品だけの荷物が複数ある場合はまとめてピッキングを行うといった使い方も有効です。
なお、WMSがあれば最終的に出荷検品も行われるので、入れ間違いなどのミスも防止できます。
たとえば海外から輸入した商品には、そもそもバーコード等のラベルが貼り付けられていないことがあります。そのままでは正確な商品管理が難しくなるため、それぞれの商品に対してバーコードなどの識別コードを付ける作業が必要になります。
WMSを活用すると、バーコードの採番とラベル発行ソフト連携により、上記の作業を大幅に効率化できます。在庫の管理性も高くなるため、海外商品の輸入販売では欠かせません。
海外へ商品を販売する越境EC事業者は、それぞれの国におけるセキュリティや個人情報保持に注意が必要です。こうした事情に対応する場合は、WMS側にも機能が必要となります。たとえば個人情報を一定期間でマスキング・削除する機能などです。
※国ごとに管理策が異なるため、現在ご検討中のシステム会社様にご相談ください。
※EEA( EUを含む欧州経済領域)でご利用の場合は、GDPR( EEAにおける個人情報の取り扱いについて、法的要件を定めた規則)の対応を行っているサービスであるか事前に確認することをおすすめします。(ロジザードではEEAへのサービス提供を行っておりません。)
個別具体的な対応が求められるEC物流では、WMSを用いた効率化とミス防止が重要です。ただし、すべてのWMSが現場のニーズを叶えられるとは限りません。導入を検討する際には、それぞれのシステムが持つ機能や強みを事前に確認しましょう。
なお、WMS事業者を選ぶ際には、多様なビジネスに関して広い知識を持ち、それぞれに合わせた提案ができるか、という点も重要な判断材料です。過去の導入実績などを参考にしながら、安心して任せられるWMS事業者であるかを確認しましょう。
おすすめコンテンツ