通販事業 メーカー・卸業 ロジザードZERO 倉庫業

WMS導入による出荷業務の自動化で残業ゼロに。大型商材のECノウハウを3PLの新事業にも展開

株式会社三栄コーポレーション
福岡事業所
吉田 様

九州・沖縄 北陸・東海 関東・甲信越

主に家具の卸売りおよびEC販売を行っている株式会社三栄コーポレーション様の福岡事業所をお訪ねし、ロジザードZERO導入の背景や効果についてうかがいました。

インテリアやガーデニング系のEC運用、コロナ禍の需要増で現場がパンク状態に

― はじめに御社の事業について簡単にご紹介ください。

株式会社三栄コーポレーションは、家具、家庭用品、服飾雑貨、家電の4部門で、OEM(卸売り)事業とブランド事業を展開しています。私が所属する福岡事業所の商品二部は、家具ブランドの「MINT」やガーデン用エクステリア、観葉植物のEC事業がメイン業務で、2024年5月からは新たなビジネスモデルとして「フルフィルメント事業」にも着手しています。

― ロジザードとはどのようなご縁だったのでしょうか?

インテリアやガーデニング系のECが、従来の運用方法では対応が追いつかず、WMSの導入を検討し始めていたところ、コロナ禍で需要が激増してオペレーションが完全にパンク状態になりました。私自身が前職でロジザードZEROの存在を知っていたこともあり、2020年4月にご相談の連絡を入れたのがきっかけです。


注文が来るのが怖い!現場を疲弊させたアナログでの在庫・出荷管理

― WMSの導入背景を教えてください。

家具系のECは以前から長くやっていますが、今までは会社で使っているシステムをベースに、数の管理はシステム、出荷指示はExcelというアナログ運用で、特に引き当てトラブルが多発していました。システム上は在庫があっても実在庫はない、つまり実在庫数がECサイトに反映されない状況で受注してしまうというトラブルです。

しかも、家具は大きいので、アイテムごとに別々の倉庫に保管されているケースが少なくありません。ベッドの注文だと、フレームはA倉庫から、マットレスはB倉庫から発送するなど、一つの注文に対して複数の倉庫に出荷指示を出す必要があります。委託先の倉庫によって在庫管理方法がバラバラで、在庫が可視化されておらず、注文のたびに在庫を確認しては出荷指示をかけるというアナログ対応のため、とんでもなく手間と時間がかかっていました。

注文情報の処理と在庫管理、クレームや問い合わせ対応で、現場は毎日てんてこ舞い。受注をさばくために、連日残業は不可避でした。そこに、コロナ禍で家具やガーデニング系の注文が激増して、どうにもこうにもならなくなり...。注文が来るのが怖くてたまりませんでした。受注量の増加に対応するために、緊急事態宣言中でしたが、事業部でシステムの導入を決めました。


大型家具ならではのアナログ課題に対し、WMSによる解決策を迅速に提示

― そこでロジザードに相談いただいたのですね。ロジザードZERO導入の決め手は何だったのでしょうか?

OMS(受注管理システム)にはネクストエンジンを採用することが決まっていたので、連携できるWMSとしてロジザードに相談しました。すぐにWebでミーティングを設定いただき、家具という大物であること、バーコード管理をしていないこと、一つの注文に対して出荷指示が複数拠点に渡ることなどの条件と、現状の課題を伝えました。

これに対しロジザードからは、ネクストエンジンと連携できるのはもちろん、
① 大物商材での導入実績がある
② JANコードを付与すればハンディターミナルで商品を検品、確認できる
③ 出荷指示は自動化できる
と回答いただき、この3条件がクリアできれば課題は解決できると確信しました。しかも、緊急事態宣言が明けてすぐ、ロジザードの営業とSEの方が、東海地区にある倉庫に足を運んでくれました。当社は規定により出張できなかったにもかかわらずです。直接現場の状況を見たうえで、知見豊富なプロからの視点で最適な提案やアドバイスをいただき、導入に向けての懸念が払しょくされました。導入は急務でしたので、迅速な対応がありがたかったです。


ネクストエンジンアプリ+WMS「ロジザードZERO」の連携で複数拠点への出荷指示を自動化

― 大物家具ならではの特別な運用方法、工夫について教えてください。

家具はスペースを要する商材が多いため、1カ所の倉庫ではすべての在庫を保管できず、複数の倉庫拠点に分散して保管しています。現在ロジザードZEROを使っている拠点は、九州・東海・関東の6拠点で、関東のみ自社倉庫、他は委託倉庫です。大型品の配送が可能なトラック輸送を含め、さまざまな手段で複数拠点からお届けする点が、一般雑貨などのECとは異なるところです。

運用としては、出荷指示を自動化するために、ネクストエンジンとロジザードZEROを連携し、さらにネクストエンジンのアプリを使って、倉庫の振り分け指示ができるよう設定しました。先ほどの例をあげると、ベッドのフレームはA倉庫、マットレスはB倉庫と保管場所が異なるため、ネクストエンジンアプリでベッドの受注を物理的に分割し、A倉庫、B倉庫それぞれに出荷指示を出すというロジックを作りました。こうした分割出荷指示設定を、50以上の商品に対して行いました。

この分割出荷指示に対応するよう、ロジザードZEROもカスタマイズしました。標準機能では1受注に対して1送り状発行の設定ですが、当社では1アイテム1送り状発行を可能にしています。商品マスタに、アイテムごとのバーコード情報と送料、送り状の発行枚数を設定し、ネクストエンジン側からロジザードZEROに指示が流れるイメージです。

もともと商品マスタはありましたが、アナログ運用時はECのページに表示される「商品名」での管理でした。これを、アイテム別にバーコード管理する方式に変更したのですが、バーコードを貼る作業がめちゃくちゃ大変でした...。家具の多くが海外からの輸入品で、そもそもバーコードがありません。社内JANを発行して全商品にバーコードを貼付するのですが、拠点が分かれているうえに、膨大な在庫があります。海外からコンテナが入るたびに、自分たちが拠点に出向き、商品の内容を確認しながらバーコードを貼付する作業を、半年くらいかけて行いました。今は全てのカートンに印字されています。

― 複数の拠点にまたがるアイテムを、アナログでコントロールするのは大変だったと想像できます。完全にシステム化できたのでしょうか?

ほとんどのフローはシステム化して、受注起票さえできれば出荷指示は自動的に行われます。一部の卸業務には、人間かRPAが対応するケースが残っていますが、実はロジザードさんから「すべてをシステム化しようと頑張らずに、イレギュラーな部分は切り離して考えましょう」と言っていただき、うまく切り分けて対応できています。家具はシステムにはまらないケースもあるので、イレギュラーは無理にシステム化しないという選択は、目からうろこでした。


WMS導入前の課題はすべて解決!出荷業務が大幅に改善し残業もほぼゼロに

― ロジザードZEROの導入効果についてお聞かせください。課題は解決できましたか?また、現場に変化はありましたか?

導入前に抱えていた課題はすべて解消しました。導入効果は目覚ましいものがあります。具体的には、

① 引き当てや出荷指示の振り分けが、アナログからデジタル運用になったことで、受注ミスや誤出荷がなくなりました。
② 手作業が自動化されたことで、出荷回りの業務が大幅に改善、業務の効率化が図れました。
③ 導入前には月間平均30時間、繁忙期は60時間もあった残業が、システム導入後は、ほぼ終業時間に帰宅できるようになりました。
④ 残業なしに、月間5万個を超える出荷数に対応できるようになりました。スタッフが帰宅後も、夜のうちにシステムが出荷指示を出し、スタッフは翌朝出社したらすぐにピッキング作業を開始することが可能になりました。
⑤ ④により「あす楽」等、リードタイムの短い注文にも対応できるようになり、受注数がさらに増えました。
⑥ 家具は他の商材に比べて、お客様が受取日を気にされます。配送日指定への対応が確実になり、「いつ届くの?」といったクレームや問い合わせが減少しました。
⑦ 全倉庫の在庫データが可視化され、棚卸業務がスムーズになりました。また、過剰在庫等の判断がつけやすく、セール対応などが迅速になり、資金回収の期間を早めることができるようになりました。

ざっと振り返ってもこれだけの導入効果があり、業務効率化と生産性の向上、大幅なコストカットを実現できました。リーズナブルで、人件費に換算したら圧倒的なコストパフォーマンスを実証できたので、他の事業部にも導入を勧めています。


WMS導入により、大型商材ECのノウハウを活かして3PL事業へも進出

― 2024年9月からフルフィルメント事業をスタートされましたが、ロジザードZEROの導入も関係していますか?

もちろん関係しています。ロジザードZEROを入れることでバックオフィスが整い、自分たちの事業を俯瞰してみることが可能になりました。当社は長年、家具などの大型商材を扱うネットショップ運営や卸をしてきたノウハウがあり、複数の倉庫拠点やさまざまな配送手段を持っています。これを強みとして、3PL(フルフィルメント)事業ができるのではないか、特に大物商材の物流にお悩みの事業者様に、コールセンターや出荷代行のノウハウでお役に立てるのではないかと考えました。現在は、スポーツ用品、マットレスのEC事業者様をサポートしています。

― ロジザードZEROの使い勝手やアフターフォロー、サポート体制についてはご満足いただけていますか?

ロジザードの手厚いサポート体制には、本当に助けられています。現場で不明な点が生じれば、電話をするとスタッフがきちんと対応してくれる。カスタマイズやシステム連携した部分などに関して、サポートの方には頻繁に連絡する機会がありますが、スタッフの方は皆知識が豊富で、すぐに解決できます。大変満足しています。


WMS導入でオペレーションに不安がなくなり、受注増や新事業の拡大に注力

― EC事業、フルフィルメント事業それぞれの今後の展望について、お聞かせください。

本業であるEC事業は、システム化で受注に不安がなくなりましたので、受注を伸ばすべくこれからも続けていきます。また、3PL(フルフィルメント)事業は、複数拠点や配送の自由度を強みに、新たな営業軸として伸ばしていきたい事業です。


クラウドWMS「ロジザードZERO」の導入で出荷業務が劇的に改善

― 同じ課題を持つ事業者様にロジザードZEROを勧めるとしたら、どのような点がありますか?

ネクストエンジンアプリ+ロジザードZEROの枠組みで、家具などの大型で複数拠点にまたがる商材も、ロジザードZEROで出荷、在庫管理に対応することができます。とにかく、出荷業務が劇的に改善され、簡単かつ正確になります。WMSのことがよく分からない方でも、今の出荷体制や運用方法に課題を感じているなら、一度はロジザードに相談してみたらよいと思います。当社は、困ったことはすべて片付き、やりたいと思っていたことはすべてかなえられました。サポートも手厚いですし、本当に安心して初期導入の相談ができる会社です。

― ロジザードへひとことお願いいたします。

日々サポートいただきありがとうございます。倉庫は今後も増やしていく予定ですので、引き続きサポートをよろしくお願いします。

取材日:2024年10月24日


株式会社三栄コーポレーション 会社概要

株式会社三栄コーポレーションは、創業70年を超える生活用品の専門商社。「三栄コーポレーションは真に優れた生活用品を提供します。『健康と環境』をテーマに健やかで潤いのあるくらしを創造します。」を経営ビジョンに掲げ、家具、家庭用品、服飾雑貨、家電の4事業部で、OEM(卸売り)事業とブランド事業の2つのビジネスを展開しています。近年はEC事業にも注力し、インテリア関連商品をはじめ、観葉植物などの新商品ジャンルへの挑戦やサービスの充実に取り組むとともに、新たなビジネスモデルとして「フルフィルメント事業」にも着手し、進化を続けています。

社名 株式会社三栄コーポレーション
代表 代表取締役 水越 雅己
本社所在地 〒111-8682 東京都台東区寿4丁目1番2号三栄寿ビル
設立 1950年2月
事業内容 家具、家庭用品、服飾雑貨、家電等生活用品のOEM事業、ブランド事業
HP コーポレートサイト : https://www.sanyeicorp.com/
MINT(楽天市場) : hhttps://www.rakuten.co.jp/fi-mint/
MINT(Yahoo!ショッピング) : https://store.shopping.yahoo.co.jp/fi-mint/