COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。
オムニチャネルとは、欲しいものを好きな時に好きな場所で自由に購入できるようにアプローチする販売戦略の一つです。最近では「巣ごもり消費」によりECの需要が高まり、ECを強化している事業者様も多いのではないでしょうか。
店舗を運営している事業者様にとって、ECを強化するためにはオムニチャネル化が有効と考えられます。そこで今回は、「オムニチャネル」の認知度やオムニチャネルの進捗状況について店舗運営者を中心にアンケートを実施し、オムニチャネルに関する意識調査を行いました。
調査期間:2020年1月28日(火)~2020年7月7日(火)
調査方法:アンケート調査
対象者 :主に店舗運営者(イーコマースフェア東京2020、ロジザード物流パネルディスカッション2020に参加された方)
回答者数:62人
※1月と3月にアンケート調査を実施予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3月の調査を延期し7月に実施したため、緊急事態宣言前後の比較をすることとしました。
「オムニチャネル化進んでいますか?」と質問をしたところ、「オムニチャネルって何?」を選んだ人は18%、オムニチャネルの認知度は全体の82%という結果になりました。
図1
業種別に見てみると、EC・店舗運営者のオムニチャネルの認知度は86%、その他の業種は73%という結果となり、認知度はEC・店舗運営者の方が高いことがわかりました。
図2
図3
「オムニチャネル化進んでいますか?」の質問に対して、20%が「進めている・一通りできている」と回答し、既にオムニチャネル化を進めている企業は全体の2割程度ということがわかりました。また、32%が「知っているけど特に進んでいない」、30%が「情報収集している」と回答し、全体の62%が言葉は知っていても実際には進んでいないという結果になりました。
図4
オムニチャネル化の進捗状況について1月と7月で比較すると、「進めている・一通りできている」と回答した人は、1月は12%だったのに対し、7月は37%に上がり、進捗率は緊急事態宣言後の方が高くなっていることがわかりました。
また、オムニチャネルの認知度は1月が全体の78%だったのに対し、7月は90%となり、緊急事態宣言後の方が認知度も高くなったことがわかりました。
図5
図6
「オムニチャネル化を進めるために、一番困っていること/困りそうなことは何ですか?」と質問をしたところ、41%が「在庫管理の一元化」、25%が「社内制度」と回答し、全体を通してオムニチャネル化の課題は「在庫管理の一元化」と考える人が最も多いという結果になりました。
図7
1月と7月の回答を比較すると、1月は44%が「在庫管理の一元化」、22%が「社内制度」と回答していたのに対し、7月は34%が「在庫管理の一元化」、33%が「社内制度」と回答し、オムニチャネル化を進めるにあたって社内制度を整えることに苦労される方が増えたことがうかがえます。
図8
図9
「オムニチャネルにとっての、在庫管理の重要度を教えてください。(10段階/数字が大きいほど重要)」の質問に対しては、51%が「10」、22%が「9」、10%が「8」と回答し、全体の8割以上は在庫管理を重要視していることがわかりました。
図10
1月と7月の回答を比較すると、1月は51%が「10」、29%が「9」、12%が「8」と回答していたのに対し、7月は53%が「10」、21%が「7」、16%が「6」と回答し、オムニチャネル化を進めるにあたって在庫管理を最重要視する人は若干増えたものの、他の課題が見えた影響か、在庫管理の重要度が下がったようです。
図11
図12
「在庫管理で課題があるとしたらどのようなことですか?」と質問したところ、41%が「物流コスト・人件費」、24%が「誤出荷などの物流品質」、22%が「システム専任の担当者がいない」と回答し、費用面に課題を感じている人が多いことがわかりました。
図13
1月と7月の回答を比較すると、1月は31%が「物流コスト・人件費」、32%が「誤出荷などの物流品質」、27%が「システム専任の担当者がいない」と回答し、それぞれがほぼ同じ回答比率だったのに対し、7月は61%が「物流コスト・人件費」、6%が「誤出荷などの物流品質」、11%が「システム専任の担当者がいない」と回答し、費用面に課題を抱える人が増加したことがわかりました。
図14
図15
今回は、オムニチャネルの認知度や、緊急事態宣言前後の在庫管理に対する意識の変化について調査を行いました。調査の結果、新型コロナウイルス感染拡大後の方がオムニチャネルに対する関心や進捗度合いが高まっていることがわかりました。「巣ごもり消費」により店舗の売上が下がりECの需要が高まったことで、店舗の在庫をECで販売するためにオムニチャネル化を検討し始めた企業が増えたことがうかがえます。
一方、在庫管理に関しては費用面に課題を抱える企業が増え、店舗の売上が下がってしまったことで物流や在庫管理に費用をかけられなくなった影響が考えられます。
これからの未来、EC化率が進んでも実店舗がなくなることはなく、店舗の新しい存在意義を見つけることが求められます。オムニチャネルにまだ取り組んでいない店舗運営者様はwithコロナ時代を生き抜くための施策として、ECと協力し合うオムニチャネル化を検討してみてはいかがでしょうか。