COLUMNロジザード ノウハウ EC・物流コラム

物流やEC(ネットショップ)、在庫管理に関連したロジザードのオリジナルコラムです。
在庫管理の基本的な方法から効率化するポイントをロジザードのノウハウ、ロジザードの視点でご紹介します。

最終更新日:2024/01/15 システム再配達物流ロボット運輸業・倉庫業(3PL事業者)

最新版|物流業界が抱える課題とは?具体的な解決策をご紹介

物流倉庫から荷物搬入・搬出中のトラック

気になる!物流業界の現状は?

物流業界の現状は、ECサイトの増加、ネットショッピングの需要拡大によって個人向けの配送量も増えています。2017年、運送業者の人手不足問題による運送料の値上がりなどで大きくニュースにもなりましたが、これは、人手不足になるほど需要が高いことの現れでもあります。個人向け配送の一角を担うEC(電子商取引)市場は堅調に推移しており、市場規模は毎年のように前年よりも1%以上拡大し続けています。国土交通省によると、2009~2014年の5年ほどの間で約15%も宅配便の取り扱いが増加しました。とりわけ、スマートフォンやタブレットの普及により簡単にネットショッピングができるようになった今日、物流には高い需要が見込まれています。

コロナの影響は?巣ごもり需要増加と輸出関連の減少

株式会社矢野経済研究所の発表によると、新型コロナウイルスの影響で2020年は国際物流関連市場が大きく減少。実際に、物流⑰業種市場規模については2019年に比べて0.8%減となりました。一方で、巣ごもり需要などによる宅配系や店舗配送などは堅調。つまり引き続き、EC市場などについては売上げが伸びると考えられます。

一方、今後の状況次第で国際物流関連市場が回復してくれば、物流全体はより大きな市場になり得ます。この際には、ドライバーの人手不足もより深刻化するでしょう。とくに労働基準法改正によってドライバーの人件費が高騰すれば、将来的に物流コストが高まることが予想できます。次から、より具体的な物流業界の課題を考えていきます。


物流業界が抱える課題

物流業界の抱える大きな課題は、「配送小口数の増加」や「人口減少などによる人手不足」です。前述のように、対個人の配送量は増加傾向にあります。これは、物流業界が活気付くチャンスともいえますが、言い換えると物流業界全体が激務化しており、労働者ひとりひとりの負担が大きいことを意味します。とりわけ、日本では現在少子化による労働人口の減少に直面しており、物流で働く人の負担を減らすために新たな人材を確保しようと思っても、人が集まりにくいという課題があるため、長時間労働になりがちです。同様の課題に、「運送ドライバーの減少と高齢化」も挙げられるでしょう。人手不足による人員確保の難しさから、物流業界では働き手の平均年齢が上がっており高齢化が進んでいます。

迫り来る2024年問題

現在、人手不足や高齢化などに関わる問題として注目を集めているのが、通称「2024年問題」です。とくにポイントとされているのが時間外労働時間の制限。働き方改革関連法では、「時間外労働の上限規制」「有給休暇の取得義務付け」「同一労働・同一賃金」などが定められています。これにより、労働環境が改善されるように感じますが、運送会社の売上減少やドライバーの収入減少が懸念されています。 時間外労働の上限規制については、施行が2024年4月。それまでの猶予期間のうちに人手不足の課題を解決しないと、物流業務をこれまでと同じように行うこと自体が難しくなるのです。


改正物流総合効率化法案とは?

すでに述べた物量業界が抱える課題を解決するために、「改正物流総合効率化法案」が閣議決定されました。導入の背景には、前述の「小口貨物の増加によるトラック積載率の低下」や「運送ドライバーの高齢化」、「CO2の削減や環境負荷の低減」といった課題の解決があるでしょう。

改正物流総合効率化法案

① モーダルシフトの加速

② 共同配送の取り組み

③ 輸送網の集約

モーダルシフトの加速

改正物流総合効率化法案による影響として顕著なものに、「モーダルシフトの加速」があります。モーダルシフトとはトラックによる輸送を、鉄道や船に置き換えようとする動きのことです。トラックでの運送では、環境負荷の高い排気ガスを排出したり、エネルギー効率が悪かったりといった課題があります。一方、海運や鉄道では比較的低エネルギーで大量に輸送することが可能です。また、これはトラックドライバーの人手不足問題にも良い解決策となりえるので、モーダルシフトは物流業界が抱える課題をいくつも解決できる優れた方法なのです。効率化を図るためには特定の数社だけではなく、業界全体として積極的に取り組むべきだといえるでしょう。

共同配送の取り組み

「共同配送の取り組み」の増加も、改正物流総合効率化法案における重要な要素となっています。これは、2社以上が連携して輸送や保管などの物流業務を行うというもので、効率化という点では優秀なシステムです。今までは物流を担うA社B社C社が同じ納品先であっても、それぞれのトラックで別々に運んでいました。一方、共同配送の取り組みでは、A・B・Cの各社が一旦共同の倉庫などに商品を一括納品し、そこからひとつのトラックで納品先へ荷物を運送します。そのため、積載率を向上させたりCO2を削減したりできるのです。

共同配送については、こちらのコラムがおすすめです。

物流トレンド用語30選 2023年最新版|物流担当者のための基礎知識
https://www.logizard-zero.com/columns/basic19.html#24

輸送網の集約

改正物流総合効率化法案のもうひとつの柱となるのが「輸送網の集約」です。これもシステムは共同配送の取り組みと似ており、今までは各社バラバラに行っていた輸送網をひとつにまとめ、集約化することが目的となります。輸送網の中央に輸送連携型倉庫(特定流通業務施設)を置き、一旦そこに集めてから納品先へと運ぶのが主なやり方です。これら3つの取り組みが国土交通大臣によって認定されると、認定事業に対しては補助や税制特例などの支援が行われます。特に中小企業に対しては、長期無利子貸付制度や信用保険制度の限度額を拡充するなど、手厚い支援措置があるのが特徴です。


物流業界の問題を解決!どんな解決策がある?

これまでに述べた物流業界が抱える課題の解決策は、技術革新によって実現される可能性があります。具体的な解決策について、いくつか見ていきましょう。

物流システムの導入とデジタル化

効率的な倉庫システムの導入や商品管理のデジタル化は、その好例といえるでしょう。今までは人の手で管理していたものをデジタルで置き換えることができれば、業務の負担を大きく軽減させられます。倉庫管理を担うWMSは、その代表例です。作業の効率化につながるのはもちろん、スタッフや在庫の動きがデータ化され、蓄積されていけば、さまざまな分析も可能。結果として、倉庫内作業のより効率的な運用や、経営判断に関わる情報としても活用できます。

物流ロボット等を用いたオートメーション

EC需要拡大により物量が増加した物流現場では、物流オートメーションが注目されています。RPA、マテハン、自動梱包機、自動封函機、物流ロボットなどデータや一部のものの動き、作業に特化した自動化は人手不足の日本国内でますます浸透していくでしょう。なかでも各業界でも関心が高いのが物流ロボットです。物流業務において、人の手足の替わりになるようなさまざまな用途の物流ロボットが誕生しており、各現場で抱える課題感や現実したい効率化・省人化によって使い分けられ、人が歩く、重いものを運ぶといった作業負担がどんどん軽減されることが期待されています。

物流ロボットに関する、おすすめコンテンツ

資料:物流ロボットの種類と活用するメリット・課題
https://www.logizard-zero.com/whitepaper-download/logistics-robot.html

コラム:物流ロボットの種類と特徴的な機能は?
https://www.logizard-zero.com/columns/robotics01.html

自動運転とドローン

人手不足が深刻化しているトラックのドライバーの問題は、トラックの自動運転やドローン配送を利用することで解決の糸口を見つけられるでしょう。ただし、自動運転もドローンも日本では法整備などが整っておらず、まだ課題が山積している状態です。しかし、海外では実験が繰り返されており、導入に向けての動きが加速している現状があります。海外でもEC業界の拡大は目覚ましく、いかに効率的に物流業務を行えるかは生き残るために重要な課題です。今後は21世紀型の物流システムが、業界に大きな影響をもたらす可能性が高いといえるでしょう。日本でも配達ロボットやドローン配送の実証実験の事例が増えています

AIを用いた物流効率化

AI活用による物流システムの効率化も、物流の課題を解決するための糸口になります。AIによってシフトや勤務の最適化が進めば、余計な人件費といったコストが削減できる可能性があるからです。また、AIが物流の予測を高確率で当てることができれば、積載率の効率化や燃料代の削減なども期待できるでしょう。加えて、到着予定時刻を正確に知ることができれば、事前連絡を行いやすく不在による再配達のリスクを軽減させることにもつなげられるのです。

最終的には、個人の顧客がどの時間帯なら家にいる可能性が高いかまでも、AIなら割り出せると予想されています。AIでは導入する期間が長くなるほどに学習が積み重なり、正確性が増します。すでに大手ではAIを導入しているところもあるため、トラックの自動運転やドローンよりも日本では現実的に導入しやすいでしょう。


なかなか進まない物流DXの原因は?

物流システムやロボットといったシステムは、事業規模の大きな現場では導入も進んでいる状況です。増加する宅配貨物や慢性的な人材不足などの問題を解消するのに、大いに役立っていると言えるでしょう。

一方で、なかなか物流のデジタル化が進まない現場も少なくありません。その理由は、物流のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対して必要性を感じてはいるものの、IT・デジタル分野の人材が不足しているというのが大きな理由でしょう。

そもそも、レガシーなシステムには運用・保守を行う人材のリタイアが宿命付けられており、かつ後継者不足も問題になります。人材がいたとしても、老朽化したシステムにわざわざリソースを割くのは賢明とは言えません。そこでDXが必要になるわけですが、いわゆるDX人材の確保は容易ではありません。DXは、データの蓄積、可視化、活用の先にあるものです。仮にIT・デジタルに詳しい人物がいたとしても、包括的なDX戦略・ビジョンを持って事を進められるようなスキルは持ち得ていないことも多いのです。また、経営層があまり危機感を持っていないことで、DX人材の採用に消極的といった可能性も考えられます。

物流DXついては、こちらの資料がおすすめです。

物流DXが急務になった背景と今後求められるWMS
https://www.logizard-zero.com/whitepaper-download/dx02.html


将来性は?物流業界の今後の見通し!

物流業界の現状を見てきましたが、業界の将来性についてはどのように考えられているのでしょうか。

2021年の東京オリンピック開催により、物流業界の需要は拡大。また、物流にとって大変重要な役割を担う交通インフラも、東京オリンピックによって再整備がなされました。幹線道路が整えば、よりスピーディーに安定した状態での物流が期待できるでしょう。この点から見ると、物流業界の短期的な見通しはさまざまな面から見て明るいということができます。

また、今後もECサイト、越境ECや店舗と連携してのオムニチャネルの発展などにより、物流業界の役割は大きくなっていくと予想されます。EC業界は右肩上がりに成長を続けており、今後しばらくはこの状態が継続するでしょう。物流では人手不足が叫ばれているものの、前述の改正物流総合効率化法案といった取り組みが始まっています。これらの動きにより、個人でも宅配BOXを設置するなど物流に対する意識が徐々に高まってきているのではないでしょうか。
さらに、2023年、ついに政府が「送料無料」の表示見直しに取り組む方針を打ち出しました。商品は人が運んでいるため、送料が「無料」ということはありません。こちらにの方針により、エンドユーザーの意識が変わることにも期待したいところです。

クラウド型の倉庫管理が活躍

物流業界では増加するEC物流のニーズに応えるため、倉庫内の在庫管理ができるクラウドシステムなどを導入するところも出てきました。主に倉庫業者が利用するシステムは「WMS(Warehouse Management System)=倉庫管理システム」と呼ばれています。これは、在庫管理や入出荷管理、有効期限管理といった倉庫業務を一手に管理して効率化するためのシステムです。自社倉庫を保有している場合も、製造業者や通販事業者なども、WMSの利用者として当てはまります。WMSには複数の種類があり、その中でクラウド型WMS「ロジザードZERO」では、独自の強みや便利なサービスを提供しているのが特徴です。

物流業界の問題を解決するロジザードZERO

ロジザードZEROはパッケージソフトであるため、導入にそれほど時間や手間がかかりません。1,600社以上の物流現場で稼働しており、導入実績はパッケージシェアでNo.1という実績もあります。また、365日サポートが稼働しているため、何かトラブルがあったときでも解決までの時間が短いのが利点です。さらに、商品はバーコードで管理されており、誤出荷や在庫切れなどのリスクを極限まで減らすことができます。加えて、物流コンサルタントが勉強会を実施しているというユニークなサービスもあります。このように、ロジザードZEROは機能もさることながら、特にサービスが魅力的です。

ロット管理、賞味期限管理等のベーシックな機能から、今後の物流業界にかかせない物流ロボットとの連携も積極的に行っており、周辺システムとの自動連携、API連携にも対応しています。ロジザードZEROを導入すれば、物流ビジネスを円滑に行うためのベストパートナーとなってくれることでしょう。

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